相談役 近森正幸のドキュメント document

相談役 近森正幸のドキュメント

相談役 近森正幸のドキュメント

2023/10改定

管理栄養士のための『理事長の栄養サポートメモ』

社会医療法人 近森会
理事長 近森 正幸

『理事長の栄養サポートメモ』を読む前に知ってもらいたいこと

近森病院の栄養サポートは管理栄養士が病棟に常駐し、栄養士の視点で患者を診て、栄養学的に判断し、暗黙知(患者の栄養上の問題をすべて考えて得られる知識:意識はあるか、咬めれるか、嚥下は、腸は使えるか、水は多いか少ないか、循環や呼吸は、肝、腎、膵機能は、炭水化物、蛋白、脂肪、ミネラル、ビタミンは、アレルギーは、etc. すべて考えて出した質の高い知識)の結論の質の高い形式知(減塩食、食塩6g)で多職種と効率よく情報共有し、医師に「減塩食、食塩6gでOK」と提案し、指示医のサインの入った食事箋に基づき介入し、良質で効率的な栄養サポートを行っている。

管理栄養士も患者を診ることで専門性が上がり栄養サポートの質が向上、暗黙知の結論の形式知で効率よく情報共有することで、処理能力が上がり栄養サポートの必要な患者(入院患者の50%以上)すべてに栄養サポートを行い、アウトカム(出来高の食事↑、コストの輸液、抗生剤↓)を出すことが出来る。

入院患者の栄養状態は「骨格筋の多い、少ない」、「侵襲の大きい、小さい」、「根本治療で侵襲が止まるか、止まらないか」で規定される。そのため、骨格筋の評価方法、栄養に関係する解剖と生理、侵襲の大きい重篤な病態(特にショック、臓器不全などのLac(乳酸)↑症例)、さらには、検査データを理解することで、どの臓器がどれだけ悪くなっており、根本治療でどれだけよくなっているか客観的に知ることが出来るので、検査データの診方を知れば管理栄養士として患者を診ることが出来るようになる。

理事長の栄養サポートメモを読むだけ、覚えるだけではダメで、症例をみる時の判断の知識として利用出来るように知識の引き出しから必要に応じて引き出せるようにして下さい。

栄養サポートメモは、管理栄養士が栄養学的に患者を診れるように出来るだけ分かりやすい言葉で基本的な知識だけを記載しています。
☆:
非常に重要な概念、知識。症例を理解し、把握し、対応する時に最も役に立つ基本的事項。絶対に覚える。
◎:
重要な知識。しっかり覚える。
○:
知っていると役立つ知識。ついでに覚える。
「 」
キーポイントの言葉。
参考:
病態を理解するための知識。読んで分かればよい。

これから1年間 2/W NSTカンファレンスで1症例を2-3時間かけて検討し、栄養士として患者を診れるようにしますので、頑張りましょう。

管理栄養士のための『理事長の栄養サポートメモ』(約1.8MB)