訪問リハビリテーションちかもり

主任 佐藤健三

【はじめに】
地域包括ケアシステムの推進により、訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)は、「退院・退所後早期介入」、「地域ケアへのリハ的視点の介入」等による社会参加促進と予防に対する成果が期待されている。このような中、当事業所では、昨年に引き続き、病院から在宅へ退院する際,できるだけ自立性があり且つ負担の少ない在宅生活に移行できることと、地域資源と連携を図りながら、個々のニーズに応じた社会参加に繋がるような運営を取り組んできた。

【運営状況】
本年の当事業所では、訪問件数の減少によりスタッフを1名減少させ、平成28年12月現在で専従の理学療法士5名と作業療法士1名、非専従言語聴覚士2名の計8名により、主に当回復期リハ病棟から自宅退院した直後の対象者の生活再建に努めている。
また昨年同様、できるだけ退院前から介入することで、退院支援の質向上にも努めている。更に本年からは、地域のニーズにも少しでも応えられるよう、当法人グループ病院以外の地域医療機関に主治医を持つ対象者もできるだけ依頼を受けてきた(図1)。
サービス内容の質を確保するための担当者会議や地域ケア会議、その他ケースに関わる会議等にも、昨年同様に積極的に参加し、対象者のニーズに応じた社会参加を支援してきた(図2.図3)。
専従スタッフ教育では、主任との同行訪問指導に加え、関連学会への参加を介した自己研鑚の場も設けることができた。
恒例となった対象者の社会参画促進を主目的とした「社会参画支援」では、「中重度要介護者における温泉と食事交流会」を企画、開催し、大盛況に終わった(図4)。

【訪問実績】
年間利用者数は、2015年820人に比し、766人と若干の減少に転じていた(図5)。これに伴い年間訪問件数も同様に、4639件から4235件と減少していた(図6)。これに対し、新規ケース数は若干増加しており、修了ケース数は若干減少していた(図7)。そこで修了ケースの平均利用期間をみてみると、昨年と比し利用期間が短くなっている傾向にあることがわかった(図8)。このことから、利用者数と訪問件数の減少は、利用期間の短縮化の影響が伺われた。

【利用者の状況(H28.12現在)】
利用者の状況は、昨年とほぼ同様の傾向であった。主疾患では、脳血管疾患が約7割を占めていた(図9)。要介護度では、要支援1~要介護1の軽度障害者が約4割、要介護2、3の中等度の障害者が約4割、要介護4、5の重度障害者が約2割であった(図10)。利用者の居住地(訪問地域)では、高知市内が約7割、近隣の南国市が約1割を占めていた。東方面では香南市、香美市まで、西方面ではいの町、土佐市まで訪問していた(図11)。

【おわりに】
当事業所が「退院・退所後早期介入」、「地域ケアへのリハ的視点の介入」等による社会参加促進と予防に対する成果を挙げていくための課題は、まずは退院支援力の強化に繋がるような介入と連携・協業の仕組みを再考することと考える。またその一方で、地域資源の中により積極的に介入していきながら、連携・協業が図れるような仕組み作りをしていくことと考える。そのような支援を効果的・効率的に展開していくための教育体制の見直しと強化にあると考える。今後とも実績を蓄積し、対象者がより安心・安定した自宅退院が促進されるとともに、より幅広い社会参加が実現するための一助となれるよう努めたい。

  • 図1
  • 図2
  • 図3
  • 図4
  • 図5
  • 図6
  • 図7
  • 図8
  • 図9
  • 図10
  • 図11

学会発表

学会名 発表日
演題 演者
リハ・ケア合同研究大会in茨城 10月20日~22日
「生活習慣の変化が転倒頻度の減少に繋がった在宅高齢障害者の一事例」 宮本洋介PT
「当訪問リハ事業所におけるモニタリング活動報告と終了についての一考察」 森本和加PT

論文発表

冊子
タイトル 著者
理学療法 メディカルプレス(2016.7.28発行)
「高齢障害者に対する訪問理学療法の効果判定」 佐藤建三PT