外来化学療法

部長 兼 (がん化学療法委員会委員長)  田中洋輔

2016年1月~12月の活動報告

2016年1年間の外来がん化学療法実施件数は 673件で昨年より22件増加していた。

しかし各病棟に入院した抗癌剤治療症例のうちの投薬順序等が複雑なレジメン症例は、点滴センターで施行しており(統計上は入院施行となっている)、点滴センターで施行したがん化学療法実施件数は 673件をかなり上回る。月平均化学療法施行患者数(入院患者も含む)は40.8人で、昨年(34.8人)より増加していた。大腸癌術後補助化学療法症例数の増加が見られた。サイクル日数が長く、結果的に施行回数が減少する化療レジメンへの移行が続いていることは前年度と同じ傾向であった。

外来化学療法室での施行が推奨されている分子標的薬(抗リウマチ薬、クローン氏病等治療薬である)レミケード、アクテムラ、オレンシアと(がんの骨転移、多発性骨髄腫治療に用いる)ゾメタの合計件数は715件で、昨年より139件の増加であり、これに外来がん化学療法件数を合算した外来化学療法の合計件数は 1388件(増加率13%)であった。

入院で実施したがん化学療法は319件で(2015年の入院がん化学療法は59件であり、著明に増加した。施行回数の多い悪性リンパ腫の化学療法の殆どが入院で施行されていたことから、入院施行件数増加の大多数は血液内科患者と推測)これを含めたがん化学療法件数は992件で、昨年(710件)より282件増加(増加率39.7%)、分子標的薬等の化学療法と合算した化学療法総件数は1707件(前年は1286件)であった。

現在、外来化学療法は外来センター6階の点滴センターで施行している。点滴センターには専用ベッド8床(このうち5床はパーティションによる個室仕様、3床はカーテンによる仕切り)と2台の専用チェアーを備えていて、全ベッドと全専用チェアーにテレビを備えており、治療中、患者さんには、ゆったりした環境で好みのスタイルで過ごしていただくことができる。

また、外来通院でがん化学療法を継続している患者さんに対する化学療法以外の輸液と輸血も施行しており、入院患者の点滴センター施行例、その他の補液、輸血も合わせると年間1600件程度の点滴を施行している。

1)がん化学療法委員会規約の改訂
「構成メンバーは交替の可能性を考え、メンバーの氏名は記載せず、所属と肩書を記載する、化学療法リンクナースは《サブメンンバー》とし、サブメンンバーに希望する者がいれば、正メンバーとする」に改訂した。

2)CDTM(Collaborative drug therapy management)「医師と薬剤師による協働薬物治療管理」の導入
がん化学療法領域におけるCDTM「医師と薬剤師による協働薬物治療管理」の導入を2015年8月の部科長会で承認頂き、2015年に引き続き、2016年1月~12月は、以下の提案書(具体的なプロトコール)の承認を受け、電子カルテ上に《化療―資料》として掲載している。今後もプロトコールを増やして行く予定である。

  • 抗EGFR抗体製剤による低Mg血症発見のためのプロトコール
  • イリノテカン由来遅発性下痢予防とコリン作動性症状出現時のプロトコール
  • TS-1による眼障害に対するプロトコール
  • 4.EGFR阻害剤による皮膚障害に対するプロトコールを改訂した。
  • 5.外来化学療法中患者の発熱に関するフローチャート
  • 6.癌性疼痛に対するオピオイド使用に伴う便秘・悪心予防のプロトコール

3)  2016年 がん化学療法実施件数
1年間の合計件数   992件
各病棟に入院した抗癌剤治療症例のうちの投薬順序等が複雑なレジメン症例は、点滴センターで施行しており(統計上は入院施行となっている)、点滴センターで施行したがん化学療法実施件数は 673件をかなり上回る。

4)  2016年 がん化学療法実施患者数 (外来+入院)
月毎患者数を合計した1年間の延べ患者数  489人、月平均患者数 40.8人

5) 年間がん化学療法(外来+入院)件数比較
2007年1月~12月  329件
2008年1月~12月  597件
2009年1月~12月  612件
2010年1月~12月  776件 (外来がん化学療法は 632件)
2011年1月~12月  852件 (外来がん化学療法は 703件)
2012年1月~12月  994件 (外来がん化学療法は 839件)
2013年1月~12月  888件 (外来がん化学療法は 732件)
2014年1月~12月  969件 (外来がん化学療法は 836件)
2015年1月~12月  710件 (外来がん化学療法は 651件)
2016年1月~12月  992件 (外来がん化学療法は 673件)

6) 月毎患者数を合計した年間の延べ患者数及び月平均患者数(外来+入院)比較
2010年1月~12月  延べ403人 月平均患者数33.6人
2011年1月~12月  延べ516人 月平均患者数43.0人
2012年1月~12月  延べ586人 月平均患者数48.8人
2013年1月~12月  延べ512人 月平均患者数42.7人
2014年1月~12月  延べ505人 月平均患者数42.1人
2015年1月~12月  延べ417人 月平均患者数34.8人
2016年1月~12月  延べ489人 月平均患者数40.8人

7)2016年ゾメタ、レミケード、アクテムラ、オレンシアの点滴施行件数

 

8)年間外来化学療法(がん化学療法 + 分子標的薬・ゾメタ)件数比較
2011年1月~12月                845件(703 + 142)
2012年1月~12月                1051件(839 + 212)
2013年1月~12月                1151件(732 + 419)
2014年1月~12月                1469件(836 + 633)
2015年1月~12月                1227件( 651+ 576)
2016年1月~12月                1388件( 673+ 715)

9)資料

  • 表1 登録化学療法一覧
  • 表2 施行患者数
  • 表3 施行件数
  • 表4 分子標的薬治療(がん以外) ・ゾメタ施行患者数
  • 表5 分子標的薬治療(がん以外) ・ゾメタ施行件数