看護部

副看護部長 武田直子

平成28年は、スタッフや体制の大きな変化はなく、近森病院の中の精神科であり、かつ、就労支援・在宅支援を多職種チーム医療で実践する総合心療センターの機能を強化してきました。

10月19日に宮崎副センター長が大会長の第56回高知県精神保健福祉大会が「うつ病のリワーク―就労と再生の支援―」をテーマに、県民文化ホールで開催されました。総合心療センターは事務局を担当しました。

12月に「訪問看護ステーションラポールちかもり」が管理棟別館から、総合心療センター1階に移転しました。それにより、在宅支援の連携がより密接にタイムリーに取れる体制になりました。

全員参加のスタッフミーティングを開催してきましたが、6月に各部署で目標とアクションプランを考え、プレゼンテーションしたものを平成29年3月(年度末)に評価し振り返りの発表をする予定にしています。看護部門は目標のもと決定したプランを一人ひとりの看護スタッフが自覚的に実行し、上司がそれを支援し促進するように1年頑張ってきました。近森病院全体の経営戦略でしめされた、稼働率のアップ、経費節減、人件費適正化に関しても各自が前向きに取り組み、60床の精神科急性期治療病棟を有効に機能させ、地域のニーズに応えることができるように努めてきました。

■精神障がい者(精神科入院患者)の地域移行(退院)・地域定着を推進し、地域生活を支援する入院から在宅にわたり、多職種間(チーム医療)や地域・福祉等との協働(地域連携)を充実させて、地域移行・地域定着をすすめてきました。

  1. 入院時から退院支援に取り組む
  2. 在宅生活(地域移行)へむけて、本人の意思の尊重、合意形成を大切にカンファレンスの実施、退院前訪問などに積極的に取り組む
  3. 医療保護入院者退院支援委員会の開催、充実
  4. 外来、在宅部門(デイケアメンタル、パティオ、訪問看護ステーションラポールちかもり)の強化
  5. 地域の資源を有効に活用するために、行政や地域(福祉)との連携を強化する(ウェーブ、県、保健所、事業所、グループホームなど)
  6. 治療グループに看護師が参加し、内容を充実させる…弁証法的行動療法(DBT)、対人関係療法(IPI)[、認知行動療法(CBT)、アティチューディナルヒーリング(AH)、条件反射制御法など

■急性期病院の精神科の機能を強化し、役割を果たす
近森病院内での連携強化もすすめました。
リエゾンチーム活動

  1. リエゾンチーム活動は、診療報酬を精神保健福祉士の専任を配置することで「精神科リエゾンチーム加算」を算定できるようになりました。また、「入院精神療法」「救急救命入院料加算」「精神疾患診療体制加算」も算定することができ、医師の診察が必要なケースには極力チームで介入できる体制をとっています。今後、「自殺企図後の継続加算」として、自殺企図後に継続して関わることができる体制をとるために、医師、看護師、本院PSWが研修を受講したので、話し合い、各部署の協力を得て算定を検討していきます。
  2. 在宅~外来~病棟内連携強化~患者の入院受け入れ
    病棟内;5階が閉鎖病棟、4階が開放病棟でそれぞれの機能の特徴をもって運営していますが、一つの病棟として効率化し閉鎖のベッドを空け、入院の受け入れを促進してきました。それぞれに師長を配置していましたが、4月からは1名の師長、2名の主任の体制で意志一致、連携を強めています。ローカルルールをつくらず、業務におけるベストプラクティスを追及する体制になりました。
    外来;病棟をつなぐために外来からの適切な情報提供に努め、入院時には協議・確認できるように外来で調整しています。毎日、外来、相談室、デイケア、訪問看護とのモーニングカンファレンスをおこない、在宅分門との連携をとり、調整しています。
    デイケア;メンタル、パティオに1名ずつ看護師が配置し、その人らしい在宅生活を支援しています。外部の支援者との連携を大切にし、デイケアより、ステップアップする方向性をすすめています。(別報告あり)
  3. 教育活動の充実
    副看護部長が近森会グループ、近森病院の教育代表者として参加し、教育活動に関与する体制とし、今年は新人研修、近森病院各科研修会、看護補助者研修、ラダーなどで精神科の内容での講師を引き受けました。
    総合心療センター内では、教育の専従はいないので、各職種や管理職、チームが責任もって、研修会の開催、運営、参加していく体制をつくっています。教育活動の看護師が中心に担っており、学会などで成果を発表できるよう支援し、現場に還元しています。
    近森病院でおこなわれる「医療安全」「感染管理」に加え、心療センターでは「倫理」「精神保健福祉法」「行動制限最小化」「災害対策」「医療安全(心療センター)」「出張報告会(伝達講習)」「スタッフミーティング」については必須の研修に位置づけて、医師をはじめ多職種がほぼ全員参加しています。
    患者さんに必要であり、選ばれる精神科であるように、また、急性期病院のなかでの精神科の機能を強化できるように、看護の質を高めて対応してくために自己研鑽、教育は不可欠であると考えています。

■その他

  1. 実習生の受け入れ
    近森看護専門学校、高知県立大学看護学部(総合実習、管理実習、3回生実習)高知短期大学看護学部、中央高校専攻科、日本精神科看護協会認定看護師を受け入れ、臨床実習指導者が中心に対応しました。認定看護師実習では今年は訪問看護のフィールドで受け入れて、認定看護師が指導しました。
  2. 副看護部長は、日本精神科看護協会高知県支部の副教育委員長、高知県精神障害者地域移行・地域定着支援研修企画委員会の任に就き、その経過を共有し成果を還元するように努めました。
  3. 病棟看護師長は、高知県精神科災害対策要員(DPAT)として熊本地震に派遣され支援にあたりましたが、南海トラフ地震等に備えて活動継続しています。
  4. 近森会キャリア開発課長は、精神専門看護師に合格し、リエゾンチーム活動、総合心療センターでの実践、コンサルタントなど支援する体制があります。

*人材育成、目標管理、学会・研究会発表は近森病院看護部をご参照ください