感染症内科

部長 石田 正之

 当科は2015年にスタートした診療科で、3年が経過しました。
 昨年同様、まだまだ手探りの状況が続いている。実際には、感染症疑われる症例やすでに感染症の診断がなされているが、治療経過が思わしくない難治症例、不明熱症例などの院内コンサルト症例や、渡航関連感染症が疑われる外来症例を中心に診療を行っている。
 また感染対策委員会やICTチームとの協力を通じて、院内感染対策にも力を注いでいる。
 特に感染症診療に必要不可欠な細菌検査技師、薬剤師とは不定期ではあるものの、レクチャーや症例検討を行い、お互いの質の向上に努め、引き続き各種資格の取得のための研鑽を積んでいます。また次世代の若手医師に対して、レクチャーや実際の症例を通して、感染症診療の考え方を教育している。
 一昨年から引き続き、感染症学会の認定教育施設(県内では2施設のみ)として、また学会からは蚊媒介感染症専門医医療機関ネットワーク活動において、蚊媒介感染症専門医療機関に指定されており、専門的な診療を継続している。
 昨年同様、治療だけでなく、予防医療の観点から、近年増加の一途をたどっている、肺炎において、最も多い原因である肺炎球菌に対してのワクチン接種に関して、積極的に推奨を行っている。成人に使用できる肺炎球菌のワクチンは大きく2つあり、多糖体ワクチンのニューモバックス(PPSV-23)と結合型ワクチンである、プレベナー(PCV-13)がある。当院では両ワクチンを常備しており、希望される方には速やかに接種が行える環境を作っている。2015年はPPSV-23を118例に、PCV-13を104例に接種しました。2016年はPPSV-23を188例、PCV-13を67例に、2017年(7月まで)PPSV-23を148例、PCV-23を51例に接種している。
 ワクチンに関しては、診療のみならず、実際の予防効果を学術的に立証することも行い、その成果を国際的な学術誌であるLancet IDに報告することができました。
 また学術的な展開としては、昨年に引き続き厚労省「成人の侵襲性細菌感染症サーベイランスの構築に関する研究」の研究班に属し、重症感染症の共同研究を、肺炎球菌感染症の病態の解析、新たなワクチン作成のための肺炎球菌感染症患者の病態解析を大学や公的機関と共同研究を行っている。
 このように、今後も臨床診療を中心に、教育、学術的な発信を継続していきたいと考えている。

業績

■学会発表

学会名 発表日
演題 演者
感染症学会総会 2017年4月
「当院における成人発症侵襲性B群溶血性連鎖球菌(GBS)感染症の検討」
  • 石田 正之
  • 柳井 さや佳
  • 吉永 詩織
  • 森本 瞳
  • 鈴木 基
  • 森本 浩之輔
感染症西日本地方会 2017年10月
「成人における肺炎球菌性肺炎と侵襲性肺炎球菌感染症の臨床像の比較:単施設観察研究」
  • 石田 正之
  • 鈴木 基
  • 柳井 さや佳
  • 吉永 詩織
  • 森本 瞳
  • 森本 浩之輔
  • 大石 和徳
感染症西日本地方会 2017年10月
「成人侵襲性連鎖球菌感染症の臨床像の菌種別比較」
  • 石田 正之
  • 鈴木 基
  • 柳井 さや佳
  • 吉永 詩織
  • 森本 瞳
  • 森本 浩之輔
  • 大石 和徳
感染症西日本地方会 2017年10月
「血清型e型のインフルエンザ菌による、肺炎を伴った侵襲性インフルエンザ菌感染症の一例」
  • 竹之熊 哲也
  • 石田 正之
  • 柳井 さや佳
  • 吉永 詩織
  • 森本 瞳
  • 村上 光一
  • 森本 浩之輔
  • 大石 和徳
感染症西日本地方会 2017年10月
「Peptostreptococcus microsによる脊髄硬膜外膿瘍、敗血症性肺塞栓症の1例」
  • 矢野 慶太郎
  • 石田 正之
  • 森本 浩之輔

■講演

学会名 発表日
演題 演者
すこやか祭り 2017年5月13日
「ストップ!肺炎–予防のために今から気をつけておきたいこと-」
  • 石田 正之
高知県東部感染症懇話会 2017年6月15日
「我が国の肺炎疫学研究からみた高齢者における23価肺炎球菌ワクチンの予防効果」
  • 石田 正之
高知県感染症研究会 2017年6月28日
「自宅浴槽での溺水呼吸不全にて救急搬送となり、速やかに呼吸不全の回復を認めるも、その2日後から発熱と再び急激な呼吸不全を生じた79歳男性」
  • 石田 正之
高知県予防接種推進セミナー 2017年9月6日
「外来で、いかにワクチンの接種率を上げるか!」
  • 石田 正之

■論文発表

冊子
タイトル 著者
Lancet Infect Dis. 2017 Jan 23.
「Serotype-specific effectiveness of 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine against pneumococcal pneumonia in adults aged 65 years or older: a multicentre, prospective, test-negative design study.」

Adult Pneumonia Study Group-Japan (APSG-J).

  • Suzuki M
  • Dhoubhadel BG
  • Ishifuji T
  • Yasunami M
  • Yaegashi M
  • Asoh N
  • Ishida M
  • Hamaguchi S
  • Aoshima M
  • Ariyoshi K
  • Morimoto K