総合心療センター

痛みのクリニック

部長 須賀太郎 2016年の延べ外来患者数は、月平均400人程で前年より30人減、新規外来患者数は年間220人で前年より10人減でした。 当科でずっとかかげているテーマは『慢性疼痛の患者さんの鎮痛法をより安全に行なっていくこと』であり、この1年間もその目標は完全に達成できたと思います。痛みの患者さんは70歳以上の高齢者が半数をしめ、また体力のない人や合併症の多い患者さんも多くいます。どんな患者さんにも最良の鎮痛を目標として診察してきましたが、現在行っている安全で低侵襲なブロック・キシロカイン点滴・電気針治療をベースとして行い、月に50人程度の患者さんには、フェンタニル貼布剤や、モルヒネ内服などの麻薬を使用することで、その目標は達成されてきたと考えています。また最近は、NSAIDS が特に高齢者に使用することは危険といわれるようになってきており、NSAIDS を使わず他の鎮痛薬を使うことも心がけています。 帯状疱疹後神経痛、脳卒中後中枢痛、脊髄損傷後中枢痛、脊椎手術後疼痛(FBSS)、腰部脊柱菅狭窄症、閉塞性動脈硬化症(ASO)、手術後疼痛症候群等々、難治性の痛みの治療を必要とされている限りは、これからも続けていきたいと思っています。...

O-リングテストクリニック

山本重明(O-リング科部長) 概説 O-リングテストクリニックでBi-Digital 0-Ring Test(O-リングテスト)を積極的に導入した診療を行っている。患者さんがよくなっていくことを支援しながら、O-リングテストの研究・教育・普及活動を行っている。 スタッフ 医師は山本重明の1名。助手の小野山絢子がサポートし、看護師の山本千鶴が診療の介助にあたっている。 診療 月・水・金曜日の午前中に一般外来を、同日午後と火・木曜日の午前中にはO-リングテスト研究外来を行なっており、保険外併用療養費制度による予約診察を導入している。また、火曜日の午後は職員外来を行っている。O-リングテストを正しく応用できるように、診療にあたって...

看護部

副看護部長 武田直子 平成28年は、スタッフや体制の大きな変化はなく、近森病院の中の精神科であり、かつ、就労支援・在宅支援を多職種チーム医療で実践する総合心療センターの機能を強化してきました。 10月19日に宮崎副センター長が大会長の第56回高知県精神保健福祉大会が「うつ病のリワーク―就労と再生の支援―」をテーマに、県民文化ホールで開催されました。総合心療センターは事務局を担当しました。 12月に「訪問看護ステーションラポールちかもり」が管理棟別館から、総合心療センター1階に移転しました。それにより、在宅支援の連携がより密接にタイムリーに取れる体制になりました。 全員参加のスタッフミーティングを開催してきましたが、6月に各部署で目標とアクションプランを考え、プレゼンテーションしたものを平成29年3月(年度末)に評価し振り返りの発表をする予定にしています。看護部門は目標のもと決定したプランを一人ひとりの看護スタッフが自覚的に実行し、上司がそれを支援し促進するように1年頑張ってきました。近森病院全体の経営戦略でしめされた、稼働率のアップ、経費節減、人件費適正化に関しても各自が前向きに取り組み、60床の精神科急性期治療病棟を有効に機能させ、地域のニーズに応えることができるように努めてきました。 ■精神障がい者(精神科入院患者)の地域移行(退院)・地域定着を推進し、地域生活を支援する入院から在宅にわたり、多職種間(チーム医療)や地域・福祉等との協働(地域連携)を充実させて、地域移行・地域定着をすすめてきました。 入院時から退院支援に取り組む 在宅生活(地域移行)へむけて、本人の意思の尊重、合意形成を大切にカンファレンスの実施、退院前訪問などに積極的に取り組む 医療保護入院者退院支援委員会の開催、充実 外来、在宅部門(デイケアメンタル、パティオ、訪問看護ステーションラポールちかもり)の強化 地域の資源を有効に活用するために、行政や地域(福祉)との連携を強化する(ウェーブ、県、保健所、事業所、グループホームなど) 治療グループに看護師が参加し、内容を充実させる…弁証法的行動療法(DBT)、対人関係療法(IPI)[、認知行動療法(CBT)、アティチューディナルヒーリング(AH)、条件反射制御法など ■急性期病院の精神科の機能を強化し、役割を果たす 近森病院内での連携強化もすすめました。 リエゾンチーム活動 リエゾンチーム活動は、診療報酬を精神保健福祉士の専任を配置することで「精神科リエゾンチーム加算」を算定できるようになりました。また、「入院精神療法」「救急救命入院料加算」「精神疾患診療体制加算」も算定することができ、医師の診察が必要なケースには極力チームで介入できる体制をとっています。今後、「自殺企図後の継続加算」として、自殺企図後に継続して関わることができる体制をとるために、医師、看護師、本院PSWが研修を受講したので、話し合い、各部署の協力を得て算定を検討していきます。 在宅~外来~病棟内連携強化~患者の入院受け入れ 病棟内;5階が閉鎖病棟、4階が開放病棟でそれぞれの機能の特徴をもって運営していますが、一つの病棟として効率化し閉鎖のベッドを空け、入院の受け入れを促進してきました。それぞれに師長を配置していましたが、4月からは1名の師長、2名の主任の体制で意志一致、連携を強めています。ローカルルールをつくらず、業務におけるベストプラクティスを追及する体制になりました。 外来;病棟をつなぐために外来からの適切な情報提供に努め、入院時には協議・確認できるように外来で調整しています。毎日、外来、相談室、デイケア、訪問看護とのモーニングカンファレンスをおこない、在宅分門との連携をとり、調整しています。 デイケア;メンタル、パティオに1名ずつ看護師が配置し、その人らしい在宅生活を支援しています。外部の支援者との連携を大切にし、デイケアより、ステップアップする方向性をすすめています。(別報告あり) 教育活動の充実 副看護部長が近森会グループ、近森病院の教育代表者として参加し、教育活動に関与する体制とし、今年は新人研修、近森病院各科研修会、看護補助者研修、ラダーなどで精神科の内容での講師を引き受けました。 総合心療センター内では、教育の専従はいないので、各職種や管理職、チームが責任もって、研修会の開催、運営、参加していく体制をつくっています。教育活動の看護師が中心に担っており、学会などで成果を発表できる...

