訪問看護ステーションラポールちかもり

所長 杉村 多代

 一年を振り返れば当ステーションも近森会らしく様々な変化があったが、その中でも最大のトピックスは事業所所在地の移動だろう。精神科に特化した訪問看護ステーションの準備室として近森病院第二分院(当時)5階から始まり、程なく駅前町の建物、高知メンタルリハビリテーションセンター(当時)1階に移動した。その建物内でも移動し、この度20数年ぶりに母体病院である近森病院総合心療センター1階に帰ってきた。前住所でもそれ程の距離ではなかったが(徒歩数分程度)、近くになったことで連携がさらによくなったと実感することが多い。それは他の部署・職員との連携だけではなく、利用者に会う機会が増えたこともよりメリットであったと考える。
 そのほかの変化でいえばスタッフで、半分ほどが入れ替わった。それらは利用者にとっては担当変更という大きな変化でもあるが、契約時からそのようなこともあると伝えていることで対応していただけたと思っている。転入するスタッフは全員精神科臨床経験者であるが、病院臨床が長いほど地域で暮らす精神障害がある人たちの生きる力には日々感嘆させられている。

 さて、運営についてだが、月平均訪問件数は昨年と同様に300件を超えた状態を保つことができた。(グラフ1参照)
 キャンセル件数は、一年間で332件であり昨年より39件多かった。そのうち事前に連絡があったのは212件64%、事後は120件36%で割合は昨年と変わりがなかった。詳細をみると、事前では「その他の用事や理由」が123件で58%を占め、残りは「体調不良」86件、「忘れ」が2件であった。昨年までは身体不調と精神不調を別の理由としていたが、はっきりと分けられない状態のことが多いため、今年からは身体面と精神面両方を一緒にした。事後は「不在」が99件で83%を占め、昨年より10%多くなった。「その他の用事」13件、「体調不良」7件、「忘れ」は1件だった。訪問しての不在が続く場合は、個々に理由がある。主治医らにも報告し最終的に訪問終了となる利用者もいた。運営上、事後のキャンセルは出来るだけ少なくできたらとは考えるが、それぞれの事情があり難しいと思われる。
 新規利用者は31名で母体病院(近森病院総合心療センター)から27名81%とその多くを占めてはいるが、他院からの指示も4名あった。終結・中止となった利用者は28名おり、24名は母体病院、4名は他院であった。一番多い理由は母体病院・院外ともに「必要性を感じない」で、次点が「軽快」であった。

 今年は高知県看護協会で訪問看護ステーション管理者向けの研修「利用者を増やすには(精神科版)」について話をする機会を得たが、そのことで精神科訪問看護について一番伝えたいことを明確にすることができた。それは「適切な看護を本当に必要な利用者に、適切な時期、適切な頻度で提供しリカバリーにつなげる、これらを重要かつ精神科訪問看護の使命と考えている」ということである。ちなみに、ラポールちかもりでは今年12月現在約半分を占めているのは隔週訪問であった。(グラフ2参照)「適切な頻度」は利用者の状況によって変化するが、利用者のリカバリーを最重要事項としてこれからも適切な看護を提供し、利用して良かったと思ってもらえるよう日々努力を重ねている。

  • グラフ1グラフ1
  • グラフ2グラフ2