呼吸器内科

部長 石田 正之

2016年は10月より、常勤1名、非常勤2名という体制の変更があった。マンパワーは減ったものの、当院の特徴でもある、大内科制のもと、診療の質の低下は最小限で診療を継続できている。この場を借りて、すべての内科の先生方に感謝をいたします。また呼吸器外科の先生方には、気管支鏡検査や内視鏡治療において多大なるバックアップをいただいております、非常に心強いおもいです。

2005年7月に当院に呼吸器内科が誕生して、10年を過ぎた節目でもあった事もあり、日頃のご協力をいただいている皆様に感謝の気持ちを込めて呼吸器内科10周年の式典を行わせていただきました。これからの10年もさらに充実した医療を提供できればと考えております。

実際の診療に関しては、これまで通り呼吸器領域全般(気管支喘息や各種肺炎などの急性期疾患、COPDや間質性肺疾患などの慢性疾患の診療、肺癌など腫瘍性疾患)の診療に取り組んでいます。次代を担う若手への研修体制をはかりながら、診療体制の向上に努めて行くことを考えています。

また引き続き呼吸管理委員会、感染対策委員会、がん化学療法委員会などの委員会活動をとおして科の枠を超えて病院単位での診療の質の向上に努めている。

人工呼吸管理については、詳細は呼吸管理委員会の報告に記載を行っておりますが、適切な陽圧換気および早期離脱を目指して、呼吸管理チーム(RCT)による呼吸器ラウンドを継続している。

内視鏡検査については、気管支鏡検査昨年97件、局所麻酔下胸腔鏡検査を4件施行した。検査の内容としては気管支腔内超音波断層法:Endobronchial Ultrasonography(EBUS)を用いたEBUS-GSによる肺生検(46件)、コンベックス内視鏡を用いた吸引生検(10件)、びまん性肺疾患に対する気管支肺胞洗浄(20件)を施行している。また難治性気胸に対するEWS(4件)を用いた気管支充填術など、気管支インターベンションも積極的に行っている。肺野末梢病変の診断には引き続き気管支ナビゲーションLungPoint® (Broncus社)を併用し、診断率の向上を図り、最近増加している末梢肺野型の肺がん病変に対する診断率は大きさに関係なく約80%と全国的に見ても高い水準を維持しています(表1)。

本年は高知県では初めて、四国内でも高松市民病院に続いて2施設目の導入となった、重症喘息症例に対する内視鏡治療である、気管支サーモプラスティを行いました。治療は特に大きな問題なく施行でき、経過も順調です。喘息患者さんの治療に一助になれるようにしていきたいと考えています。

また学術的な面においては、長崎大学との共同研究(APSG-J)で行った肺炎の疫学研究の継続研究としてJPAVE studyを行っています。また九州を中心として肺癌の研究グループに参加し、肺癌診療の質の向上を図っていきます。今後も臨床診療を中心に、教育、学術的な発信を継続していきたいと考えています。

  • 表1 内視鏡検査での肺癌の診断率年別推移

 

図1-2 気管支サーモプラスティ

 

 

 

■業績

学会発表

学会名 発表日
演題 演者
2016年 呼吸器学会総会
「Birt-Hogg-Dubé (BHD)症候群の1家系」
  • 石田正之
  • 中間貴弘
  • 荒川悠
  • 山本彰
「高齢化の著しい高知県の一般市中病院における新規肺癌症例の検討」
  • 中間貴弘
  • 石田正之
  • 中岡 大士
  • 荒川 悠
  • 山本 彰
  • 浜重 直久
2016年 内科学会四国地方会
「繰り返す気胸と多発する肺嚢胞が診断の契機となったBirt-Hogg-Dube(BHD)症候群の1家系」
  • 古後斗冴
  • 石田正之
  • 中間貴弘
  • 山本彰
  • 浜重直久
「市中発症緑膿菌性膿胸の1例」
  • 古後斗冴
  • 石田正之
  • 中間貴弘
  • 山本彰
  • 浜重直久
2016年 呼吸器学会中国四国地方会
「Birt-Hogg-Dubé (BHD)症候群における肺嚢胞の考察 -自然気胸症例との比較-」
  • 石田正之
  • 高木理博
  • 中間貴弘
  • 大朏祐治
  • 円山英昭
  • 山本彰
2016年 高知県医師会医学会 高知
「難治性気胸に対してEWSによる気管支充填術が有効であった一例」
  • 石田正之
  • 中間貴弘
  • 廣橋健太郎
  • 山本彰
  • 浜重直久
2016年 呼吸器内視鏡学会中国四国地方会
「気管支サーモプラスティ(BT)治療中にステロイド離脱症候群を合併した一例」
  • 石田正之
  • 廣橋健太郎
  • 山本彰

■講演

学会名 発表日
演題 演者
第29回高知県びまん性肺疾患研究会  2016年3月
「繰り返す気胸と多発する肺嚢胞を認めた若年女性の一例」
  • 石田正之
第9回呼吸器・アレルギー病セミナー in 高知  2016年5月
「意外と知らない? 呼吸と酸素の話2016」
  • 石田正之
第30回高知県びまん性肺疾患研究会 2016年9月
「高度の肺高血圧、右心負荷所見を伴った若年性びまん性肺疾患の一例」
  • 石田正之
スピリーバ適応拡大2周年記念講演会 2016年9月
「難治性喘息症例におけるBronchial Thermoplastyの治療経験 -高知県での初治療例について」
  • 石田正之

論文発表

冊子
タイトル 著者
病原微生物検出情報
Infectious Agents Surveillance Report(IASR)
Vol.37 No.6(No.436) 2016年6月発行
「高知市内の急性期病院で発生した無莢膜型インフルエンザ菌による急性呼吸器感染症の集団感染事例」 近森病院

  • 氏名

 

Lancet Infect Dis. 2017 Jan 23
「Serotype-specific effectiveness of 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine against pneumococcal pneumonia in adults aged 65 years or older: a multicentre, prospective, test-negative design study.」 Adult Pneumonia Study Group-Japan (APSG-J).

  • Suzuki M
  • Dhoubhadel BG
  • Ishifuji T
  • Yasunami M
  • Yaegashi M
  • Asoh N
  • Ishida M
  • Hamaguchi S
  • Aoshima M
  • Ariyoshi K
  • Morimoto K
J Infect Chemother. 2016 Apr;22(4):235-9.
「The efficacy and safety of cefepime or meropenem in the treatment of febrile neutropenia in patients with lung cancer. A randomized phase II study.」 Lung Oncology Group in Kyushu (LOGIK)

  • Fujita M
  • Matsumoto T
  • Inoue Y
  • Wataya H
  • Takayama K
  • Ishida M
  • Ebi N
  • Kishimoto J
  • Ichinose Y