相談役 近森正幸のひとりごと
[2021年12月25日] 中四国有数の整形外科に育てて下さった衣笠清人統括部長
近森病院 院長
近森 正幸
衣笠先生は1996年10月前任の枝重恭一部長の跡を継いで若くして整形外科科長、部長、2008年には統括部長に就任され、手術一筋に整形外科を率いてくれました。救急の外傷や難治骨折症例、さらには患者の高齢化に伴い人工関節や骨切り術などの慢性疾患に対する手術治療にも精力的に取組み、非常に丁寧な手術を実践することで、良好な長期の治療成績を反映して手術件数は就任当時の年間900件から年々増加し2,200件となり、中四国でも有数の整形外科にまで育てて下さいました。
学会発表や論文投稿を積極的に行うばかりでなく、高知県内の整形外科医とともに高知骨折研究会を開催、さらには全国の著名な先生方を招き黒潮外傷カンファレンスなどを開催し、全国から参加者が集まっています。骨折治療の世界的グループであるAO foundationのfellowship centerに日本で初めて認定され、世界各国からも外傷の研修に訪れるまでになりました。これらの活動を積極的に行うことで、他施設から多くの研修を希望する医師を迎えることが出来るようになりました。
先生は整形外科医が手術に専念できるように、落ち着いた外来患者をかかりつけの先生方にお願いして、救急と紹介、専門外来に絞り込むという地域医療連携を1999年から近森病院で初めて実践され、2003年の地域医療支援病院認可につなげて下さいました。さらには周術期業務を看護師ばかりでなく病棟常駐している多職種の医療専門職に積極的に権限委譲し、一般病棟における周術期業務のタスクシフティングのモデルを作り上げて下さいました。
定年退職を迎え、生涯手術をする一整形外科医であり続けたいという先生の強い思いから新天地で自由に手術の腕を振るわれることになりました。幸い月1回は手術指導に近森病院に来て下さいますので、お会いできる日を楽しみにしています。