作業療法室

山内 学 今年の総合心療センター作業療法室は、スタッフの増減も異動もないままでした。経験年数も10年以上となり、スタッフ力としては充実していく方向での取り組みを模索できるようになりました。しかし、作業療法の入院者参加率は変わらないが、参加者総数は減少しています。入院数や参加できない状況者の増減による影響が出ています。急性期だから病状にて仕方に面もあります。外来作業療法は徐々にアップしてきていることでのカバーとしてはまだ出来ない状況です。入院中からのデイケアトレーニングにより移行のスムーズさは...
医療福祉部 医療相談室

医療福祉部 医療相談室

役職 小川明希 【はじめに】 2016年はソーシャルワーカー(以下SW)4名、事務員1名の体制で業務を行ってきたが、8月には主任SW1名の産休に伴い、SW3名、事務員1名の体制となり、対応力の減となった。 【2016年を振り返って ~現状と課題~】 体制の内訳として医療保護入院者や介入率の高い5階急性期閉鎖病棟2名、4階急性期開放病棟1名、外来1名のSWと事務員1名を配置していたが、8月以降は外来担当をSW3名で分担し対応していくこととなった。 入院部門では急性期治療病棟のSWとして期間的な制限の中でも、入院直後の患者・家族から聞き取った情報をもとにアセスメントを行い、生活背景や個々の希望に沿った在宅生活へ繋げるための方策を模索し...
デイケア パティオ

