糖尿病・内分泌代謝内科/リウマチ・膠原病内科

部長 公文 義雄

 当科の役割は当該分野の入院・外来患者の診療支援である。近澤宏明先生と私公文、総合診療科の浅羽宏一先生の3人に加えて、2017年4月から沖縄県立中部病院から吉田剛先生が参加してくれ、面白い診療ができるようになった。吉田剛先生はリウマチ・膠原病内科医、神経内科医である。私どもに足りない神経内科の常識・知識を我々が勉強する機会を与えてくれたことと、若いエネルギーを持ち合わせており勉強会を充実させて当科に新しい風を吹き込んでくれた。創設5年がたち、院内からと、また、近隣の先生方からのご紹介も増えているが、これらに対応できたのはひとえに他科の先生方のご理解・ご協力と、コメディカルを含めたスタッフのサポートによるものである。まずご協力いただきました皆様方に改めて御礼を述べたい。
 生活習慣病から難病まで当科が関与する疾患群の窓口は広く、ERなどの救急診療の先生方や、総合診療担当先生方、当科で研修頂いた研修医の先生方からもサポートを戴いている。疾患には急性も慢性もなく、あるのは多彩な病態のみである。喀血で来院された患者の中にも当該科が活躍できる分野もあり、吉田先生が加わってくれてから院内での認識も定着しつつある。
 糖尿病センター、リウマチ・膠原病センターへの通院延べ人数は、2017年度は7708人であり、2016年度7569人とほぼ同人数であった。チーム医療にかかわるスタッフの数は増えておらず、当センターの規模を考えると、病状を落ち着かせて可能な限りご紹介元にお返ししている現状もあり、地域医療支援病院として妥当な診療になっているのではないかと考えられる。今後は、紹介~逆紹介を増やし、このサイクルを強化していきたいと考えている。
 当院での糖尿病診療で見えた診療上の問題点を昨年の学会で発表させて頂いた。重症低血糖を避ける治療が生命予後の改善にも繋がることが分かっており、当科でもそれを実践することが目標である。DPPIV阻害薬やGLP-1製剤が開発され、安全な糖尿病治療が可能となったといわれているが、実臨床では必ずしもそうではない。これらの薬剤が開発される前に比べて、当院へ搬入される低血糖入院患者は決して減っていないのである。高齢者での低血糖と、インスリンとSU剤の使い方が解決のキーワードの様である。そのためには、昨年新たに公表された高齢者糖尿病患者の治療目標値と、特に目標下限値を厳守することが必要と考えられた。その意識が当院全体でもまだ薄い印象であり、病院全体での取り組みや、そのための新しい仕組み創りが必要である。仮に、臨床現場でこの点を指摘された先生方がいたとすれば勇気をもって一度スタッフの云う事を素直にお聞きして頂きたいし、また、スタッフの皆様方がこの点を誰にも遠慮せずに指摘できる環境を当院でも作る必要がある。今後は診療のサポーターを増やし、少なくともパワハラのない診療環境を作ることが重要である。スタッフの教育は大変重要であり時間がかかることではあるが、これなくして診療のボトムアップはないと考えられる。
 FreeStyleリブレが保険適応となって臨床に用いられ、組織液の血糖値が持続的に測定されるようになった。従来の持続血糖測定器(CGM)と同じではなく血糖値との間に多少の乖離はあるものの、実臨床への応用は革新的であり大きな問題はない。従来のSMBG値は基本的に「点」としての評価であったが、リブレ値は連続的な「線」として理解でき、薬効を意識した理解ができるため改善に繋げることができる。また、最大のメリットが深夜~早朝時間帯の無自覚性低血糖の指摘であり、指導により早朝低血糖の頻度を減らしながらも、HbA1cが改善する例も多く、それに向けてのスタッフ教育が重要である。現在、リブレ値の解析と指導をスタッフ全体で勉強しており、診療では楽しいツールをなっている。今後の普及と更なる進化が楽しみである。
 リウマチ・膠原病の病態は複雑であり、診断は必ずしも容易ではなく、病態に応じた治療も一様ではない。多彩な臨床症状を見抜くためにもそれなりに熟練が必要であり、そのためも習熟したスタッフが必要となる。今回吉田剛先生が加入してくれた意義はその点大きい。若い先生方からも声を懸けて頂き、当科へのハードルが下がったことはうれしいことである。当科の診療レベルの向上を端的に評価することは難しいが、近隣の先生方からのご紹介患者数はまだ増加している。関節リウマチの治療に於いても同様であり、この一年間の生物製剤治療患者数は未だ右肩上がりであったことは、我々の実績であり、医療連携施設から今後の我々への期待と考えさせて頂きたい。この点を考えると、紹介~逆紹介の連携医療をこの分野でも更に強化していく必要がある。
 昨年2017年9月9-10日の日本脊椎関節炎学会第27回学術集会を高知市文化プラザかるぽーとで恙なく開催できた。当院秘書をはじめ多くのスタッフに助けて頂いたことに感謝申し上げたい。特に、特別講演で来日頂いたDavid Yu先生のご講演と実技指導は珍しいプログラムであったこともあり、学会会員のみならず患者さんにもお褒め頂いた。当日の指導内容を冊子にして学会HPで公開させて頂いており、高知から世界に向けての発信になったものと思われる。更に、第6回中国四国リウマチ医の会を高知商工会館で2017年6月25日に開催させて頂いた。多発性筋炎・皮膚筋炎など難病のトピックを中心にリウマチ診療について中四国地区の先生方への普及に貢献できた。また、2017年10月1日には平成29年度中国四国地区リウマチの治療とケア研修会を高知市文化プラザかるぽーとで開催させて頂いた。リウマチの実臨床での問題点を多職種で検討頂いて実践に移すことが目的であり、高齢者に対する諸問題と将来の南海大地震に向けて今どのように対応するか、コメディカルを含めて一緒に考えて頂いた。
 創設5年経過し、当科の医療チームも成長し、地域医療連携施設の先生方と医療連携も視野に入れた診療ができるようになってきた。今後当科の更なる成長には医師の増数が必要である。特に若い先生方、子育て支援の必要な世代の先生方、一緒に楽しくやってみませんか?