Rapid Response System (院内迅速対応システム)について
2024.09.12
RRS(Rapid Response System)とは
RRS委員会 委員長
救命救急センター
救急科 科長
三木俊史
救命救急センター
救急科 科長
三木俊史
入院中に急変に至る患者さんの多くには前兆があることが指摘されています。院内迅速対応システム(Rapid Response System:RRS)とは、その前兆を適時に認識して速やかに対応し、予期せぬ院内心停止や院内死亡といった重篤な有害事象を減らそうとする医療安全体制です。
既にRRSの導入が義務化されている国もあり、わが国でも徐々に広がりを見せつつある中、2022年度の診療報酬改定で新設された急性期充実体制加算において、RRSの導入・運営が施設基準の一つとして求められるようになりました。
当院でもRRSの正式な運用に向け、RRT(Rapid Response Team)の起動要件の検討、体制・マニュアルの整備を行なってきましたが、この度RRS委員会を立ち上げ、2023年4月より運用が開始となりました。まず要請件数の増加を目標とし、要請症例の振り返りや運用の課題を議論して、その都度修正を行なっていきたいと思います。
近森病院 RRT要請基準
- A:気道
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- 気になる音(例:ストライダー)
- 挿管チューブ、気管切開カニュラの問題
- B:呼吸
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- 呼吸困難
- 努力呼吸
- 不規則な呼吸・変な呼吸様式
- 呼吸回数10回/min以下・25回/min以上
- SpO2=92%以下もしくは計測不能
- C:循環
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- 心拍数40bpm以下、120bpm以上
- 収縮期圧90mmHg以下、200mmHg以上
- 不規則な呼吸・変な呼吸様式
- 尿量が4時間で50ml以下
- 新たにカテコラミンの投与が開始となった
- D:意識
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- 急激な意識状態の悪化
- 覚醒しない
- 神経学的所見(麻痺、呂律難など)
- E:その他
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- 患者に対し何か心配なとき
- 急性の明らかな出血(例:吐下血、外傷など)
- 治療に反応がない
RRT(Rapid Response Team)再編について
ICU病棟 看護師 主任
クリティカルケア認定看護師 特定行為研修修了者
池澤友朗
クリティカルケア認定看護師 特定行為研修修了者
池澤友朗
これまでのRRTは看護師特定行為研修を修了した看護師で構成されていましたが、2023年度より集中系病棟のリーダー看護師を加えることで24時間対応可能なRRTへと進化を遂げました。
これまでの体制では看護師個々のスキルによる対応の個人差が懸念されていましたが、現在はプロトコルの導入や研修などを経て急変対応の標準化やスキルアップを行っています。高知県や四国を代表するRRTとなるべく院内全体での取り組みを推進しています。