相談役 近森正幸のドキュメント
研修医マニュアル 第5版
近森病院研修医マニュアル第5版発刊に寄せて
2020年3月
近森病院 院長 近森 正幸
近森病院は管理型の臨床研修病院となり、2005年4月から1期生の初期研修が始まり、2020年4月には16期生を受け入れています。地域の高度急性期から急性期医療を担う近森病院では症例数も多く、救命救急センターで救急の患者さんが多いということは、病名のついていない患者さんを最初に診療し、真の病態に大きく網をかけ絞り込んでいくという、医師として一番大事な経験を数多く積めることを意味しています。病院としても先輩の医師による屋根瓦方式の研修や研修医ミーティング、カンファレンス、勉強会、講演会、CPCなどを開催、研修がさらに充実したものになるよう努力してまいりました。
2007年3月には1期生、2期生全員が執筆して研修医マニュアル第1版が完成、2008年3月には2期生、3期生により第2版が発刊されています。この頃より近森病院の研修は厳しいという噂が立ち研修医の数が減ったことで、しばらく改訂版の発行はとまっていました。
病院として研修医により近い研修管理委員長とプログラム責任者の選任、医学生の学外臨床実習の積極的受け入れ、手技のシェアリング、メンタルサポートの充実、若手医師によるメンター制度やレジデントミーティング、コメディカルによるレクチャーなど地道な努力を積み重ね、7期以降13期まで7年連続フルマッチの実績を上げるようになりました。このように研修医のマンパワーが充実したことで、2014年3月には満を持して6期生、7期生、8期生が第3版を、2016年3月には記念すべき節目の10期生を中心として構成を大幅に改め第4版が完成しました。今回は14期生、15期生がガイドラインの改定や最新の知見も交えて内容を更新し、より活用しやすい第5版が発刊されました。
忙しい近森病院の研修の中で、次に続く後輩の研修医や多くの医療スタッフのためにこのようなすばらしい研修医マニュアルを作って下さった研修医の皆様に感謝するとともに、近森病院の初期研修に情熱をもって取り組んで下さった研修医を誇りに思います。すばらしい研修医マニュアルをありがとうございました。