相談役 近森正幸のドキュメント document

相談役 近森正幸のドキュメント

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地域医療連携ガイド2020

近森病院 地域医療連携ガイド2020 発刊に寄せて

近森病院 院長 近森 正幸

各医療機関の先生方、スタッフの皆様、いつも近森病院との地域医療連携にご協力頂きありがとうございます。

2020年は武漢発生の新型コロナ肺炎の世界的なパンデミックで幕を開けました。高知県でも2月29日第1号の患者が発生し、4月29日時点で74例目の患者が発生しています。新型コロナ肺炎の対応として高知県では高知医療センターと幡多けんみん病院が感染対応の基幹病院として治療ばかりでなく感染防御や風評被害などの様々な困難を乗り越えて対応して下さっています。

近森病院は高知赤十字病院などと共に救命救急医療の基幹病院として地域医療の崩壊を防ぐために全力で対応してまいりました。4月に入り新型コロナの感染者が増えるとともに、心肺停止で救急搬送されたり、通常の傷病で入院する患者、生命にかかわる緊急手術の患者の中で新型コロナ感染が疑われる事例が発生し、対応に追われています。

新型コロナ肺炎の蔓延と共に受診抑制が起こり、救急搬送件数も特に低緊急患者を中心に激減しており、予定入院、予定手術の延期などによる稼働率の低下も起こってきました。

この受診抑制の傾向は新型コロナウイルスに対するワクチンや特効薬が普及する1、2年間は続くと考えざるを得ず、新型コロナ肺炎以降は「世界が変わる」と言われていますが、高知県の地域医療も大きく変わろうとしています。

人口が減少し病院、病床数が全国一の高知県の地域医療において、急性期病院ばかりでなく回復期や、慢性期の病院、診療所なども今までにない厳しい状況に追い込まれると考えられます。今後は、生き残りをかけてそれぞれの医療機関の機能を絞り込み、専門性を高め、今まで以上に密接でキメの細かい迅速な連携、「アライアンス連携」が必要になってきます。

当院は、開設当初より救急医療に特化して地域医療に貢献してきました。現在では、救命救急センターを中心として、循環器、脳神経、消化器、呼吸器、泌尿器、外傷の各分野でセンター化により内科系、外科系の先生方が協力して、県内でも有数の患者さんを診療しています。今後も救命救急医療に特化した病院作りを続け、地域の中で信頼される病院になっていく所存です。

この「近森病院地域医療連携ガイド 2020」には各医師の何が得意なのか、どういう思いで診療しているのか、といった事を掲載しています。顔の見える連携を目指して診療を行っていきますので今後ともよろしくお願いいたします。

2020年5月