院外の方にお会いすると「先生のご講演は歯に衣着せぬお話で本当に楽しい」とか「先生の独特の話し方や経営哲学が素晴らしい」など、皆さん好印象であることが感じられ、職員として素直に嬉しいのですが、そういう風に評価されていることをどう思われていますか? 講演中の近森正幸理事長(2013年)私の講演は近森でやっていることすべて隠し事なく本音でしゃべっていますので、分かりやすく評判もいいのではないでしょうか。私が平気で洗いざらいしゃべっているのは、この話を聞いて自分の病院でやれるものならやってみろという思いがあるからです。私の話の中で唯一多くの急性期基幹病院に取り入れられた内容は、「集中治療病棟は入院単価を上げる大きな要因となる」という当たり前のことです。ということで、多くの急性期病院で集中治療病棟が増え、現在の重症のコロナ患者対応がなんとか可能になったのは、多少は私の貢献があるように思います。多くの先生方、特に医師会の先生方の視点は、「医療や病院は複雑系」という暗黙知です。そのため全能の神医師がすべて判断し、指示を出さないとダメだという考えになりますし、暗黙知ですのでカンファレンスでのすり合わせで情報共有するしかありません。私の視点は形式知の「業務」で、病院の医療も業務まで落とし込めば業務の連なりにしかすぎず、ベルトコンベアと同じですので、製造業の理論※が応用できますし、形式知ですので電子カルテに載せるだけで簡単に情報共有できます。多くの先生方と視点が違いますので、情報共有の仕方も違い、本質的に私の話は理解されず、自身の病院に導入できない大きな原因となっています。反面、企業の方、特に製造業の社長は私のチーム医療の考え方をよく理解され共感して下さるので、講演していても楽しく話すことが出来ますしいろいろなヒントも頂けます。※ 「チーム医療の理論と実践」はホームページ理事長のドキュメントに掲載していますので興味があれば見て下さい。JOB67Q.45
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