デイケア パティオ

主任 川渕忠義 【はじめに】 平成28年(2016年)のトピックスとしては、4月に診療報酬の改定があり、「長期にわたる頻回の精神科デイケア等の適正化」により算定要件が厳格化されたことである。精神科デイケアは、1984年のデイケア施設の基準緩和以降、全国で増加し、政策的目標がないままの運営が続いていた。その結果、漫然とした利用者の増加を招き、ここ数年はデイケアの機能や効果についての議論がされるようになっていた。このような背景のなか、デイケアの長期利用が大きな課題として取り上げられていた。今回の改定では、当施設においても少なからず影響はみられ、長期化しているケースの見直しや書式の改定等の対応に追われ、運営の見直しや今後の精神科デイケアの在り方について摸索した一年であったといえる。これまで医療型デイケアに特化した運営をおこなってきた当施設にとって、リワークデイケアとして、診療報酬に見合った運営がなされているのかを再確認する機会となった。一方で、これまで精神科医療でしか支えることができなかった長期利用者の多くは、高齢化や地域への移行が難しいケースも多く、今後、精神科デイケアの現状と課題については、多角的視点をもって整理していく必要性を感じている。 【運営状況】 平成28年のパティオの運営体制は、昨年末から臨床心理士が産休となり、管理者を含め実質3名体制でのスタートとなった。実際に1~3月の期間はかなりタイトな状況となり、スタッフ個々が疲弊する状況のなか、何とか乗り切った感は否めない。4月に入り、育休から復帰した作業療法士が配属となり、以前、所属した経験のあるスタッフであったため、即戦力となり、課題であったプログラムの梃入れを行うことができた。スタッフ構成は、作業療法士3名、看護師1名となり、臨床歴10年以上のスタッフを中心に運営することができたが、同世代のスタッフ構成のため、仕事と家庭の両立が課題となるスタッフが多い状況ではある。 【実績】 活動実績としては、(表1 )(表2 )に示すように、年間入所者52名、年間退所者62名であった。昨年に比して、入所者は減少、退所者は増加した結果となったが、大きな変化とまでは至っていない状況。年間実質利用者数は、横ばい状態ではあるが、昨年を若干下回る結果となった。登録者数や一日平均来所者数も昨年と同程度ではあるが、一日平均来所者数は昨年より1.5人少ない19人となっている。この結果より、運営については安定していたが、スタッフのマンパワー不足の期間が長く、スタッフ一人あたりの受け持ち患者数やプログラム運営についての比重は増大しており、例年よりも忙しい一年であったように思われる。 入所者の紹介元(表3 )については、昨年より、母体である当院外来からの紹介件数よりも他院・クリニックからの紹介件数が上回っている状況が続いている。利用者全体では、約半数は他院・クリニックの患者であることが多い印象である。また、他院・クリニックからの紹介件数は、昨年と大きな変動はなく、安定した紹介率を維持している。外来紹介件数は昨年に比べ、若干ではあるが増加している。増加した要因については、外来医師の努力によるところが大きいと実感している。引き続き、今年度も継続し、さらに紹介率を上げていく努力は必要である。入院からの紹介率については、例年通り低い値のまま推移している状況。理由としては、リワークデイケアの利用者の多くが入院経験のないケースが多く、自宅療養のみで回復したあと、そのままリワークデイケアへ移行していく流れが定型化していることが考えられる。今後は、病床がある当院の強みを活かし、病床をもたないクリニックの方へ、入院の必要性がある場合については、当院への...

臨床栄養部

管理栄養士 西森瑞愛 【人事】 3月から吉田科長がオルソリハビリテーション病院へ異動となり、4月より入職した板先、西森との2名体制で業務を行った。体制が整うまでの期間、川﨑主任が指導・サポートを担当した。 【設備】 2014年12月の本院厨房完成によりその役目を終えた総合心療センターの厨房は、2016年1月より、災害用の飲用水の保管場所として利用している。 【栄養指導】 年間で77件、非加算211件を実施。2016年4月より入院・外来栄養食事指導料の算定基準の改訂にて、主治医が低栄養と認める患者への指導が加算対象となり、それまで非加算で指導を行っていた摂食障害患者への栄養指導件数が増加した。また、...
デイケア メンタル

