輸血療法委員会

委員長 杉本和彦
総合診療科 部長

高知県合同輸血療法委員会と連携を保ちながら、「適正輸血の推進」を実践する事を目標とし、タイプ&スクリーン(T&S)による輸血オーダシステムや、自己血回収システム、「輸血後感染症の予防」のための各種感染症検査などに取り組んできました。
2014年には、院内監査ラウンドの実施、輸血同意書を含めたマニュアルの改訂を行い、日本輸血・細胞治療学会I & Aを受審し、2015年「I&A認定施設」として高知県内で初めて認定されました。

1. Type & Screen (T&S) (図1・2)
1年間のT&Sオーダーの月別年間推移及び、診療科別年間件数とその割合です。
2016年の総オーダー件数は1205件で、月平均件数は93件でした。最近5年間のオーダー月平均オーダー件数は93件、89件、92件、90件、93件で、ほぼ横ばいです。
月平均実施率は16.5%、T&Sでの月平均輸血実施実件数は15件でした。診療科別では、整形外科が738 件61.2%、外科207件17.2%、脳外科111件9.2%、心臓血管外科90件7.5%と続いています。

2. 自己輸血症例数(図3・4)
心臓血管外科手術で開心・開腹術の合計 239整形外科手術で 218合計 455件に回収式自己血輸血を施行しました。一方、貯血式自己血輸血は12件と、ほぼ横ばいです。

 

3. 血液製剤使用量と血液廃棄率(2012~2016年の推移)(図5)
血液製剤使用量は、2012年以降、徐々に増加傾向にあり、2016年は大幅な増加となりました。当院の救急患者受け入れ件数の増加に伴い、手術件数の増加・重症度upが一因と考えています。
廃棄率も、2012年には3%と上昇しておりましたが、徐々に低下となり、昨年度は1.2%となっています。

 

4. 科別使用量(図6~8)
RBC-LR(赤血球製剤)は、内科の使用量が2417単位と最多でしたが、依頼量2619単位との差は202単位でした。心臓血管外科の使用量は、1694単位ですが、依頼量4212単位との差は2518単位と大きく、使用量の約2.5倍の輸血を準備していることとなります。手術患者の高齢化・重症化に伴い、突発的な大出血に備えなければならないという心臓血管外科の特質を考えるとやむを得ない状況かも知れません。整形外科の使用量は、1139単位で、依頼量1197単位との差は最も小さく58単位でした。多発外傷を含む多数の外傷症例を手術しながら、自制の効いた適正輸血を実行していると思われます。
FFP(新鮮凍結血漿)の使用量は、心臓血管外科の2468単位で最多で、内科が860単位と続いています。PC(濃厚血小板)の使用量は、心臓血管外科が1740単位、内科が2410単位でした。これは血液内科の新設に伴う増加です。

5. アルブミン製剤使用量(図9~12)
2012年から2016年まで最近5年間の推移をみると、総使用量は2012年以降減少傾向にありましたが、2016年は再び増加しております。科別使用量を見ると、2013年に過去最小となった心臓血管外科の5%製剤使用量が、徐々に増加しており、内科も例年の10倍近く使用量が増加しています。一方、2013年に過去最高使用量となっていた内科の25%製剤使用量は、2014年以降50%程度に減少しています。

6. 副作用報告(表)
2013年の副作用発生内訳です。
発生率は2.9%と昨年と変わりなく、副作用の内容にも大きな変化はありませんでした。