一番尊敬している人と、その理由を教えてください。2ページ目へつづく▼人間としては私の父、近森正博です。近森をここまで発展させてくれた、狂気の血を父から受け継ぎ、息子正康にも流れているからでしょうか。外科医として最も尊敬している人は、以前大塚にあった癌研病院の院長梶谷鐶先生で、癌をメスで治すという強い信念を持っておられた偉大な外科医です。私が高知に帰ってくる前の1年間、癌研病院で外科の研修を受け、先生の手術を間近に見させて頂き、一生の外科医の基本を教えて頂きました。私の父がビルマ戦線から帰って来た時、東大1外科の医局に誘って下さったのも先生で、結局高知へ帰って近森外科を開業しましたが、「近森の息子か」と変に目をかけられて怖かったことを覚えています。その他、東京女子医科大学腎透析センターの太田和夫先生、大阪医科大学形成外科教室の田嶋定夫先生と一緒に手術をさせて頂いたことは外科医としての大きな財産になっています。ちなみに太田和夫先生の厚い2冊の透析の教科書を読んで、50歳過ぎから外科医から透析医に転職しました。田嶋定夫先生の顔面外傷という本は、洋書の翻訳ではなくご自身の手術症例を分かりやすく書いており、たまたま金高堂で見つけ、見よう見まねで頬骨弓骨折の整復をしていましたが、同級生から関連病院先を探しておられた田嶋先生を紹介され、近森病院に形成外科の医局員を現在に至るまで派遣して頂いて PRIVATE34梶谷鐶先生(がん研有明病院から提供・利用許諾いただきました) 父 近森正博(提供:近森正幸) ナポリの病院見学の後で中央が太田和夫先生、左端が近森正博前理事長(提供:近森正幸) Q.23
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