安全衛生委員会

委員長 北村龍彦・健康管理センター

 

「働く人の安全と健康の確保」を重要課題と捉え、働く人一人ひとりが役割と責任を認識し、全員が一丸となって自主的な労働災害防止活動の充実・強化に取り組んでいくことが求められている。私たちは、職場における安全衛生活動を見直し、安全衛生管理体制の充実、自主的な安全衛生活動の実施などの取り組みをさらに充実していくことが重要である。

近森会グループ安全衛生委員会では、2016年度はメンバーの見直しを行い、現在32名で活動している。(表1~2)

  • ・表1  活動一覧
  • ・表2 委員一覧

■健康診断受診率■

2016年度の健康診断の受診率は99.9%とほぼ100%に近い受診率を維持している。2014年度から職員への受診勧奨を積極的に行うとともに各部署の所属長との連携を密に図るなどの対策強化を継続している事が挙げられる。(図1~2、表3・4-1~2)今後も健康診断を確実に実施し、職員の健康管理をより万全に行っていく体制づくりを推進して行きたいと考える。

  • 図1 受診率年次推移 
  • 図2 所属別受診率
  • 表3 項目別受診率
  • 表4-1・4-2 職種別受診率

有所見率については、全国は53.6%、高知県は59.5%、近森会グループは53.3%と、県・全国の平均を下回っている。
項目別でみると、例年同様に、貧血・血圧・血中脂質・肝機能などで特徴的な差が見られた。当グループの特性として、女性が多い職場(受診者における男女比は約4:6、年齢比;39歳以下と40歳以上で約6:4、平均年齢;約39歳)であるため、例年、貧血の割合が高く、血圧・血中脂質・肝機能などは低い割合になっている。

・図3項目別有所見率

 

 

 

 

また、当グループでの年次推移では、例年、有所見率の高い項目は血中脂質・BMI・血糖・貧血・血圧である。

・図4 項目別有所見率年次推移

 

 

 

 

 

 

これらの項目については、健診後のフォロー体制の強化(産業医面談や保健指導、状況確認など)がみられ、件数も昨年度より増加している。(図15-1~5、表14-1~3)

図15_12345・表14_123 産業医面談・保健指導・状況確認実施者数

 

 

 

 

 

 

 

性差・年齢別では、全体として男性の有所見率が高い。性差の目立つ項目として男性はBMI・血圧・肝機能・血中脂質が高く、女性において貧血が高い傾向にある。年齢別ではやはり40歳以上の有所見率が高い。

図5-1234 有所見率性別・年齢別年次推移

 

 

 

 

以上の結果より、女性の貧血対策を継続すること、また、中高年者(特に男性)を中心に、健康なうちからの生活習慣病対策が重要であることが分かる。

メタボリックシンドローム年次推移(40代以上)では、有病者及び予備軍に該当する者が、男性に多い傾向は過去数年と同様であり、リスクグループへの生活習慣の見直しの強化が必要である。

図6_123・表5_123 メタボリックシンドローム年次推移

 

 

 

 

 

 

 

これら健診統計の結果を踏まえ、細やかな健診の事後指導や対応ができるように努めていくこと、生活習慣の改善等の対策を積極的に推進する事などが挙げられる。今年度は、近森会健康保険組合(以下健康保険組合)からの委託を受け、特定保健指導を7件実施した。引き続き、健康保険組合と連携し、共に職員の健康保持・増進に関わっていきたいと考えている。

■ワクチン接種■

その他には、職業感染予防対策の一環として感染対策委員会と連携し、日本環境感染学会の指針に基づき、感染症検診の実施および予防可能なウィルス疾患に対してワクチン接種を実施している。
【B型肝炎ワクチン接種】
B型肝炎ワクチン接種について、昨年度はワクチン接種歴の少ない新入職員と事務職員への対応を追加しため、感染症検診実施者数が増加していたが、今年度は減少(625名→459名)した。また、昨年度は、新入職員と事務職員への対応の為、ワクチン接種対象者も増加したが、今年度は減少(300名→109名)した。
今年度は昨年度の接種対象者の接種が完了し、さらに職員数の増加のため、接種対象者割合は減少(15.3%→5.5%)した。職種別HBs抗体陽性率においては昨年度と比較し、陽性率は増加(40%→66%)している。接種率については、現在、未完了者対応中だが、例年に近い接種率(90.8%)となっている。また、2017.1月時点の全職員における抗体保有率を算出した。

