デイケアパティオ

主任 川渕 忠義

はじめに

 平成29年(2017年)のデイケアパティオとしては、30年の診療報酬改定に備え、利用者層の把握と運営の安定化を力点に置き取り組んだ一年であった。

運営状況

 平成29年のデイケアパティオの運営体制は、4月に人事異動があり作業療法士1名の交替があった。管理者を含めて、スタッフ構成としては作業療法士3名、看護師1名の4名体制での運営となった。臨床歴10年以上の中堅以上のスタッフであり、それぞれがリーダー業務が可能なスタッフ配置となり、運営の安定化とレベルアップを目標に取り組んだ一年であった。

実績

 活動実績としては、(グラフ1)(グラフ2)に示すように、年間入所者51名、年間退所者52名であった。昨年と比較して、入所者はほぼ変化なく、退所者が減少、回転率として減少となったが、大きな変化とまでは至っていない状況。しかし年間実質利用者数は、例年に比べ減少、登録者数や一日平均来所者数も1.5人少ない17人となっている。この結果より、運営については安定していたが、スタッフのマンパワー不足の期間が長く、スタッフ一人あたりの受け持ち患者数やプログラム運営についての比重は増大しており、例年よりも忙しい一年であったように思われる。

 入所者の紹介元(グラフ3)については、昨年より、母体である当院外来からの紹介件数よりも他院・クリニックからの紹介件数が上回っている状況が続いている。利用者全体では、約半数は他院・クリニックのケースであることが多い印象である。また、他院・クリニックからの紹介件数は、例年と大きな変動はなく、安定した紹介率を維持している。外来紹介件数は昨年と同程度、若干ではあるが増加している。増加した要因については、外来医師の努力によるところが大きいと実感している。引き続き、今年度も継続し、さらに紹介率を上げていく努力は必要である。入院からの紹介率については、例年通り低い値のまま推移している状況。理由としては、リワークデイケアの利用者の多くが入院経験のないケースが多く、自宅療養のみで回復したあと、そのままリワークデイケアへ移行していく流れが定型化していることが考えられる。今後は、病床がある当院の強みを活かし、病床をもたないクリニックの方へ、入院の必要性がある場合については、当院への入院も検討していただけることを積極的にアピールしていきたい。

 紹介頂いたケースについては、これまで同様、主治医の診断につながるアセスメントをしっかりおこない、精度の高い診断につなげることが責務であり、また、一人ひとりの患者に丁寧にかかわるなかで、治療・支援の充実を図り、より信頼される施設を目指すことが必要と考えている。

 疾患群の内訳(グラフ4)については、半数以上が気分障害であり、非定型うつなどの軽症うつ病群も含まれている。また、これまでうつ病と診断されていたケースが双極性障害(Ⅱ型)に変わるケースもあり、全体的に増加傾向であった。広汎性発達障害については、昨年と大きな変化はなく、一定の割合でみられた。適応障害については、ほぼ横ばい状態であり、昨年同様、若い世代が増えている印象であった。

 退所者の転帰(グラフ5)については、復職者、再就職者の割合は例年と比して大きな変動はなかった。中断ケースについても、例年とほぼ変わりなく、一定の割合でみられたが、今後も効率的な運営を図るうえで、中断させない取り組みは必要であると考える。また、今年度の課題として、在籍期間が長期化しがちな再就職者へのアプローチを目標に掲げ取り組んだ(グラフ6)。具体的には、再就職者に特化したプログラム(就労グループ)を立案、実施し、修了者のうち一般雇用1名、障害者雇用2名、ハローワークへ登録し就職活動中2名、障害者職業センターへの移行1名、中断1名という目に見える結果となって表れた。上記プログラムでは、これまで連携の少なかったハローワークや障害者職業センターなどの機関とケースを通じてつながりを持つ機会となり、今後の支援の幅を広げるきっかけとなった。

おわりに

 次年度は、上記課題に加えて、リワーク(復職支援)を基盤に、専門性をいかした精度の高いアセスメントができるよう、スタッフ個々のスキルアップに力を注ぎ、ケースへのかかわりや治療経過を通して、事業場、他機関(クリニック)から信頼されるよう連携を強化していきたいと考える。

  • グラフ1グラフ1
  • グラフ2グラフ2
  • グラフ3グラフ3
  • グラフ4グラフ4
  • グラフ5グラフ5
  • グラフ6グラフ6