正博前理事長との思い出で特に心に残っていることを教えてください。 近森正博孝子ご夫妻（提供：近森正幸）戦地ビルマにて〈前列中央が近森正博〉提供：近森正幸 父正博は、一高、東大を出て東大第二外科に入局しています。野村茂久馬氏の次女孝子とお見合いしましたが、父は男前で頭もよく、背も高くいい男だったので、母はどうしても父と結婚したいと言って押入れの中に閉じこもりハンガーストライキをしたと聞いています。 結婚後、5カ月で突然招集され、ビルマ戦線に送られました。そのため、私は生まれる暇もありませんでしたので、戦後、近森外科開業1年後にやっと生まれています。 父は海軍航空隊付きの軍医でしたので、戦闘が怖くエンジンの不調を理由に帰ってくる航空兵に勇気を与える薬（ヒロポン？）を開発したとか、ビルマの美人の看護師さんをバックに日本刀を持ってご機嫌な写真が残っています。悲劇のインパール作戦にも従軍しましたが、小隊長の突撃の命令を聞かず後ろで隠れていたとか、イギリス軍のジープを分捕ってきたとか、終戦となり、イギリス軍の捕虜収容所に入っていましたが、小さなベーコンが浮いた薄いスープしかなかったので、昔の患者の家を回って魚などの食べ物を集めてきたことなどを酒を飲んでご機嫌な時に話してくれました。どんな大変な時でも元気で陽気に暮らし、権威などは鼻の先で笑うような反骨心旺盛な自分の考えをきちんともった人間でした。PRIVATE41Q.29
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