はその時だけだったように思います)。無我夢中で出血部を手で掴み、ケリーで挟み、結紮止血しましたが、幸いなことに破裂部が右心耳だったのではないかと考えています。その方は無事退院され、お元気に暮らしています。多発骨盤骨折で搬入され、骨盤周囲の大出血でショック状態でしたが、当時はカテーテルによる塞栓術で止血など考えられない時代で、昔から「骨盤骨折は手術で開けると地獄の門が開く」と言われるように先人がきつく戒めていましたので、輸血、輸液でひたすら圧迫止血できればと願いながら頑張りました。腰を中心に全身がパンパンに腫れましたが、奇跡的に止血し無事退院しました。何年か経って結婚式でお元気な姿で挨拶に来てくれた時は、本当に嬉しかったです。お二人とも若く元気だったことで助かったと思います。JOB51Q.35
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