病理診断科 および 臨床検査部・病理部門

部長 円山英昭

病理診断科 および 臨床検査部・病理部門

 

I.職員構成
平成28年4月から臨床検査技師 宮内保奈実、岩崎麗子の2名が新規採用され、病理組織標本作成業務に加わった

■病理医2名(常勤 1名、非常勤 1名)

  • 常勤  円山英昭(病理専門医および病理専門医研修指導医 0424)
  • 非常勤 戸井 慎(高知大学医学部病理学教室 兼 付属病院病理診断科講師.
    毎週金曜日 8:30~12:00、病理専門医02534、細胞診指導医2657)
  • 臨床検査技師 9名
    副技師長.橘 知佐(細胞検査士 6880)
    島崎真由、今本隼香(細胞検査士 8630)、北野唯(細胞検査士 8937)、尾崎綾乃(細胞検査士 8654)、楮佐古美奈、米谷久美子(細胞検査士 7799)、宮内保奈実、岩崎麗子
    (それぞれ、臨床検査部の他部門の業務をローテ-ション方式で兼担しているため、通常は4人体制で病理業務を遂行.)
  • クラーク 3名
    白川葉子、川澤由香、眞鍋厚美 (ローテーション方式 通常は1名)

 

II.担当業務
概説:平成28年度(2016年)の通常担当業務量は過去10年間と比較して(資料1.各資料の詳細は以下、資料編を参照ください.)、病理組織診断件数(I)や細胞診件数(III)は増加し、剖検数は19例(剖検率5.8%)であった.一方、術中迅速病理診断件数(II)はやや増加傾向である.

病理組織診断件数(I)のうち、[手術材料の診断件数]の占める割合は、過去10年間、28%~47%、[内視鏡による消化管のポリペクトミー、EMRおよびESDの合計件数]は6~12%、[生検件数]は42~63%である.

最近は病理組織診断件数のうち、[手術材料]の診断が増加し、[生検例]の診断件数が相対的に減少している.今年度は、A[手術材料の診断件数]、B[ポリペクトミ-、EMR、ESDの合計]診断件数、C[生検例]の診断件数の比率は、A:B:C=48:13:39(%)となった.

資料2は今年度の月毎、各科毎の通常の病理業務件数、資料3は細胞診断の内訳、資料45は19例の病理解剖の臨床診断および月毎の剖検率を示す.

院内CPCは病院の月例行事として完全に定着した.今年度も研修医の積極的参加が目立ち、各研修医は病理解剖の実際を理解し剖検所見の記載に始まり、主治医の指導の下に症例を考察し、月例CPCにおいて主治医役を担当し、症例を呈示し、質疑応答を行い、さらに査読を受けながらCPCレポートの作成まで、病理解剖症例の一連の研修は本院における研修医教育の重要な一環となっており、病理解剖に関する必須項目を完全に充足している.(資料6,7).

一方、高知大学医学部が平成21年度から枠を拡げ実施している学外臨床実習に、今年度は当院の臨床各科で実習を行う学生の他に、6年生、5年生合わせて5名が病理診断科での実習を希望して来院、毎週一人ずつ、各自1週間、延べ5週間、診療と密接に関連する臨床病理業務を実習した.さらに今年度は5人の初期臨床研修医が病理診断科で選択研修(合計20週間)を行い、学生および初期臨床研修医に対する外科病理学の有意義かつ適切な教育、指導が病理診断科の新しい業務となっている.

  • 資料1
  • 資料2
  • 資料3
  • 資料4
  • 資料5
  • 資料6
  • 資料7

 


1.
病理組織診断および細胞診断の件数

  • 平成28年度のⅠ. (1)手術材料、(2)消化器(polypectomy,EMR,ESD)材料、(3)生検組織の診断件数およびII.術中迅速診断件数、III.細胞診断件数の合計はそれぞれ(1)1452件、(2)390件、(3)1190件、II.58件、III.999件であった(資料1).
  • 全生検組織例中、EGD生検(食道、胃、十二指腸、主に胃粘膜生検組織)およびCS生検(大腸粘膜生検組織)はそれぞれ457例(38.4%)、286例(24.0%)となり、その合計743例は全生検組織中62.4%を占めた(資料2).
  • 手術材料の診断件数1452例中、悪性腫瘍は217例(14%)を占めており、その内訳は診断例数の多い順に、結腸癌39例(悪性腫瘍手術材料の総件数中17%)、膀胱癌37例(17%)、肺癌25例(11%)、胃癌16例(7%)、直腸癌16例(7%)、肝臓癌8例(4%)、胆管癌7例(3%)、腎臓癌7例(3%)、乳癌6例(2%)、その他、胆管癌、膵臓癌、前立腺癌などであった.


