相談役 近森正幸のドキュメント document

相談役 近森正幸のドキュメント

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CPCレポート集 第14巻

CPCレポート集 第14巻 巻頭言

社会医療法人近森会 近森病院
院長 近森 正幸

今回、“2018年~2019年度近森病院初期臨床研修医によるCPCレポート集第14巻”が発刊されるにあたり、一言ご挨拶申し上げます。このCPCレポート集は、浜重内科部長が指導して下さるCPCカンファレンスを経て、瀬川 朗、河瀬 弘代、竹森 悠伊、船曳 隼大、河本 マリナ、岡本 莉奈、奥根 亨也、中谷 真大、中山 雄二の9名の初期臨床研修医が作り上げたCPCレポートが集められ、一冊のレポート集になりました。

研修医が臨床の経過や検査所見、臨床診断と臨床事項のまとめを提示し、それに対して病理の円山部長が病理解剖所見を個々の臓器について詳細に説明し、最後に病理診断を述べるだけでなく臨床経過と病理所見を主要な病態のフローチャートとしてまとめ、臨床と病理の橋渡しをして下さっています。また、その疾病に関するいろいろの資料を添付し考察するとともにCPCレポートを作成した研修医の想いがこもった感想が載っています。また、北村外科部長のご指導のもと、臨床経過に病理診断を加味して死亡診断書を見直すことで、死亡診断書の内容が病態を反映したより正確なものになっています。

現在はオートプシー・イメージングなどの画像診断も発達し、病理解剖が必要なくなったような風潮が見られますが、CPCレポート集に記載された症例を見させて頂くにつれ、病理解剖を行い肉眼で臓器を観察し、病理組織学的に診断し、病変を確定し病態を考察することがいかに大切であるか、患者さんが身体を投げ打って教えて下さる真実の重みを感じずにはいられません。

初めて医師になった初期研修医にとって、これから医師としてやっていく上で得ることの多いCPCレポート集をこれからも続けていきたいと考えておりますので、初期臨床研修医はもちろん、ご指導下さった円山部長をはじめ多くの臨床指導医の先生方、病理検査室のスタッフの皆様、どうかよろしくお願いします。