相談役 近森正幸のドキュメント
ひろっぱ Vol.381 2018年4月号
新人を迎えて
いきいきと充実した人生を過ごして下さい!
近森会グループ理事長
近森 正幸
現在は日本の医療の転換期
前回2年前の診療報酬改定でアウトカム評価が導入され、急性期ばかりでなく回復期、慢性期医療も入院患者の入院制限が起こり、日本の医療は大きく変わろうとしています。今年4月の診療報酬改定では、アウトカム評価がさらに強化されますが、人口が少なく、病院、病床数の多い高知県において、全国に先駆けて稼働率の低下や病棟閉鎖、病棟機能の変更、病院から施設である介護医療院への転換、さらには廃院などが身近で起こるようになります。
近森会グループのグランドデザイン
近森会グループ全体では792床の病床を有しておりますが、競合病院が多く急性期の患者数が少ない高知県に立地するため、792床すべてを急性期にするのではなく救命救急センターの近森病院512床であっても高度急性期から急性期病床は418床、地域包括ケア病床34床、総合心療センター60床と急性期病床を絞り込んでいます。さらには脳卒中、脊損対象の全館回復期リハビリ病棟である近森リハビリテーション病院180床と整形外科のリハビリを提供する近森オルソリハビリテーション病院100床と密接に連携し、地域にはなくてはならない医療を提供しています。
この10年間のハード、ソフトの改革
近森会グループは、少子高齢化時代の地域医療の激変を予測し、10年かけて着実に病床の増加と医療の質の向上を行い、入院患者数の増加を図ってきました。近森病院は338床から452床に増床し、第二分院の精神科を60床の急性期病棟に特化し本院に統合しました。さらには近森オルソリハビリテーション病院を立ち上げるとともに7カ年計画で近森病院の全面的な増改築工事、近森リハビリテーション病院の新築移転、近森オルソリハビリテーション病院の改築移転を行いました。ハードを全面的に整備するとともに救命救急医療に特化しリハビリとの垂直統合で在宅復帰を推進、地域医療連携を徹底しより密接なアライアンス連携の推進、多くの高規格病棟との有機的な病棟連携、さらには多職種による病棟常駐型チーム医療を構築し、医療の質の向上を行ってきました。
新人の成長を期待して
多くの先輩達の努力で地域に真に求められる医療のシステムが出来上がっています。私たちは医師、看護師ばかりでなく多職種が病棟へ出てそれぞれの視点で患者を診て判断し、介入する病棟常駐型チーム医療をすべてのステージで展開しています。新人の皆さん、どうか、医師の指示で業務をするだけではなく、それぞれが自律、自働し、専門性を高め、患者さんのための医療を行い、いきいきと充実した人生を過ごして下さい。