臨床工学部 血液浄化チーム

血液浄化チーム(透析室)
主任 : 藤本のぞみ、岡本歌織

血液浄化療法総回数は外来・入院共に昨年より増加し、全体で718回の増加となりました。内訳は外来264回増、入院454回増と入院患者が増加数の6割以上を占めていました。毎年増加している集中病棟への出張透析も、540回とさらに増加していました。(表①)集中病棟では、人工呼吸器や補助循環が装着されている患者の血液浄化を行うことが多く、マンツーマンでの治療となるため、知識・技術ともに求められます。

表1 血液浄化療法総回数

 

 

血液浄化療法別の回数は、アフェレーシスが213回で昨年の2倍以上に増加しました。なかでもエンドトキシン吸着(PMX)と腹水濃縮再静注法(KM-CART)は毎月症例がありました。アフェレーシス治療を行った患者73名の内、死亡したのは10名で、そのうち8名がPMX症例でした。敗血症性ショックや多臓器不全といった重症患者の救命の難しさが表れています。

表2 血液浄化療法別回数

 

 

 

 

新規透析患者の動向は、導入患者数は平年並みでしたが、急性腎障害(AKI)や他の透析施設からの紹介が特に多かったです。AKIで透析を行った患者も約80%は離脱となっています。適切なタイミングで透析治療を行えば高確率で救命でき、またAKIから維持透析へとなることは防げます。透析施設からの紹介は、平均すると毎月25名以上あることになります。PCIやEVTといったカテーテル治療目的の紹介が特に多かったです。(表③)透析患者の長期化、高齢化が進み、動脈硬化による血流障害は避けて通れず、EVTを行っても下肢切断に至る患者が増加しました。

表3 新規透析患者の動向(人数)

 

 

 

9月から透析室ではHD(血液透析)を受ける全ての患者の術式を、より身体に優しく効率のよいHDFに切り替えたことによって今後の治療効果に期待できます。
紹介患者は100%受け入れ、急性期の入院患者の割合が年々増加。出張透析の回数は過去最高となりました。昼夜を問わず、緊急での血液浄化依頼も増え続けることが予想されます。これらに対応できるよう新人・卒後教育の充実を図り、全ての技士のスキルアップ、さらなる業務改善を進めていき、労働生産性の高い透析室を目指していこうと思います。