薬剤部

部長 筒井由佳

2016年、薬剤部は薬剤師23名、テクニカルスタッフ8名体制でスタートしました。1年を通し薬剤師の採用7名、退職2名、オルソリハビリテーション病院への出向1名、テクニカルスタッフ2名の退職がありました。2016年12月時点で薬剤師27名、テクニカルスタッフ6名の体制となっています。

業務実績として、内服処方箋枚数(表1・図1)、注射箋枚数(表2・図2)、注射剤無菌調整件数(図3)、錠剤鑑別数(図4)、薬剤管理指導件数(図5)、VCM・TEIC・ABK投与患者数とTDM実施率(図6)を示します。増床、入退院数増加の影響により、内服入院処方箋枚数は前年より14%増、注射箋枚数は12%増となっています。錠剤鑑別数も同様に増加しており1年間で11,404件、96,451剤、1日平均31件、264剤の鑑別に対応しており、薬剤部の負担も年々増しています。調剤、鑑別数が1年を通して増加しており、忙しい1年であったといえます。薬剤管理指導は2016年4月の診療報酬の改定で薬剤管理指導料の「1」(集中)がなくなり、救命救急入院料等を算定している患者に対して病棟薬剤業務実施加算の算定が認められるようになったことから薬剤管理指導としての件数は減少しています。抗MRSA薬(VCM・TEIC・ABK)のTDM実施率は78.6% 、実施率は低下しましたが、TDMが必要な症例に対しTDMを実施することができています。

病棟薬剤師の介入により医師に対して行った処方提案・処方確認件数を(図7)に示します。2015年は病棟配置薬剤師数の減少から、介入機会、処方提案数が大幅に減少していましたが、2016年はどの項目も提案件数が増加しました。入職1年未満の薬剤師が病棟業務を担当するという苦しい状況ではありましたが、先輩薬剤師や多くの病棟スタッフ、先生方の指導のもと成長し、責任を果たしてくれていることが実感できる結果となりました。今後はさらに薬剤師の臨床能力の底上げを図り、患者さんやスタッフの力となれるよう取り組んでいかなければならないと思います。

医療費抑制のため厚生労働省が推進する後発医薬品の使用促進に対応し、今年も採用医薬品の後発医薬品への切り替えを随時行ってきました。2016年12月時点で後発医薬品使用数は約74.4%となっています。次期診療報酬の改定では「後発医薬品の数量シェアを80%以上」という目標が掲げられるとされており、対応するためには今後も引き続き積極的な後発医薬品の導入が必要となります。各職種、各部署のご理解、ご協力をいただき、薬剤師として後発医薬品の選定やスムーズな変更、医療安全への配慮等に尽力していきたいと思います。

2015年9月より、医師と事前にプロトコルを作成し、薬剤師が薬学的介入を行ったうえで、処方や検査を提案する「プロトコルに基づく薬物治療管理」が導入され、現在8つのプロトコルが稼働しています。患者さんにとって最大の治療と効果を引き出すことができるこの新しい業務をこれからも積極的に推進していきたいと考えています。

薬剤師の専門性を発揮できる業務の1つに院内製剤の調製があげられます。2016年は亜鉛注射液、del Nide心筋保護液、CB(Carbon Black)マーカーが倫理委員会での承認を得て、院内製剤として臨床の場で活用されるようになりました。表3に院内特殊製剤調製数を示します。これからも治療に役立つ有効で安全な院内製剤を提供できるよう取り組んでいきたいと思います。

2016年は多くの病院スタッフに支えられ、励まされ、薬剤師の少ない状況の中でも薬剤師の専門性を活かした業務を展開することができました。協力していただいたスッタフのみなさんへの感謝の気持ちを忘れず、安心・安全な薬物治療に貢献できるよう一層努力していきたいと思います。

  • 表1図1
  • 表2図2
  • 図3
  • 図4
  • 図5
  • 図6
  • 図7
  • 表3

■業績

学会発表

学会名 発表日
演題 演者 
   
第59回日本糖尿病学会 5月19ー21日
「薬剤師主導の周術期血糖コントロールチームが介入した新規発症糖尿病例の臨床像」 大年加純
第26回 日本医療薬学会年会 9月17-19日
「血清亜鉛検査オーダーから見た亜鉛不足と疾病の解析」  橋田能明
「HBV再活性化早期発見に向けた共同薬物治療管理(CDTM)の有用性評価」  宮崎俊明
第55回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会中国四国支部学術大会 11月5、6日
「生物学的製剤静脈内投与に起因するアレルギー反応の発現症例に関する検討」   宮崎俊明
「INFフリーのC型肝炎治療経過と治癒率100%を目指した服薬指導」  高橋佐和
日本糖尿病学会中国四国地方会第54回総会 11月11、12日
「外科系病棟における薬剤師主導血糖コントロールチームの取り組み」  
第64回日本化学療法学会西日本支部総会 11月24ー26日
「高知県中部5施設での抗菌薬AUD細菌感受性の比較評価」  中野 克哉