泌尿器科

主任部長 谷村 正信

1年の歩み

 2017年は、4月以降は非常勤の香西先生に替わり葺石陽亮先生が高知大学より赴任し、やっと浜口卓也部長と3人診療の体制に戻り、外来・入院・手術を担当いたしました。高知大学よりは、山本新九郎先生に替わり芝佑平先生に引き続き、金曜日の手術応援に来て頂きました。また、前期研修の選択科として、1年目の鈴木良和先生、2年目の竹森大悟先生(たすきがけ)と太田雄飛先生に選択していただき、大活躍してもらいました。他病院より紹介の手術適応の重症患者の増加も著明で、手術総数(生検含む)は430件と昨年より大幅に増加したものの、着実にこなして行く若手医師のパワーを感じました。
 懸案の新専門医制度が、いよいよ平成30年度よりスタートすることとなりました。われわれ泌尿器科医は、外科医の一員として、その技術を若手の先生方へ指導・伝授することも使命の一つであります。高知県では、高知県内の病院全体で泌尿器科研修医を育てるオール高知研修を組むこととなりました。それぞれの病院の得意部門を主に研修を受けてもらうこととなり、近森病院としては、尿路結石や尿路感染症に対しての、初期対応としての救急医療および根治目的の手術治療などを中心に研修を進めて行く予定です。今後も高知大学と連携を取りながら、泌尿器科オール高知県研修の近森部門として、高知県民にとって必要な泌尿器科作りに更に励んで参ります。尚、昨年度研修を選択して頂いた竹森先生と太田先生が、高知大学泌尿器科学教室に入局することとなりましたので、当院で新たな研修活動にも励まれることとなりますので、皆様宜しくお願いいたします。
 忙しい診療の合間にも、後掲する臨床研究、学会報告、また院内外のコメディカルスタッフや研修医の教育も行っております。また小生は高知県透析医会の会長をしており、昨年2月に第43回高知県透析研究会を開催し、無事に終了することができました。これは、裏方で頑張って頂いた中村秘書や会場スタッフとしてお手伝い頂いた秘書課含めた近森病院の職員の皆様のお蔭です。この場を借りて御礼申し上げます(本年も第44回高知県透析研究会を主催し、無事終了しております)。

 外来部門は、森美香看護部主任、吉田ひとみ・西岡真紀・坂本真由美看護師の4人で、忙しい日常業務をこなしています。一日40~80人前後の外来患者さんの検査・処置が並列する業務を、少ないスタッフで大きなトラブルもなく、何とかこなしてこられたのは、彼女たちに加え、和田道子看護師長はじめ外来センター内の他部署よりの応援と、金澤京子クラークのお蔭と日々感謝しております。

 病棟部門は、新本館8A病棟を外科・透析科との混合病棟形式で使用しています。今年もやはり予定入院に加え、緊急入院も重なり、泌尿器科単独で一日入院数5名を数える日もあるなど、病棟スタッフ・地域連携室には大変ご苦労をおかけしました。泌尿器科入院患者数は10数名で推移することが多く、ほとんどが手術前後の患者さんで、回転率が高いのに加え(平均在院日数10日弱)、高齢者、認知機能の低下した患者さんも多く、病態の多岐・複雑さは院内随一の病棟と思います。しかし、大きな事故もなく何とか1年乗り切ることが出来たのは山下看護師長を始め看護師やコメディカルの方々のおかげです。またMSWさんには、緊急入院や転院調整など、大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

機器の更新・導入

 2008年の超音波検査装置の更新、軟性膀胱ファイバー導入に始まり、外来・手術室等で使用する医療機器を最新の機器へと更新、また新規導入を断続的に行い、ほぼ全ての機器の更新が終了しました。
 今後は、2008年導入した超音波診断装置の更新や、手術室で使用するヘッドマウントディスプレイの導入などを検討しております。

泌尿器科行事

 通常の泌尿器科の診察業務や院外での発表に加え、コメディカル・パラメディカルとの親睦を図るため、以前は春秋にバーベキュー大会を開いていましたが、春秋の天候不順が続き、昨今はビアガーデン・ビアホールを使用しています。また他院のDrとの親睦のために泌尿器科ゴルフ大会も開いていましたが、最近は出席Drが減っており、休止状態となっています。ゴルフ好きのDrの赴任を期待しております。

手術

 2017年の総手術件数は、430件(ESWL79件、前立腺・腎生検36件含む)と昨年より大幅に増加いたしました。
 近森病院は救命救急センターであり、地域医療支援病院の役割も担っており、ERを備え、高知中央部の1/3の救急搬送患者(年間約7000件)に対応しています。新本館の完成に伴い、ヘリポートも備え、救急搬送患者さんは徐々に増加しています。その中で、ここ数年来は高齢の尿路結石に伴うUrosepsis患者が多く紹介され、緊急の尿管ステント留置術、腎瘻増設術が多い状態は変わりありません。
 主要な手術では、TULが96件と昨年より30件増加しました。PNLおよびTAPの合計は19件と例年並みでした(この数も割り当ての手術枠数からは限界と思われます)。尿路性器癌では、根治的前立腺全摘術は、昨年より増加し、8例に施行しました。膀胱腫瘍に対するTUR-BTは、39例と例年通りでした。また腎癌に対しては、可能な限り腎機能の温存手術を図っていますが、根治的腎摘除術を4例、腎部分切除術を1例に施行しました。
 平成21年よりESWLでの破砕効果不良の結石に対して積極的にTULなどを施行していますが、ESWLの平均施行回数は2回未満と減少したままでした。現在、病院の新増築5カ年計画が終了し、手術室も増えたものの、現状ではマンパワーの問題もあり、手術施行数は頭打ちの状態でした。
 また前立腺肥大症に対するTUR-Pは16件と例年より、やや増加しましたが、やはり高齢で合併症が多く、手術不能な症例が増加傾向にあります。
 ここ数年の傾向をみると、救急搬送される重症の紹介患者さんが多く、やはり手術内容も徐々に救命救急経由の患者さん対応にシフトしている印象です。

  • 表2

業績

 可能な限り、学会参加を行い、研修・発表を行うようにしています。

■学会発表

学会名 発表日
演題 演者
第43回高知県透析研究会 2017年2月26日
「近森病院における透析部門の現状」
  • 岡本 歌織
  • 吉村 和修
  • 谷村 正信
  • 近森 正昭
第65回日本化学療法学会総会 2017年4月7日
「近森病院における尿中分離菌の検討」
  • 谷村 正信
  • 浜口 卓也
第105回日本泌尿器科学会総会 2017年4月23日
「当院における経皮的腎砕石術の臨床的検討」
  • 浜口 卓也
  • 香西 哲夫
  • 谷村 正信

■論文発表
 なし