形成外科
外傷・熱傷・褥瘡・皮膚潰瘍など
オールマイティーに診療し、
「質の高い傷の治り方」を目指します。
診療方針と特徴
整形外科が骨や関節を診療するのに対して、頭から手先・足先までの皮膚や軟部組織の診療を行うのが「形成外科」です。
当科では、外傷や熱傷はもちろん、その後に生じる変形やケロイドなどの治療にも力を入れています。また、近年は糖尿病や透析など基礎疾患、末梢血管病変に伴う褥瘡(いわゆる床ずれ)や皮膚潰瘍の治療も行っており、特に「重症下肢虚血」においては職種の垣根を越えた合同カンファレンスにより、多角的なケアに取り組むチーム医療を行っています。
他にもレーザー治療や陥入爪矯正治療など様々な疾患の診療を行っていますが、全てにおいて「より質の高い傷の治り方」を目指しています。
※形成外科の対象疾患について、詳しくはこちらをご覧ください。
日本形成外科学会ホームページ
(近森病院のサイトから離れ、別のサイトに移動します)
医師紹介
部長 杉田 直哉 Naoya Sugita
Field [得意分野]
顔面骨骨折や熱傷などの急性期外傷から、褥瘡や足の潰瘍などの慢性創傷まで幅広く治療をしています。近年増加している、糖尿病やPADを原因とする足病変の集学的治療にも力を入れています。
Message[患者さんへのメッセージ]
奈良県出身の形成外科医です。高知県に来て15年以上になります。これからも高知の医療に貢献できるよう自己研鑽を重ねていきます。創傷などでお困りの患者さんは随時ご相談ください。
Qualifications[資格等]
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医師の専門性資格
- 日本形成外科学会 領域指導医
- 日本形成外科学会 皮膚腫瘍外科分野指導医
- 日本形成外科学会 小児形成外科分野指導医
- 日本専門医機構 形成外科専門医 その他資格等
- 日本創傷外科学会 専門医
- 高知大学医学部臨床教授
[ 厚生労働省医政総発0124第1号通知に準ずるもの、および日本専門医機構認定の資格等 ]
部長 赤松 順 Jun Akamatsu
Field [得意分野]
頭蓋、顎、顔面領域・体幹・四肢の形成外科など幅広く手術を行っています。特に、顔面骨骨折や顔面軟部組織損傷の手術、熱傷の治療および外傷後の瘢痕拘縮、肥厚性瘢痕、ケロイド、皮膚腫瘍切除後の再建手術などを得意としています。
Message[患者さんへのメッセージ]
大阪医大、故田嶋貞夫教授のもと頭蓋顎顔面外科、皮弁再建外科、倉敷中央病院で先天異常、皮膚外科など多くの症例を経験。外傷や臍、耳の変形や先天異常、眼瞼下垂や顔面神経麻痺の手術治療をはじめ、難治性潰瘍や気になる傷跡など気軽にご相談ください。
Qualifications[資格等]
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医師の専門性資格
- 日本形成外科学会 皮膚腫瘍外科分野指導医
- 日本形成外科学会 小児形成外科分野指導医
- 日本形成外科学会 領域指導医
- 日本専門医機構 形成外科専門医 その他資格等
- 日本創傷外科学会 専門医 評議員
- 日本褥瘡学会 認定師 評議員
- 医学博士(大阪医科大学-2000年)
- 大阪医科薬科大学臨床教育教授
[ 厚生労働省医政総発0124第1号通知に準ずるもの、および日本専門医機構認定の資格等 ]
木村 祐介 Yusuke Kimura
Field[得意分野]
以前も勤務しており、顔面骨骨折などの外傷や急性創傷、褥瘡や糖尿病、膠原病による潰瘍、血流障害による潰瘍などの慢性創傷の経験は多いです。その他の分野でも先日まで勤務していた大阪医科薬科大学で先天異常や眼瞼下垂など経験してきました。
Message[患者さんへのメッセージ]
三度帰ってまいりました。治りにくい傷、気になる傷跡、変形、できものなど皆様のお悩みを解決できるよう大阪の大学病院で学んだことも活かしながらさらにアップデートさせていくように日々努力していきます。よろしくお願いします。
Qualifications[資格等]
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医師の専門性資格
- 日本専門医機構 形成外科専門医
[ 厚生労働省医政総発0124第1号通知に準ずるもの、および日本専門医機構認定の資格等 ]
河瀬 弘代 Hiroyo Kawase
Field[得意分野]
形成外科全般を幅広く勉強しています。
Message[患者さんへのメッセージ]
患者さんにとって大切な事は何か、を心掛けながら、皆様が1日でも早く元の生活に戻れるよう、微力ながら尽力したいと思います。
主な疾患と治療方法
青あざ(太田母斑、異所性蒙古斑、後天性真皮メラノサイトーシス)
症状
青みのある色素性病変です。青あざは、色素細胞(メラノサイト)が皮膚の深いところ(真皮)に集まってできるアザで、生まれつき、または生まれて間もなくできるもの(蒙古斑、異所性蒙古斑、太田母斑、伊藤母斑)や、思春期以降の大人になってからできるもの(後天性真皮メラノサイトーシス)があります。目の周りや頬を中心とした片側顔面にできる青あざの代表には太田母斑(図1)があり、思春期以降の女性に多いのが特徴ですが、乳児期から濃くなっていくもの、両側にできるものもあります。また、肩の周りにできる同様のあざは伊藤母斑と呼ばれます。治療
当院では、高いパワーと短い時間であざの部分のみ照射を行う「Qスイッチアレキサンドライトレーザー」で治療しています(但し、後天性真皮メラノサイトーシスは保険適応外です)また、資生堂パーフェクトカバーファンデーションなどによるリハビリメイクもご紹介しています。
皮膚異物沈着症(外傷性刺青)
症状
外傷によって生じた色素性病変です。青あざと同様に真皮の深いレベルに異物が沈着して青黒く見えます。治療
当院ではQスイッチアレキサンドライトレーザーで治療しています。外傷性刺青の多くは3回前後の治療で終了します。残存した場合には外科的治療も考慮します。新たな取り組み
遺伝子治療薬「コラテジェン®」
かねてより当科が高知県で唯一治験に参加していた新たな血管を作る遺伝子治療薬「コラテジェン®」が、10年以上の月日を経て条件付き認可となりました。この治療薬は、「標準的な薬物治療の効果が不十分で、血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症およびバージャー病)における潰瘍の改善」を効能・効果とする日本初の遺伝子治療用製品です。これまで切断の可能性の高かった虚血肢に対する救肢への治療の道が拓けました。当科では、引き続き取り組みを続けています。
5月5日はこどもの日! 「キッズの日はキズケアの日」
日本創傷外科学会では、2017年夏に、5月5日を「キッズの日はキズケアの日」として、日本記念日協会(長野県佐久市)に登録申請し、認められました。専門医のいる施設でのポスターの掲示や市民公開講座などを通じて、啓発を行なっています。
近森病院形成外科では、形成外科領域指導医・創傷外科専門医が2名在籍し、「傷や傷痕を治すプロ」として治療を行っています。傷ややけどの対処法や、けがや、やけどをした子どもの傷痕を目立たなくするには、早めに形成外科を受診していただければ、きれいになおるように考えて治療を行います。
マスコットキャラクター「なおるん」
デザイン:谷口亮氏