放射線科

放射線科部長 兼 画像診断部部長 宮崎延裕

2016年は、多忙を極めた1年でした。

CTは22,000件以上と昨年より大幅に増加(図1)、MRIはついに7,000件を超えました(図2)。患者数増加(特に夏以降)を反映するものです。本館CTは入院・ERの検査の大半に対応しているため、グループ全体の6割以上の件数となっています。MRIはここ数年で件数微増ですが、これはほぼフル稼働と言える状態のためです。
放射線科医の常勤数はこの15年以上で変化無いことを考えると、1人あたりの読影検査数増加も尋常ではなく、読影効率改善目的に3月から読影用ビューアを更新したものの、期待ほどの効果とは言い難く、根本的にはマンパワー不足の改善を要することに変わりはありません。
CTは単純な件数のみならず、3D処理や複雑な画像処理を要する検査が年々増加しているため、画像処理の効率化が必要と考え、新たにSYNAPS VINCENTを3月より導入しました。
超音波検査も7,600件とさらに増加しました(表1)。ここ数年同様の血管系検査の増加のためで、今後もこの傾向は続きそうです。

IVR件数も増加し、非血管系IVRは146件(2013年の2倍)と過去最高を記録しました。
血管系IVRは、件数は横ばいですが、肝細胞癌に対するTACEが明らかにこの数年で減少し、肝炎治療の進歩が反映されたものと考えられます。その代わりに外傷や消化管出血に対する動脈塞栓術(緊急止血)がさらに増加し、患者の重症度が高くなっていることを反映しています。CVポートは他院からの留置依頼が増加してきました(表1)。
これらの手技を支えるIVR-CTシステムは、相変わらずマイナートラブルが多く、安定稼働をメーカーに要望しているものの、対応は充分とは言い難いです。

後期研修医の時信先生は、このようなハードワークを一生懸命こなし、日々頼もしさが増しており、今後が楽しみです。
初期臨床研修医の希望ローテートは計10名とさらに増加し、初めて他院からの研修も1名受け入れました。
新専門医制度開始は1年の延期となりましたが、日本医学放射線学会からの指針で専修医(後期研修医)の募集は基幹病院が行うこととなり、放射線治療を有さない当院での専修医単独募集ができなくなったことは非常に残念です。

2016年は地固めをと考えていたものの、業務に追われなかなか具体的行動に移せませんでしたが、画像診断部は4月から技師長が高橋から中村に交代したこともあり、より診療放射線技師との意思疎通を図るべく、著者が技師の月例部会に参加をはじめ、少しずつ業務改善ができはじめました。超音波検査を協力して行っている臨床検査技師とも、症例のシェアやスキルアップ目的に週1回のミニカンファレンスを開始しました。

本院の患者数増加に伴い、2017年もさらに検査件数増加が予想されますが、2017年は春から時信先生が専門医取得のため他院で研修の予定であり、マンパワー不足は必至です。技師増員やこれ以上のハードウェア強化も難しく、さらに厳しい状況に変わりはありませんが、検査の更なる効率化・適正化とチームワークで対応せざるを得ない年となりそうです。

 

  • 図1CT件数
  • 図2MRI件数
  • 表1IVR件数

学会発表

第7回Radiologyフォーラム  2016/4/15
「大動脈二尖弁~TAVI術前CTにおける意義」 宮﨑 延裕
第30回中国四国IVR研究会  2016/9/30~10/1
「下肢浮腫を伴う骨盤内AVFの2治療経験」  ○細田 幸司
清水 和人
時信 麻美
宮﨑 延裕
日本超音波医学会第26回四国地方会学術集会  2016/10/8
「特異な肝内多発高エコー所見を認めたWilson病の2例」  ○時信 麻美
榮枝 弘司
円山 英昭

■誌上発表

臨床放射線Vol.61 No.10 Page.1271-1275
「鼠径部術後難治性リンパ瘻の漏出部位の診断に術中のtransnodal lymphangiographyが有用であった一例」 時信 麻美