相談役 近森正幸のドキュメント
地域医療支援病院運営委員会 説明文
地域医療支援病院運営状況の説明
近森副委員長
2016年4月の診療報酬改定により、7:1の看護師がいれば診療報酬が入る「ストラクチャー評価」から、重症度、医療・看護必要度が25%、2018年4月からは30%なければ7:1の診療報酬が入らない「アウトカム評価」に変わり、特に高知県の地域医療では人口が減少し高齢の重症患者が減少したことで、基幹病院でも平均在院日数が減少し、稼働率の低下が起こっている。当院でも2017年10月には34床の地域包括ケア病棟を開設、2019年4月にはHCU、SCU病棟の再編成を行っている。
地域医療支援病院として、地域医療連携を推進し積極的に月500人以上の紹介患者を受け入れると共に、麻酔科の充実により緊急手術の受け入れがスムーズになり、2018年実績として、中四国で3番目に多い救急患者、重篤患者の受け入れを行っている。
地域医療支援病院の運営状況については、月平均外来患者数は2000年から落ち着いた患者の逆紹介の推進により2/3に減少後、2013年頃から増加傾向にあったが、大病院の定額負担により再び減少傾向にある。初診患者数は2000年の月2,500人が500人と一貫して減少しており、地域医療支援病院としてはあるべき姿ではないかと考えている。紹介患者数、紹介入院患者数共に従来の算定要件では増加傾向にある。また、地域医療連携センターを経ての紹介患者数・紹介入院患者数については、従来の算定要件では増加傾向にあったものが、最近は地域医療連携センターに紹介する暇のない緊急の紹介患者の急激な増加によりやや頭打ち傾向になっている。逆紹介患者数は算定要件の変更により、かかりつけの先生方と連携し、専門医が半年から1年に1回定期的に診察を行っている再診患者も含まれることになったため、以前よりも飛躍的に増加している。
救急搬入件数については、救急車重複か満床などにより2016年をピークに減少傾向にある。科別救急件数では、内科が約66%を占めている。ドクターカーは5か月間で17件、ヘリ搬送は43件であった。
地域医療支援病院紹介率・逆紹介率は問題なくクリアしている。
医療機器の共同利用に関しては、最近はやや増加しているが、長期的にみると周辺の医療機関の医療機器の整備により減少傾向にある。
診療情報開示の状況は、関係機関からの依頼が多くを占めている。
医療相談室における患者相談の最近5か月間の実績は、のべ相談件数が15,601件であった。内訳は、退院調整関係が6,326件と多く、心理社会的相談が2,030件、経済的相談関係1,267件、療養生活関係41件、その他相談援助1,400件等となっている。
研究・研修・勉強会は、最近5か月間で217回開催され、参加者数の累計は院内参加者延数5,939名、院外参加者延数117名となった。この期間の地域医療講演会の開催は2回であった。またJMECC講習は1回開催され6名の受講者、ICLS講習は2回開催され34名の受講者、AHA-BLSプロバイダーコースは3回開催され14名の受講者、AHA-ACLSプロバイダーコースは1回開催され7名の受講者であった。認定看護師など医療専門職を派遣する出前講座「ひろっぱ講座」は、40回開催され、延1,527名の参加者であった。3月からは新型コロナウイルスの問題で院内・外の研修会、講演会が中止されることが多くなり、地域の医療スタッフの研修は大きな影響をうけると考えられている。