
相談役 近森正幸のひとりごと
[2024年3月25日] 長い間本当にありがとうございました!!
はじめに
近森病院に外科医として帰ってきて45年、(医)近森会 理事長に就任してもう39年になります。
当時の近森病院は付き添い看護の野戦病院のような救急病院でしたが、そのような病院が屋上にヘリポートを有する救命救急センターの近森病院、全国有数の回復期リハビリを提供する近森リハビリテーション病院、地域包括ケア病棟の近森オルソリハビリテーション病院という素晴らしい今日の近森会にまで発展できたことは、多くの先生方やスタッフのパワーを結集した結果であり、ともに歩んでくださった皆様にはただただ感謝の言葉しかありません。
高知だからできたこと
私が医師になった50年前は医療が確立されておらず、創意工夫で外科医として手術をせざるを得なかった時代で、リハビリや栄養サポートなどの未開の分野が広がっていました。近森病院のある高知が田舎で土地代や人件費、諸物価が安く、全国統一の診療報酬のもと利益が十分確保できたので、先進的な医療のハード、ソフトの充実に充てることができましたし、回復期リハビリテーションや管理栄養士による病棟常駐型栄養サポートから多職種による病棟常駐型チーム医療など、夢を持って実現できた時代でした。そんな素晴らしい時代に多少のマネジメント能力があり、患者さんに24時間365日いつでもいい医療を提供しようという強い思いのパワフルな男がたまたま幸運に恵まれ続け、今日の近森会ができたように思っています。
時代が大きく変わって
現在は国家財政が厳しく診療報酬の単価が上がらず、高齢患者が減少を始めるとともに少子化で若手スタッフが集まらず、今まで有利であった田舎が逆に厳しくなっており、諸物価や人件費の高騰なども合わさり、時代が大きく転換し、まるで海図のない大海原に漕ぎ出すような時代になったと考えています。
おわりに
理事長に就任される入江博之先生は、20年間でまったくのゼロから日本有数の心臓血管外科までに育て上げられた先生で、理事長としてこれからの大変な時代に近森会を力強く率いてくださると信じています。今日、近森会は高知県民、市民にとってなくてはならない病院になっています。「高知の地域医療の最後の砦」としていつまでもあり続けていただきたいと切に願っています。
社会医療法人 近森会
相談役 近森 正幸