相談役 近森正幸のドキュメント
ひろっぱ Vol.415 2021年2月号
地域医療連携推進法人「高知メディカルアライアンス」
スタート ~高知の地域医療を守るために~
社会医療法人 近森会
理事長 近森 正幸
はじめに
2020年12月28日付で地域医療連携推進法人「高知メディカルアライアンス」(以下、KMA)が高知県から認定を受けることが出来た。
KMAは高知県の中央医療圏における地域医療連携をすすめ、地域医療構想の達成および地域包括ケアシステムの構築を行うことを目的として設立された。参加医療機関は、社会医療法人近森会 近森病院と近森リハ病院、医療法人松田会 近森オルソリハ病院、医療法人OWL みなみ在宅クリニックの4医療機関だが、積極的に賛同する法人の参加を考えている。
地域医療連携推進のために
近森病院は20年以上前から医療連携を先進的に進め、逆紹介を積極的に行い地域のかかりつけの先生方から紹介患者を増やすことで、2000年には開放型病院、2003年には地域医療支援病院、2011年には全館予約・紹介専門外来の外来センターを開設し、地域医療連携を強力に推進してきた。
診療機能集約化のために
近森会グループは2007年から10年をかけて診療機能の集約化と全面的な増改築工事を行った。近森病院は338床から、452床の急性期病床と第二分院104床を急性期精神科病床60床に特化し、総合心療センターとして本院に統合、512床の急性期病院になることで中四国でもトップ3の救急患者の受け入れができるようになった。
これからのKMA
これからの10年間は、急激な人口の減少と高齢化が進み、患者数の減少と疾病構造の大きな変化が起こると共に、医師の高齢化や専門医の減少により医療機能も低下し、地域医療は大きく変わろうとしている。その為、急性期から回復期、慢性期、在宅までの医療の質の確保と連携を推進し、スムーズな在宅復帰を図ることが求められている。これからは、KMAを中核として医療連携と診療機能の集約化を強力に推進し、質の高い効率的な医療提供体制を構築していくことで地域医療を守っていきたい。