臨床研究・調査等のご案内

臨床研究・調査等について

臨床研究とは、人を対象として行われる医学研究のことです。病気の予防・診断・治療方法の改善や病気の原因の解明、患者さんの生活の質の向上を目的として行われます。そこでは、長い時間をかけて発症する病気や、まれにしか見られない病気も対象になりますし、すでに行われている治療の効果やその予後を観察していくこともあります。医療に活用できる確かな情報とするため、患者さんにご協力いただいて行われるのが臨床研究です。
このほか、医療の質向上を目的として、診療に関する情報を登録するデータベース事業なども行われており、当院でも参加している事業があります。これらは患者さんが特定できないように、情報は完全に匿名化されて登録されます。

研究情報の公開について(オプトアウト)

臨床研究を行う際は、医療従事者が対象となる患者さんに文書もしくは口頭にて説明し同意を取得します。ただし、臨床研究のうち、患者さんに新たな負担や制限が加わることがなく、診療データの情報やすでにある検体を用いる等の研究については、国が定めた指針に基づき、患者さんのお一人ずつから直接同意を得る必要はないとされています。そのかわりに、目的を含む研究の実施についての情報を公開し、患者さんが研究への参加を拒否できる機会を保障することが必要とされており、このような方法を「オプトアウト」といいます。
個人情報の扱いには十分に注意を払っておりますが、ご自身の情報・試料等の提供を拒否される方は、研究ごとに連絡先等を記載しておりますので、遠慮なくお申し出ください。

実際に行っている臨床研究および参画するデータベース事業

当院で実施中のオプトアウトを用いた臨床研究
実施診療科 研究テーマ
循環器内科

急性冠症候群に対するエベロリムス溶出性コバルトクロムステント留置後の抗血小板剤2剤併用療法(DAPT)期間を1ヵ月に短縮することの安全性を評価する研究(STOPDAPT-2 ACS)

肥大型心筋症を対象とした全国登録調査研究(J-HCM研究)

心筋梗塞の原因となる不安定プラークの形成機序解明・治療標的同定を目指した研究

徐脈性不整脈および刺激伝導系障害に対する生理的ペーシングの有効性

非弁膜症性心房細動患者を対象とした左心耳閉鎖デバイスによる経皮的左心耳閉鎖術観察研究(TERMINATOR Registry)

本邦心大血管リハビリテーションの問題点の抽出と対策の検討

JROAD-DPCによる非動脈硬化性心筋梗塞の実態解明と二次調査研究

全国レジストリによる心臓サルコイドーシスの治療体系の確立を目指す長期研究 心臓サルコイドーシス症例登録プロジェクトJapanese Cardiac Sarcoidosis Registry(JACSレジストリ)

大腿膝窩動脈閉塞病変を有する症候性閉塞性動脈硬化症に対して、真腔内アプローチ後に薬剤溶出性デバイスを用いた末梢血管内治療に関する多施設前向き観察研究(SAMURAI-FPCTO registry)

循環器疾患診療実態調査(JROAD)のデータベースと二次調査に基づく致死性心室性不整脈患者の診断・治療・予後に関する研究 (JROAD-Brugada調査研究)

生食コントラスト経胸壁心エコー図検査における風船負荷法の卵円孔開存症の診断:多施設レジストリー研究

循環器疾患診療実態調査(JROAD)のデータベースとCRT患者の予後に関わる因子に関する研究(JPN-CRT研究)

JROAD/JROAD-DPCを用いた急性非代償性心不全を合併した甲状腺クリーゼにおける重症化因子・治療法解明のための多施設登録研究

急性心筋梗塞における心原性ショックおよび機械的合併症の病態および予後評価

心アミロイドーシスの病態および予後評価

超高齢者の心房細動に対するカテーテルアブレーションの有効性と安全性の評価

消化器内科

自己免疫性肝炎と薬物性肝障害に対する臨床病理学的検討

脳神経内科

悪性腫瘍を合併する脳梗塞患者の予後関連因子の検討

心房細動患者における左心房拡大の脳梗塞に及ぼす影響に関する検討

リウマチ性疾患が脳梗塞の臨床像および転帰に及ぼす影響の検討

当院で経験したWernicke脳症の臨床像に関する検討

アシクロビル脳症の臨床像に関する検討

肺血栓塞栓症高リスク患者の抽出に寄与する因子に関する検討

脳卒中後てんかんと後遺症の脳画像レジストリ研究

感染症内科

日本における菌血症由来のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の遺伝子型による特徴の違い

グラム陰性桿菌の薬剤耐性と病原性に関する研究(薬剤耐性研究センターナショナル・サーベイランス:JARBS)

