消化器内科

主任部長 榮枝 弘司

2016年消化器内科年報

2016年の内視鏡検査および処置総数は、(表I)のように上部消化管内視鏡3819例、小腸内視鏡10例、大腸内視鏡1833例、逆行性膵胆管造影(ERCP) 654例で、そのうち吐・下血に対する内視鏡的止血術は、上部161例、下部29例 で、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、食道癌5例、胃癌59例、大腸癌8例です。また胃十二指腸内視鏡的粘膜切除術(EMR)15例、大腸粘膜切除術206例を施行しています。胃食道静脈瘤に対する内視鏡的治療は、硬化療法15例、結紮術30例と著減してきており、抗ウイルス治療による肝硬変および肝癌患者の減少がその要因です。

膵胆道癌患者と高齢者の総胆管結石による胆管炎は増加しており、胆膵疾患に対するERCP総数(処置を含む)は、年々増加して2016年は654例と過去最高となり、中四国でも有数の症例数となっています。超音波内視鏡(EUS)数も301例と著増しています。これまでの消化管内視鏡検査総数の年次推移を、図1~図4に示していますが、いずれも年々増加しており、そのうち緊急内視鏡は上部消化管211例、下部消化管67例、ERCP218例であり、ERCPが上部内視鏡数を初めて上回りました。

肝疾患の入院は、平成13年より肝細胞癌症例が減少に転じており、2016年は経皮的ラジオ波焼灼法の年間症例数は48例で、10数年ぶりに50例以下になりました。C型慢性肝炎および肝硬変に対して、2014年秋から経口抗ウイルス(24週間内服)が保険適応となり、更に2015年には12週間内服の経口剤が認可され、2017年2月現在200人近い患者さんに投与していますが、効果判定が終了した患者さんのうち、3人を除き全員ウイルスが排除出来ています。今後も肝癌患者さんは減少してくると思われます。

2016年の消化器内科の人事は、4月から後期研修医として矢野慶太郎医師、田島萌夢医師、田村恵理医師の3名が加わり、スタッフ10名、後期研修医7名の合計17名となり、そのうち女性医師は7名で、いずれも過去最多となり、消化器内視鏡学会指導医1名、専門医9名、消化器病学会の指導医2名、専門医9名と肝臓学会専門医1名、臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医1名となっています。

梅下仁医師は、2016年9月から1年間名古屋医療センターに研修のため出向しており、後期研修医の田村恵理医師は、2017年4月から1年間秋田赤十字病院へ国内研修予定です。また井上薪医師は、2017年4月から仙台厚生病院、山本泰正医師は県立静岡がんセンターへ行く予定です。

2016年も学会発表を積極的に行っていますが、そのなかで井上薪医師が消化器内視鏡学会四国地方会で、春と秋2回連続で専修医奨励賞をいただき、また消化器病学会四国地方会では、春に初期研修医の前田真佐医師、秋に田村恵理医師が、学会奨励賞をいただき、3人とも2017年の学会総会に招待を受けています。

2017年度も後期研修医が2名入職する予定ですが、今後の新臨床専門医制度 も見据えて、general physician としてしっかりした土台をつくりながら、消化器内科のspecialistになっていくことが必要であり、臨床研修病院として、そのようなバランスのとれた消化器内科医を育てたいと思います。

【統計資料】

  • 表1
  • 図1
  • 図2
  • 図3
  • 図4