化学療法センター
多職種で支援する化学療法
化学療法センターでは、多職種連携のチーム医療によって支持療法を行っています。当院での診断後に、あるいは手術後の補助療法として、外来化学療法に移行した患者さんが大部分ですが、外来化学療法目的の直接のご紹介も受け付けます。
外科部長 田中 洋輔
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概要
- 「化学療法センター」では、主治医から化学療法オーダーのあった患者さんに対し、専任医師、専門資格を有する薬剤師、看護師を中心に、チーム医療(医師、薬剤師、看護師、歯科医師、歯科衛生士、栄養士)で支持療法を行っています。
- 保険診療で規定されている外来化学療法とは、抗悪性腫瘍剤(抗がん剤、分子標的薬、両者の併用)点滴と、関節リウマチ、クローン氏病、ベーチェット病、潰瘍性大腸炎に対する分子標的薬の点滴で、後者も専用室での実施が求められています。
- 時間のかかる点滴治療を入院ではなく通院で行なうことで、患者さんの日常生活パターンを変えることなく治療を継続し、生活の質を落とさないことを目指しています。
化学療法センターの特徴
- がん化学療法領域におけるPBPM(protocol based pharmacotherapy management)「プロトコールに基づく薬物治療管理」を導入し、化学療法の安全性の確立、患者さんの生活の質を落とさないための有害事象回避を図っています。
- 歯科チェック、栄養指導、漢方薬処方を点滴施行中に済ませ、患者さんに余分な時間を取らせないシステムです。
- 患者さんに「治療日誌」をお渡しし日々の変化を記述して頂き、主治医とともに副作用チェックを行っています。
設備
- 化学療法センター(北館2階)は、9ベッドと11台の専用チェアーを有し、すべてに個人用テレビを備え、治療中、患者さんにはゆったりした環境で好みのスタイルで過ごして頂けます。
- 専用室のすぐ隣に薬剤調整室を備え、医師から化学療法オーダーが入り次第、直ぐに薬剤師が薬剤を無菌的調剤し、患者さんをお待たせすることがありません。
スタッフ紹介
医師 | 1名 |
---|---|
看護師 | 3名 |
薬剤師 | 3名 |
歯科医師、歯科衛生士、栄養士、漢方薬処方医師は適宜対応。
対応疾患
- 悪性腫瘍:大腸癌、胃癌、膵癌、胆道癌、肺癌、乳癌、尿路上皮癌、前立腺癌、悪性リンパ腫、血液腫瘍、悪性黒色腫。
- 関節リウマチ、クローン氏病、ベーチェット病、潰瘍性大腸炎、多発血管炎肉芽腫症
チーム医療
薬剤師が主治医に相談します。
プロトコールに基づく薬物治療管理(PBPM)を導入し、「下痢」や「抗EGFR抗体薬による皮膚障害」、「B型肝炎再活性化早期発見」などのアルゴリズムに従って有害事象(副作用)の軽減・予防のために、薬剤師から主治医に積極的にアプローチしています。また化学療法室(点滴センター)内に薬剤調剤室が併設されている特徴をいかし、薬剤師による細やかな患者さん面談や医師・看護師他との積極的なディスカッションを行っています。薬剤師から、他科(歯科、皮膚科、がんサポート外来など)受診提案や、管理栄養士、歯科衛生士など他職種への介入依頼など、チーム医療の円滑化を図っています。さらに、お薬手帳の活用による保険薬局との情報共有によって患者指導や有害事象モニタリングに関する連携を強化しています。
(がん薬物療法専門薬剤師 宮崎俊明)
看護師が支援します。
がん薬物治療を受ける患者さんやそのご家族が、安心・安全・確実に治療が受けられるよう投与管理や副作用マネジメントを行い、QOLを損なう事なく治療と日常生活が両立できるよう支援を行います。また告知の時期から継続的に関わり、患者さんが納得して治療方針の選択ができ、病気と向き合えるよう意志決定支援を行います。
(がん薬物療法看護認定看護師 塚本綾)
歯科医、歯科衛生士が口腔内のサポートをします。
化学療法による身体の抵抗力の低下(骨髄抑制など)があると虫歯や歯周病は重篤な全身感染の原因となる可能性があります。また、副作用による口腔粘膜障害(口内炎)や味覚障害などの有害事象を起こすことが多くあります。口腔内診査をもとに、化学療法中の有害事象のリスクを歯科医師が診断し、歯科衛生士とともに適切なブラッシング指導や専門的な航空ケア方法をお伝えしています。また、かかりつけの歯科医院と連携しながら適切なタイミングで治療が受けられるようにサポートをしています。
(歯科医師 小野万記子)
栄養士が食事指導します。
化学療法にともなう様々な症状は、食事摂取量の低下につながる場合が多く、体重減少や栄養障害が進行する場合が少なくありません。私たち管理栄養士は、病状や出現する症状を考慮し、患者さんの生活状況に応じた栄養指導を行います。また医師をはじめ他職種と連携をとり、よりよい栄養サポートにつなげることを目指しています。
(管理栄養士 内山里美)
漢方に詳しい内科医が体調をサポートします。
がん細胞に対する直接的な治療は、以前に比べ著しい効果が期待できる時代になりました。しかし体を元気にする治療は西洋医学では未だ十分とは言えません。体を元気にする治療は漢方医学が得意とする分野です。がん治療は総力戦です。西洋医学と東洋医学の優れた所を取り入れて元気を維持しましょう。我々は体を元気にする人参、黄耆などの入った漢方薬でがん治療をサポートします。
(糖尿病・内分泌内科部長 浅羽宏一)
診療実績
年間外来化学療法件数
外来化学療法 | がん化学療法 | 分子標的薬治療 |
---|---|---|
2011年 | 703 | 142 |
2012年 | 839 | 212 |
2013年 | 732 | 419 |
2014年 | 836 | 633 |
2015年 | 651 | 576 |
2016年 | 673 | 715 |
2017年 | 772 | 682 |
2018年 | 728 | 602 |
2019年 | 667 | 527 |
2020年 | 1023 | 454 |
2021年 | 1226 | 446 |
2022年 | 1391 | 532 |
2023年 | 1688 | 531 |
年間がん化学療法件数
がん化学療法 | 外来がん化学療法 | 入院がん化学療法 |
---|---|---|
2010年 | 632 | 144 |
2011年 | 703 | 149 |
2012年 | 839 | 155 |
2013年 | 732 | 156 |
2014年 | 836 | 133 |
2015年 | 651 | 59 |
2016年 | 673 | 319 |
2017年 | 772 | 358 |
2018年 | 728 | 817 |
2019年 | 667 | 910 |
2020年 | 1023 | 1113 |
2021年 | 1226 | 1260 |
2022年 | 1391 | 901 |
2023年 | 1688 | 744 |
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