2.
病理解剖
病理解剖は1年間を通して、原則として、9時から22時までを解剖受付時間として実施.平成28年度は19症例について御遺族から剖検の御承諾をいただき、剖検率は年平均5.8%.剖検の無かったのは3、6月で、逆に1、2、9月は3例実施した(資料4,5).

3.細胞診の実績(資料3).
細胞診断件数999例中、ClassⅠ741例(74%)、ClassII 73例(7%)、ClassIII 18例(1.8%)、ClassIIIa 4例(0.4%)、ClassIIIb 8例(0.8%)、ClassIV 13例(1.3%)、ClassV 118例(11.8%)、判定不能26例(2.6%)であった.


4.“院内CPC”
(Clinico-Pathological-Conference 臨床病理検討会)
平成18年6月より従来の“医局会CPC”を改め、新たにスタートした“院内CPC(患者さんの医療に直接、間接に携わるすべての職種スタッフが参加する)”は院内の月例行事として完全に定着し、28年度も内容の充実に努めながら、毎月開催し、12月で通算院内CPC数は125回となった(資料6.院内CPC).
一方、院内CPC参加者数は30~56、出席者が固定する傾向が認められ(資料7)、内容と実施方法について、さらに一層の変革と充実が求められている.なお、日本内科学会専門医部会主催の高知県第4回合同CPCに昨年度に続いて参加発表した.

院内CPCでは、研修医は病理解剖の実際を理解し、CPCにおいて症例の主治医として参加、症例を呈示し、さらにCPCレポートの作成を行い、研修医全員が病理解剖に関する必須項目を達成している.

 

III.学会参加、発表、論文発表
院内では、消化器病カンファレンス(毎月2回)や脳外科カンファレンス(毎月1回)への参加の他に、臨床各科の学会や研究会などでの発表に際して、関連する病理所見の説明および資料作成を担当した.

■学会、地方会、セミナー 参加・発表

  • 「TBNAにおける左肺門リンパ節の迅速細胞診で推定された甲状腺低分化癌の一例」
    米谷久美子・北野唯・今本隼香・尾崎綾乃・橘知佐
    平成28年3月12日 高知県臨床細胞学会 高知大学医学部
  • 「TBNA(Transbronchial needle aspiration)における左肺門リンパ節の迅速細胞診で診断された甲状腺低分化癌の一例」
    米谷久美子・北野唯・今本隼香・尾崎綾乃・橘知佐
    平成28年5月28日~29日 第57回日本臨床細胞学会(春期大会)

■全国学会、研修会 参加・発表

  • 円山英昭 ・・・ 平成28年度日本病理学会 日本臨床病理形態学会
  • 今本隼香、北野唯 ・・・ 中国圏支部病理細胞検査研修会 平成28年2月27~28日 名古屋
  • 橘知佐 ・・・ 外部精度管理研修会(GIST、HER-2)平成28年3月20日 東京
  • 島崎真由、楮佐古美奈 ・・・ 四臨技 病理・細胞診研修会 徳島大学
  • 島崎真由、楮佐古美奈 ・・・ 平成28年6月4日~6日 細胞検査士養成ワークショップ
  • 今本隼香、北野唯   ・・・ 平成28年7月23日~24日 認定病理検査技師制度指定講習会

■論文発表

  • 円山英昭、浜重直久、北村龍彦、近森正康. 特集、病理解剖の現在-医療における相互検証文化を築くため-〔病理解剖と教育〕-CPCレポート、研修医教育.病理と臨床 2016.34(11).1167-1171.

 

IV.医学教育支援

  • 病理診断科、病理部門:高知大学医学部 学外臨床実習 (病理診断科,各自、毎週月~金曜日)
    6年生  4名 (平成28年4月~18日、4月25日~28日、5月16日~20日、5月23日~27日)
    5年生  1名 (平成28年11月7日~11月11日)
  • 円山英昭:研修医指導
    初期臨床研修医 5名(選択研修 各自1ヶ月)
  • 円山英昭:近森病院附属看護学校 病理学講義担当.
    平成28年5月19日~7月22日  合計10時限
  • 中山宏文、円山英昭、三重野宏、峠誠司、安井弥
    「大腸表在性腫瘍の腺管周囲間質細胞におけるCD10の発現.」
    第105回日本病理学会総会
    平成28年5月12日~14日 仙台国際センター会議棟・展示棟
  • 中山宏文、円山英昭、安井弥
    「腫瘍増殖に対して接線方向に出現する節線維芽細胞の役割-主として自論文と自らの追加検討に基づく稔括」
    第48回日本臨床分子形態学会総会・学術総会
    平成28年9月23日~24日 熊本県民交流館パレア

 

V.関連機器の設備・拡充

エクセルシア、サイトスピンを新しく購入した.