脳神経外科

部長 林 悟

 2017年は、林、西本、野中、長谷川の4人体制で診療にあたった。
 入院患者数は2015年までは減少傾向であったが、2017年は559例に増加し(図1)、特に脳出血と脳梗塞患者数が増加した(図2)。入院患者の約半数が脳卒中であり、脳卒中患者の増加が入院患者数増加につながっていると考えられる。以前は、脳梗塞の大半は内科でお願いし、脳外科に入院となる脳梗塞患者数が減少していたが、主幹動脈閉塞に対する血管内再開通療法が増加し、そのまま脳外科に入院となる脳梗塞症例が増えていることも増加の一因である。くも膜下出血はやや減少したが例年ほぼ同数であり、出血性脳卒中は全て脳外科が担当している。
 2017年の手術件数は241例であった。2016年が262例と過去最多であり、前年よりは減少した(図3)。手術症例の内訳は例年通り脳卒中と外傷がほとんどである(表1)。急性硬膜下血腫が前年より減少しているが、慢性硬膜下血腫と血管内治療症例が増加している。特に急性期脳主幹動脈閉塞病変に対する血管内再開通療法が39例と増加している(表1, 図4)。脳内出血の手術症例数は大きな変動はないが、定位的血腫除去術に代わり内視鏡下血腫除去術が増えている。
 脳梗塞急性期治療であるtPA投与件数は、2016年の53例を下回る40例であった(内科入院分含む)。2017年前半は病院全体の救急患者数が減少しており、tPA投与件数も年前半に少なかった(図4)。しかし、血管内再開通療法はやや増加しており、急性期脳卒中に対する院内の体制も整い、ER来院から短時間のうちに血管内治療まで流れる体制になってきた。しかし、まだ時間がかかる症例や院内発症の脳卒中対応は十分とは言えず2018年も改善に努めたい。
 SCU開設当初より、神経内科の先生を含む多職種と毎朝カンファレンスを継続しており、外科治療が必要な患者さんと内科治療のみの患者さんの振り分けが、うまく進んでいると考えている。また、週一回であるが病棟カンファレンスを行い、病状や障害の程度だけではなく、患者・家族の希望や生活背景等も含めた情報を多職種で共有し、効率的に治療を進め入院期間の短縮も進んでいる。
 ハード面においては、IVR-CTにて難易度の高い血管内治療もより安全に行うことができ、ICG(インドシアニングリーン)蛍光血管造影が可能な顕微鏡、ナビゲーション、MEPなどのモニタリングを適宜使用して、より安全な開頭手術も心がけている。
 2018年は、前年以上の実績と治療成績を目標とし、論文作成や学会活動にも力を入れたい。

  • 表1
    表1
  • 図1
    図1
  • 図2
    図2
  • 図3
    図3
  • 図4
    図4

業績

■学会発表

学会名 発表日
演題 演者
第64回NEURO SURGERYカンファレンス 2017年2月16日
「もやもや病に合併した破裂大型脳底動脈先端部動脈瘤に対し、ステント支援下コイル塞栓術を施行した1例」

近森病院
 脳神経外科1)
 放射線科2)

  • ○西本 陽央1)
  • 長谷川 義仁1)
  • 野中 大伸1)
  • 林 悟1)
  • 細田 幸司2)
第40回日本脳神経外傷学会 2017年3月10日~11日
「開頭血腫除去術を断念し穿頭術のみを行った急性硬膜下血腫19症例の検討」

近森病院
 脳神経外科

  • ○長谷川 義仁
  • 野中 大伸
  • 西本 陽央
  • 林 悟
第42回日本脳卒中学会学術総会 STROKE2017 2017年3月16日~19日
「Azygos ACAのproximal end aneurysmの1例」

近森病院
 脳神経外科

  • ○野中 大伸
  • 長谷川 義仁
  • 西本 陽央
  • 林 悟
「出血源の判断を誤り、再破裂時にクリッピングしたICPC動脈瘤の一例」

近森病院
 脳神経外科

  • ○西本 陽央
  • 長谷川 義仁
  • 野中 大伸
  • 林 悟
第83回日本脳神経外科学会中国四国支部学術集会 2017年4月8日~9日
「成人もやもや病に合併した脳底動脈先端部破裂大型動脈瘤に対し、ステント支援下コイル塞栓術を施行した一例」

近森病院
 脳神経外科

  • ○西本 陽央
  • 長谷川 義仁
  • 野中 大伸
  • 林 悟
第30回日本老年脳神経外科学会 2017年4月21日
「80歳以上の急性硬膜下血腫に対する外科治療の課題」

近森病院
 脳神経外科

  • ○林 悟
  • 長谷川 義仁
  • 野中 大伸
  • 西本 陽央
近森病院第20回公開県民講座 2017年4月22日
「血栓を取り除くカテーテル治療」

近森病院
 脳神経外科

  • ○西本 陽央
  • 長谷川 義仁
  • 野中 大伸
  • 林 悟
第65回NEURO SURGERYカンファレンス 2017年5月18日
「coiling隆盛期の時代に、若手脳血管外科医が、生き残るための悩み」

