訪問リハビリテーションちかもり

主任 佐藤 健三

【はじめに】

 訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)ちかもりでは、本年も病院から在宅へ退院した直後の対象者を主として、個々のニーズに応じた生活行為が安定し、日常的に定着できるよう地域資源との連携を図りながら活動を展開してきた。

【活動状況】

1.利用者の状況(H29.12現在)

 利用者の男女比はほぼ同率であった(図1)。平均年齢73歳。70~80歳代の高齢者が約6割を占めていたが40~60歳代の壮年層も約3割いた(図2)。疾患は脳血管疾患が約7割を占めていた(図3)。要介護度は要支援1~要介護1のいわゆる軽度者と要介護2・3のいわゆる中度者が各々約4割、要介護4・5のいわゆる重度者が約2割を占めていた(図4)。居住地(訪問先)は例年通り高知市内が約7割を占めており、約3割は隣接する市町村であった(図5)。

2.運営状況(H28・H29実績比較)

 昨年同様、専従理学療法士5名と作業療法士1名、非専従言語聴覚士2名の計8名のスタッフで運営してきた。年間利用者数は昨年より24名減少し742人(図6)。これに伴って年間訪問件数は112件減少し4,123件であった(図7)。また年間新規利用者数は18人、修了者数は13人の減少が見られていたが、そのバランスは保たれていた(図8)。このような利用者数減少の主要因は、母体となる近森リハビリテーション病院からの新規ケース依頼減少の影響が大きかったと思われる(図9)。しかしその反面、本年は近森会グループ病院と地域医療機関からの新規ケース依頼数が増加していた(図9)。

3.連携状況(H28・H29実績比較)

 当訪問リハは約3年前より、退院支援の質的向上、退院直後の効率的な生活遂行と訪問リハ展開、経験の浅いセラピスト教育等を狙いとして近森リハビリテーション病院との連携を強化してきた。しかし本年は消極的な連携状況といえ新規ケース依頼減少の主要因と思われた。退院前家庭訪問指導への訪問リハ同行の件数は、昨年実績の約半数に留まっていた(図10)。また近森リハビリテーション入院時の担当セラピストが、対象者の訪問リハに同行し生活状況を観察・勉強する場も昨年の約4割減少(図11)。一方、地域との連携に関しては、担当者会・地域ケア会議・リハビリテーション会議等のケース会議参加率は昨年を上回っており良好と言えた(図12)。また本年は高知県立障害者スポーツセンターとの連携により「身体障害者スポーツ体験交流会」を夏の社会参画支援として企画・開催し、フライングディスクやボッチャを楽しみ、大盛況に終わった(図13)。

4.訪問リハの成果(H29実績)

 訪問リハ修了者の平均利用期間は昨年同様で約6~7ヶ月間であった(図14)。修了者のうち、訪問リハ終了後44日以内のモニタリング評価に協力して頂いた76名では、日常生活動作能力を反映するBI、日常生活関連動作能力を反映するFAIともに、訪問リハ開始時よりも有意に改善されていた(図15, 16)。また約9割の修了者は何らかの社会参加に繋がっていた(図17)。

【おわりに】

 今後、近森リハビリテーション病院との連携の在り方を再考し、より強固なものとしていきたい。同時に地域とのより積極的な連携も展開していきたい。また来春は、地域包括ケアシステムの構築に向けた医療・介護・障害福祉の同時改定がなされる。これにより予防給付者は介護保険対象外となることから、各自治体との連携の仕組み作りにも積極的に参画していきたい。

  • 図1図1
  • 図2図2
  • 図3図3
  • 図4図4
  • 図5図5
  • 図6図6
  • 図7図7
  • 図8図8
  • 図9図9
  • 図10図10
  • 図11図11
  • 図12図12
  • 図13図13
  • 図14図14
  • 図15図15
  • 図16図16
  • 図17図17