相談役 近森正幸のひとりごと
[2020年06月] 土佐の山城巡り
今年4月吉村部長が透析室に帰って来てくださったことと、新型コロナの影響で学会や講演会が全くなくなり、医師になって初めて土曜日、日曜日完全週休2日となってしまった。このままでは体もなまってしまうし、何か運動しないと免疫力も下がってしまうということで、以前から県外の有名な山城は随分行っていたことと、たまたま松田 直則さんの編集した『土佐の山城』が発売されたことをきっかけに、土佐の山城を巡る旅を4月から開始した。
7守護といわれた本山、安芸、大平、山田、津野、吉良、長宗我部が割拠した山城を中心に、里山や山間の小さな豪族の山城、前線基地となった境目の城など2カ月で幡多と東部を除く35の城跡を回ることができた。整備された岡豊城や姫野々城、安芸城、蓮池城、久礼田城などを除き、ほとんどの山城は里の人たちが柴刈りで入らなくなったことから自然に還りつつあり、倒木、草木が繁茂し崖崩れや谷川の流れで道がなくなっていることも多く、地形図とコンパスを頼りによじ登らないといけない。足元も不確かで落ち葉で滑りやすく、急斜面を上ったり下ったりで、しっかり足腰が鍛えられてきた。尾根筋を断って敵の侵入を防ぐ「堀切」を見る時などは、攻め手を一列に並ばせて各個撃破するために緩斜面側にわずかに小道がある場合が多く、頭も使わないといけないし勘もすっかり鋭くなった。なんとなく戦国時代に弓矢や槍で戦っていた武士になったようで免疫力も随分アップしたように感じている。
ほとんどの山城は急峻で危険を伴うので山登りの装備をしっかりして、葉の枯れる秋・冬に楽しんで欲しい。最近は早朝の鷲尾山周辺の山歩に切り換えている。
理事長 近森 正幸