呼吸器内科

部長 石田 正之

 2017年も昨年後半同様常勤1名、非常勤2名という体制で診療にあたった。マンパワーは減ったものの、当院の特徴でもある、大内科制のもと、診療の質の担保しつつ他科との連携を得ながら診療を行っている。また呼吸器外科の先生方には、引き続き気管支鏡検査や内視鏡治療において連携とりながら実施している。
 実際の診療に関しては、これまで通り呼吸器領域全般(気管支喘息や各種肺炎などの急性期疾患、COPDや間質性肺疾患などの慢性疾患の診療、肺癌など腫瘍性疾患)の診療に取り組んでいます。次代を担う若手への研修体制をはかりながら、診療体制の向上に努めて行くことを考えています。
 また引き続き呼吸管理委員会、感染対策委員会、がん化学療法委員会などの委員会活動をとおして科の枠を超えて病院単位での診療の質の向上に努めている。
 人工呼吸管理については、詳細は呼吸管理委員会の報告に記載を行っておりますが、適切な陽圧換気および早期離脱を目指して、呼吸管理チーム(RCT)による呼吸器ラウンドを継続している。
 内視鏡検査については、気管支鏡検査110件、局所麻酔下胸腔鏡検査を4件施行した。検査の内容は以下の表示すとおりである(表1)。引き続き、難治性気胸に対するEWS(件)を用いた気管支充填術、気管支内ステント留置術などの気管支インターベンションも積極的に行っている。肺野末梢病変の診断には引き続き気管支ナビゲーションLungPoint® (Broncus社)を併用し、診断率の向上を図り、最近増加している末梢肺野型の肺がん病変に対する診断率は大きさに関係なく約80%と全国的に見ても高い水準を維持している(表23)。昨年に高知県では初導入を行った重症喘息症例に対する内視鏡治療である、気管支サーモプラスティ治療についても、引き続き症例を重ねている。
 教育に関しては、初期研修医の教育ばかりでなく、学生の教育にも力を入れ、印象残った症例であれば、積極的に外部への発信を行っている。昨年は当科を実習に回った6年生が学会で実習で経験した成果を学会で報告も行っている。
 学術的な面においては、長崎大学との共同研究(APSG-J)で行った肺炎の疫学研究の継続研究としてJPAVE studyを引き続き継続している。また九州を中心とした肺癌の研究グループ(LOGiK)に参加し、肺癌診療の質の向上を図っていきます。今後も臨床診療を中心に、教育、学術的な発信を継続していきたいと考えている。

  • 表1
    表1
  • 表2
    表2
  • 表3
    表3

■業績

学会発表

学会名 発表日
演題 演者
日本呼吸器学会総会 2017年4月
「気胸を契機に発見されたBirt-Hogg-Dube(BHD)症候群の2家系」
  • 石田 正之
  • 廣橋 健太郎
  • 山本 彰
  • 古屋 充子
  • 森本 浩之輔
日本呼吸器内視鏡学会総会 2017年6月
「気管支サーモプラスティ(BT)治療に伴って副腎クリーゼを生じた一例」
  • 石田 正之
  • 廣橋 健太郎
  • 山本 彰
日本呼吸器内視鏡学会総会 2017年6月
「ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)でwithinの画像が得られたにもかかわらず、組織診断の得られなかった肺癌症例の検討」
  • 石田 正之
  • 荒川 悠
  • 中岡 大士
  • 高木 理博
  • 廣橋 健太郎
  • 山本 彰
  • 森本 浩之輔
呼吸器学会中国四国地方会 2017年7月
「市中発症肺炎における緑膿菌性肺炎の検討」
  • 石田 正之
  • 鈴木 基
  • 荒川 悠
  • 山本 彰
  • 森本 浩之輔
呼吸器学会中国四国地方会 2017年7月
Corynebacterium spp.が起炎菌となった肺炎症例の検討」
  • 石田 正之
  • 荒川 悠
  • 高木 理博
  • 山本 彰
  • 森本 浩之輔
呼吸器学会中国四国地方会 2017年7月
「侵襲性感染症をともなった市中発症インフルエンザ菌肺炎3例の検討」
  • 石田 正之
  • 山本 彰
  • 森本 浩之輔
  • 大石 和徳
呼吸器学会中国四国地方会 2017年7月
「診断に苦慮した浸潤性粘液産生腺癌の一例」
  • 石田 正之
  • 廣橋 健太郎
  • 山本 彰
  • 森本 浩之輔
呼吸器学会中国四国地方会 2017年7月
「肺化膿症を合併した、灯油誤飲後のリポイド肺炎の1例」
  • 木田 遼太
  • 石田 正之
  • 矢野 慶太郎
  • 山本 彰
  • 森本 浩之輔
呼吸器学会中国四国地方会 2017年7月
「重症気管支喘息に対する気管支サーモプラスティ治療2症例の経験」
  • 木田 遼太
  • 石田 正之
  • 伊藤 博之
  • 山本 彰
  • 森本 浩之輔
呼吸器学会中国四国地方会 2017年7月
「自宅浴槽で溺水後6日間の経過で死亡したレジオネラ肺炎の1例」
  • 矢野 慶太郎
  • 石田 正之
  • 山本 彰
  • 森本 浩之輔
呼吸器内視鏡学会中四国地方会 2017年
「抜管前カフリークテスト(CLT)陽性例における、ファイバー下喉頭観察の有用性の検討」
  • 勝賀瀬智大(高知大学6年)
  • 石田 正之
  • 中岡 大士
  • 山本 彰
  • 森本 浩之輔

講演

学会名 発表日
演題 演者
近森病院県民公開講座 2017年4月22日
「肺炎–健康に元気で長生きするために-」 石田 正之
すこやか祭り 2017年5月13日
「ストップ!肺炎–予防のために今から気をつけておきたいこと-」 石田 正之

論文発表

冊子
タイトル 著者
Lancet Infect Dis. 2017 Jan 23.
「Serotype-specific effectiveness of 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine against pneumococcal pneumonia in adults aged 65 years or older: a multicentre, prospective, test-negative design study.」 Adult Pneumonia Study Group-Japan (APSG-J).

  • Suzuki M
  • Dhoubhadel BG
  • Ishifuji T
  • Yasunami M
  • Yaegashi M
  • Asoh N
  • Ishida M
  • Hamaguchi S
  • Aoshima M
  • Ariyoshi K
  • Morimoto K
高知県医師会医学雑誌22巻1号 Page232-238(2017.03)
「難治性気胸に対してEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)による気管支充填術が有効であった1例」
  • 石田 正之
  • 中間 貴弘
  • 廣橋 健太郎
  • 山本 彰
  • 浜重 直久