成人の侵襲性細菌感染症サーベイランスの強化のための研究

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症の治療抗菌薬と予後の相関解析

腎臓内科

J-DOPPS(第8期調査)日本における血液透析の治療方法と患者予後についての調査:第8期調査

リウマチ・膠原病内科

シェーグレン症候群の末梢神経障害に関する研究

炎症性筋疾患に関する研究

強皮症の筋症の診断と全身合併症の関連に関する研究

関節リウマチ患者のサルコペニアの診断における、骨格筋超音波検査の有用性の検討

関節リウマチの治療が骨格筋および内臓脂肪に与える影響の検討

SARS CoV2 ワクチン接種後に生じたリウマチ性疾患についての全国調査

第二回体軸性脊椎関節炎全国疫学調査(掌蹠膿庖症性骨関節炎一次調査含む)

高度肥満で壮年期に心房細動を合併した強直性脊椎関節炎の一例 ~本例の心房細動の発症に関する文献的考察~

血液内科

疫学研究「血液疾患登録」

再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫に対するLisocabtagene maraIeuceI治療の多施設共同観察研究 -JSCT CART23-

整形外科

日本整形外科学会症例レジストリー(JOANR)構築に関する研究

大腿骨髄内釘術後の大腿骨近位部骨折の検討

脳神経外科

高齢社会である高知県における椎骨脳底動脈解離の実態研究

Penumbraシステム 使用実態調査

脳卒中を含む循環器病対策の評価指標に基づく急性期医療体制の構築に関する研究「Close The Gap-Stroke」

手術症例登録事業 Japan Neurosurgical Database(JND)

小型破裂脳動脈瘤の治療と予後に関する共同研究

非外傷性脳内出血に対するアンデキサネットアルファの初期使用経験

心臓血管外科

ウシ心のう膜パッチを用いた大血管再建に対する治療研究

「施設訪問によるデータ照合」体制整備

消化器外科

侵襲性の高い術後におけるグルカンを用いた効果的な臨床栄養サポート

麻酔科

術中使用の温風式加温装置による皮膚血流量の変化

救急科

日本外傷データバンクへの外傷患者登録と登録データを用いた臨床研究

熱中症患者の医学情報等に関する疫学調査(Heatstroke STUDY)

日本救急医学会多施設共同院外心停止レジストリ

自転車による交通外傷において飲酒が重症度に与える影響に関する多施設共同前向き研究

ドクターカーの運用事例に関する調査研究

Rapid Response System(RRS) データレジストリーに関する多機関共同研究

院内心停止データレジストリーに関する多機関共同研究

放射線科

医療画像の画像診断を支援するAIソフトウェアの開発

看護部

心臓血管外科手術を受ける患者のICU での睡眠と覚醒状況の実態調査

アフターコロナにおけるニューノーマル時代に対応した医療人材育成プログラムの開発

薬剤部

高齢糖尿病患者の低血糖防止に向けた保険薬局との連携に関する有用性評価

心不全患者における入院前後における保険薬局との情報連携に関する有用性評価

胆管炎患者における初期治療薬の使用状況調査

抗EGFR 抗体製剤投与に伴う低Mg 血症への対応に関する現状調査

院内製剤硫酸亜鉛注射液を使用してHbA1c 、NH3 を改善した症例―標的臓器における亜鉛充足評価に利用可能な検査項目―

胆管炎患者に対する抗菌薬適正使用支援(AS)活動の取り組み

骨折リエゾンサービス活動開始による骨粗鬆症治療薬の処方提案に関する調査

心不全薬剤管理サマリーの活用状況調査と有用性の評価

クロザピン投与継続のためのプロトコルに基づく薬物治療管理(PBPM)の有用性評価

抗菌薬適正使用チーム介入が黄色ブドウ球菌菌血症バンドル遵守率向上の臨床診療に与える影響

骨折リエゾンサービス開始後の骨粗鬆症治療薬の継続率と二次骨折率について

急性期病院における精神疾患と身体合併症の連携

持続携行式腹膜透析関連腹膜炎に対してセフタジジム腹腔内投与中に抗菌薬関連脳症が疑われた症例の検討

リハビリテーション部

経カテーテル大動脈弁留置術後の手段的日常生活動作の改善について

臨床検査部

臨床検体から分離された侵襲性感染症原因菌の分子疫学解析と薬剤耐性化の経年的推移

臨床栄養部

集中病棟における早期腸管使用の現状と課題

膵頭十二指腸切除術の合併症予測におけるEstimation of Physiologic Ability and Surgical Stress Scoring system(E-PASS) Scoring Systemおよび栄養状態の妥当性に関する検討