デイケア メンタル

主任 川渕忠義 【はじめに】 2016年(平成28年)を振り返りトピックスとしては、4月に診療報酬の改定があり、「長期にわたる頻回の精神科デイケア等の適正化」が示されたことである。今回の改定では、これまで精神科領域において、地域移行や定着支援の大きな役割を担っていた精神科デイケアにおいて、今後の役割や機能を再考する機会となり、通過型サービスとしての機能へと絞り込む方向性が示されたといえる。精神科デイケアの長期利用者の漫然とした利用が指摘されていたなか、当施設は数年前より規模を縮小して、今後のデイケアの在り方を模索しながらデイケア運営を続けてきた。若い世代の多くは就労など目的性の高い利用者で構成されている一方で、長期化しがちな高齢の精神障害者については、病状コントロールや地域生活支援、健康への配慮、認知障害といった課題が多く、展開する活動や支援内容も多岐にわたっている現状がある。このような背景のなか、若年層と高齢者層とが互いに学びあえる混在型デイケアの運営を継続しつつ、長期利用者の移行については、さまざまな機関との連携を強化する必要性を感じている。 【運営状況】 2016年は、作業療法士3名、看護師1名、臨床心理士1名の5名体制でのスタートとなった。その後、病休や産休のため年度途中での人員の入れ替わりがあり、不安定な一年であった。具体的には、3月に訪問看護ステーションラポールちかもりの作業療法士とチームリーダーをしていた作業療法士が入れ替わる人事となった。そのため、リーダーの変更をおこない、ベテランの作業療法士が後任を引き継ぎ、スタッフ全員が臨床経験10年以上のベテランスタッフの構成で運営をおこなった。11月には、リーダーの産休に伴い、再度、リーダーの変更をおこない、作業療法士2名、臨床心理士1名、看護師1名となり、これまでより1名減の4名体制の運営となった。加えて、プログラムの技術指導を専門家である外来講師へ依頼していたが、7名の外来講師枠を3名へと減少させた。理由としては、今後の精神科デイケアの在り方を再考するにあたり、経営面や利用者のニーズなどを鑑みた結果、現状のニーズに合わせた運営をおこなうにあたり、目的の明確な治療プログラムの立案、実施が必要との判断に至った。そのため、スタッフ一人当たりの仕事量は大幅に増大した。引き続き、来年度も補充の予定はなく、4名体制の運営となるが、一人あたりの業務量の増加はスタッフのモチベーションにも影響することが考えられるため、管理体制の見直しをおこない、各スタッフへのフォローを丁寧におこなっていきたい。 デイケアの転帰を表(1) に示した。 退所者転帰として、退所者数は59名で就労・復学が21名で最も多く、次に精神科入院が20名となっている。ここ数年は精神科入院が退所理由で最も多かったが、今年は2013年以来の就労・復学が退所理由のトップとなった。事業所(A型、B型、就労継続)、一般就労、障害者雇用への移行が多く、利用者年齢(表5)からもわかるように男女とも最も多い年齢層である30代の利用者の多くは就労目的での利用であるため、今後も通過型のデイケア運営を意識するうえで、維持していきたい。精神科入院については、地域生活でのストレスが要因となり、病状を崩すケースが多く、退院支援の充実と地域定着支援の見直し等が課題となる。地域定着や地域移行については、喫緊の課題であるが、今...
訪問看護ステーション ラポールちかもり

訪問看護ステーション ラポールちかもり

所長 杉村多代   2016年は、スタッフの産休、県外への研修に対応した転入があった。いつもより早めの転入により同伴訪問の機会を多く持つことができ、単独での訪問看護を実施するに当たって多くの知見を得たようである。また、新しい仲間が入ることで、日ごろ行っている訪問看護の意味を改めて考えることが出来た。 さて、運営についてだが、平均訪問件数が一番多かったと報告した昨年以上の実績を上げることができた。スタッフ換算数が昨年と同じ状況で訪問実人数の平均数もほぼ同数にもかかわらず、平均件数は307件とラポール開設以来初めて300件を超えた。(グラフ1参照 ) 疾患別で見ると、昨年と殆ど同じ割合であった。(統合失調症を持つ人47%、自閉症スペクトラムを持つ人・気分障害を持つ人それぞれ13%。以下略)(グラフ2参照 ) キャンセル件数は、1年間で293件で昨年より57件多かった。そのうち事前に連絡があったのは187件64%、事後は108件36%で割合で見ると昨年とほぼ変わりない(昨年はそれぞれ62%、38%)。詳細を見ると、事前では「その他の用事や理由」が94件で半分を占め、「精神状態不調」22件と「身体不調」67件が全体の48%、事後は「不在」が79件で73%を占め、「身体不調」「その他の用事」がそれぞれ12件11%、他は「忘れ」が続く状況だった。昨年と同じく事前のキャンセルの方が多い。訪問しての不在に関しては、主治医らにも報告し最終的に訪問終了となる利用者もいた。当ステーションは高知市以外への訪問にも対応しているため、出来るだけ事後のキャンセルを少なくできたらと考えている。 新規利用者は36名で母体病院(近森病院総合心療センター)から33名92%とその多くを占めてはいるが、他院からの指示も3名あった。12月時点での訪問実人数は137名で、うち19名...