近森病院
 脳神経外科

  • ○野中 大伸
  • 長谷川 義仁
  • 西本 陽央
  • 林 悟
脳卒中市民公開講座 2017年6月22日
「脳卒中の手術治療(脳出血に対する内視鏡、くも膜下出血に対するクリッピング術)」

近森病院
 脳神経外科

  • 野中 大伸
脳血管内治療 ブラッシュアップセミナー 2017 2017年7月7日~9日
「TACTICSを使用し、安全に塞栓できた小型内頸前脈絡叢動脈瘤の一例」

近森病院
 脳神経外科1)
 放射線科2)

  • ○西本 陽央1)
  • 細田 幸司2)
  • 長谷川 義仁1)
  • 野中 大伸1)
  • 林 悟1)
第93回 群馬脳神経外科懇話会 2017年8月19日
「内膜剥離遠位端での血流遮断により、CEA後に急性閉塞をきたした一例」

近森病院
 脳神経外科

  • ○林 悟
  • 西本 陽央
  • 長谷川 義仁
  • 野中 大伸
第19回 中国四国脳卒中研究会 2017年9月2日
「頸動脈内膜剥離術後に解離による閉塞を来たし、緊急で頸動脈ステント留置術と機械的血栓回収を施行した1例」

近森病院
 脳神経外科

  • ○西本 陽央
  • 長谷川 義仁
  • 野中 大伸
  • 林 悟
第22回 日本脳腫瘍の外科学会 2017年9月8日~9日
「甲状腺濾胞癌脳転移の一例」

近森病院
 脳神経外科

  • ○野中 大伸
  • 長谷川 義仁
  • 西本 陽央
  • 林 悟
第66回NEURO SURGERYカンファレンス 2017年9月21日
「シャント術後慢性期にシャント機能不全を起こした4例」

近森病院
 脳神経外科

  • ○長谷川 義仁
  • 野中 大伸
  • 西本 陽央
  • 林 悟
脳血管内治療 夏のWorkshoop in KOCHI 第7回 2017年9月23日
「AVMの一例」

近森病院
 脳神経外科

  • ○西本 陽央
  • 長谷川 義仁
  • 野中 大伸
  • 林 悟
第16回高知県脳神経外科研究会 2017年10月5日
「PICAに限局した破裂解離性脳動脈瘤に対し、開頭術を施行した1例」

近森病院
 脳神経外科

  • ○野中 大伸
  • 長谷川 義仁
  • 西本 陽央
  • 林 悟
日本脳神経外科学会 第76回学術集会 2017年10月12日~14日
「術前に造影剤を使用せずにCEAは安全に施行できるか?」

近森病院
 脳神経外科

  • ○西本 陽央
  • 長谷川 義仁
  • 野中 大伸
  • 林 悟
第24回一般社団法人 日本神経内視鏡学会 2017年11月9日~10日
「当院における小脳出血に対する神経内視鏡手術と開頭血腫除去術の比較検討」

近森病院
 脳神経外科

  • ○野中 大伸
  • 長谷川 義仁
  • 西本 陽央
  • 林 悟
「両側前頭葉内側と小脳半球の脳挫傷に対して行った内視鏡下血腫除去の2例」

近森病院
 脳神経外科

  • ○林 悟
  • 長谷川 義仁
  • 野中 大伸
  • 西本 陽央
第26回日本脳神経外科漢方医学会学術集会 2017年11月18日
「高血圧脳内出血の急性期血圧管理に三黄瀉心湯は有効か?」

近森病院
 脳神経外科

  • ○長谷川 義仁
  • 野中 大伸
  • 西本 陽央
  • 林 悟
第33回NPO法人 日本脳神経血管内治療学会学術集会 2017年11月23日~25日
「瘤内のマイクロカテーテル造影によってdomeから穿通枝が分岐していることが判明し、塞栓術を中止した脳底動脈本幹部嚢状動脈瘤の一例」

近森病院
 脳神経外科

  • ○西本 陽央
  • 長谷川 義仁
  • 野中 大伸
  • 林 悟
第67回NEURO SURGERYカンファレンス 2017年11月30日
「くも膜下出血で発症した小脳テント部硬膜動静脈瘻の一例」

近森病院
 脳神経外科

  • ○西本 陽央
  • 長谷川 義仁
  • 野中 大伸
  • 林 悟
第84回(一社)日本脳神経外科学会中国四国支部学術集会 2017年12月9日
「遅発性シャント機能不全をきたした3例」

近森病院
 脳神経外科

  • ○長谷川 義仁
  • 野中 大伸
  • 西本 陽央
  • 林 悟