診療情報課

次世代多目的コホート研究

データベース事業への参加について

当院では、以下のデータベース事業に参加しています。

一般社団法人 National Clinical Database(NCD)について

一般社団法人 National Clinical Database(NCD)は、臨床現場の医療情報を体系的に把握し、医療の質向上に資する分析を行うことで、市民の皆様に最善の医療を提供し、適正な医療水準を維持することを目的としています。当院はNCDのデータベース事業に参加し、日常の診療に関する様々な情報の登録を行っています。この情報は、それ自体で患者さん個人を容易に特定することはできないものですが、患者さんの意思で本事業への登録を拒否していただく事ができます。

日本脳神経外科学会データベース研究事業(JND)について

一般社団法人 日本脳神経外科学会では、症例情報を集計・登録することにより、脳神経外科医療の質の評価に役立てることを目的とし、データベース研究事業をおこなっています。当院はこの事業に参加しており、2018年1月から当院脳神経外科に入院された患者さんの臨床データの登録を行っています。解析にあたって提供するデータは、提供前に個人を特定できない形に加工しますので、患者さんの個人のプライバシーは完全に保護されます。本研究の解析にご自身のデータを使用されることを拒否される方は、脳神経外科 担当医にその旨お申し出下さいますようお願い致します。その他研究事業についての資料の閲覧を希望される方は、 をご参照ください。

全国IVR症例Web登録について

日本インターベンショナルラジオロジー学会(日本IVR学会)では、IVRの症例情報を集計・登録することにより、我が国におけるIVR診療の現状を把握し、各種疾患の診断治療の向上に役立てることを目的として、IVR症例登録を実施しています。
当院はこの登録事業に参加しており、IVR診療(血管塞栓術、血管拡張術など)を受けられた患者さんについては、個人情報を削除した後、診療内容をIVR学会に届け出ています。もし、ご自身の情報が用いられることについてご了承いただけない場合には届出をいたしませんので、当院放射線科 宮﨑延裕へご連絡ください。

日本外傷データバンク(JTDB)について

日本外傷データバンクでは、「外傷診療の質の向上」を目的として、外傷患者に関わるデータを集計・解析しています。 当院はこの登録事業に参加しており、外傷を負った患者さんの情報をデータベースに登録させていただいています。登録の際には、氏名、生年月日などの個人の特定に繋がる情報を削除しますので、患者さんのプライバシーが侵されることにはなりません。もし、ご自身の情報が用いられることについてご了承いただけない場合には登録対象といたしませんので、当院救急科秘書へご連絡ください。
詳しくは、 をご参照ください。

熱中症患者の医学情報等に関する疫学調査(Heatstroke STUDY)

一般社団法人日本救急医学会 熱中症および低体温症に関する委員会では、「外傷診療の質の向上」を目的として、外傷患者に関わるデータを集計・解析しています。 当院はこの登録事業に参加しており、毎年7月1日から9月30日までに当院の救命救急センターにおいて熱中症と診断された患者さんの情報をWeb登録とFAX送信させていただきます。なお、外来診療のみで帰宅となった患者さんは除外します。
個人情報の保護のため、登録については無記名であり、個人を識別できる情報(氏名、住所、生年月日、電話番号等)は入力されませんので、患者さんの不利益になることはありません。もし、ご自身の情報が用いられることについてご了承いただけない場合には登録対象といたしませんので、当院救急科秘書へご連絡ください。
詳しくは、 をご参照ください。

日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)施行の症例登録システムについて

カテーテルアブレーション全国症例登録研究(J-AB 2022)

新規我が国における心臓植込み型デバイス治療の登録調査(New JCDTR)

補助循環用ポンプカテーテルに関するレジストリ事業(J-PVAD)について

経皮的左心耳閉鎖システムを用いた非弁膜症性心房細動患者の塞栓予防の有効性と安全性に関する多施設レジストリー研究(J-LAAO)について

経皮的僧帽弁接合不全修復システムを用いた僧帽弁閉鎖不全に対する治療介入の有効性と安全性に関する多施設レジストリー(J-Mitra)について

DPCデータを用いた心疾患における医療の質に関する事業(JROAD-DPC)について

リード抜去症例の実態調査(J-LEX)について

日本消化器内視鏡学会内に設けられた多施設共同研究事業(JED)について