  • 図7_1.2・表6_1  B型肝炎ワクチン接種
  • 図7_3~6・表6_2~5 職種別HBs抗体陽性率
  • 図7_7~10・表6_6~11 職種別HBsワクチン接種率
  • 図7_11~14・表6_10~14

 

【インフルエンザワクチン接種】
インフルエンザワクチン接種については、例年通り職員・家族・外部委託業者に接種を行い、今年度は、職員のうち健康保険組合被保険者のみ、接種費用の一部補助(500円)があった。総数は2955名(昨年2990名)と、右肩上がりだった昨年までに比べて、減少している。また、近森会グループ職員の接種率は職員数の増加もあった為、78.9%(昨年81.4%)と低下した。原因としては、申込途中での接種日の変更や接種曜日の固定などが考えられる。

  • 図8_1~4・表7_1-2 施設別_インフルエンザワクチン接種
  • 図8_5~7・表7_3~5 職種別_インフルエンザワクチン接種

 

【麻疹・風疹・水痘・ムンプスの抗体獲得およびワクチン接種】
麻疹・風疹・水痘・ムンプスの抗体獲得およびワクチン接種については、2015年9月入職者より入職前までに完了して頂く運用へ変更となっている。今年度は、所定の様式の見直し(抗体価や検査法記入の追加)や、ワクチン接種の免除年齢の設定、未完了者対策(未完了者リストの所属長への配付、辞退書)を行った。また、在職者も含め、2017.1月時点の全職員における各種抗体保有率を算出した。

  • 図9_1~3・表8_1~3 麻疹抗体保有率
  • 図9_4~6・表8_4~6 風疹抗体保有率
  • 図9_7~9・表8_7~9 水頭抗体保有率
  • 図9_10~12・表8_10~12 ムンプス抗体保有率

 

【T-SPOT.TB検査】
結核予防対策として、2014年度から新入職員と感染の危険性が高い部署および検査に従事する在職者に対してインターフェロンーγ(IGRA)を用いたT-SPOT.TB検査を実施している。

図10・表9 T-SPOT.TB検査(IGRA) 年次推移

 

 

 

 

 

 

 

現在、近森会グループ全職員における抗体保有率などを把握できるように感染症データのシステム管理体制を構築中である。今後効果的な感染対策活動へ繋げていけるように整えて行きたい。

【子宮頸がんワクチン接種】
職員の子宮頸がん予防を目的に、健康保険組合と協力し、子宮頚がんワクチンの接種を行った。今年度は接種者・接種終了者は例年通りだが、接種申し込み者が少なく辞退者がいたため、接種率は75%(昨年100%)と低下している。副反応については、発熱・腹痛・下痢症状が報告された。
図11、表10 子宮頚がんワクチン接種

 

 

 

 

 

 

 

■健康づくり活動

運動会・バレーボールなど各種スポーツ大会を開催した。
図12、表11 スポーツ大会参加者年次推移

 

 

 

 

 

 

 

 

■産業衛生活動

産業衛生活動の一環として、過重労働対策、口腔衛生活動、メンタルヘルス対策、喫煙対策、腰痛対策を継続中である。

【過重労働対策】
過重労働対策としては、総務課協力のもと時間外労働時間の調査を行っている。2016年度は政府が長時間労働の是正策として残業時間の上限規制について法改正を検討しており、当グループでも規制内容を踏まえた上での対応を練っていく予定である。

【口腔衛生活動】
口腔衛生活動では、昨年に引き続き歯周病予防に重点を置いた活動とし、歯の衛生週間に合わせ、6月にはRDテストによる歯周病のリスクチェックと歯科衛生士による歯科指導を行い、11月には「歯周病が及ぼす全身への悪影響」と題した情報をサイボウズに掲載し、全職員向けの啓発を行った。

【喫煙対策】
喫煙対策では、世界禁煙デーに合わせた啓発活動や、健康診断受診時を利用した声掛け、情報提供などを行った。近森会グループ職員の喫煙率は、上期健康診断の問診を元に作成している。全体喫煙率は、平均14.4%(喫煙者数:268名)であり、全国平均19.6%を下回っている。過去3年間の平均喫煙率ほぼ横ばい(昨年度14.5%←一昨年度14.3%)である。年代別でみると、40代の喫煙率が20.7%と最も高い。

性別では、男性の喫煙率は、平均24.7%(昨年度23.5%)と若干上昇しているが、全国平均32.2%を下回っている。女性の喫煙率では、平均9.8%(昨年度10.6%)と若干減少しているが、全国平均8.5%を上回っている。

図13-1~6、表12-1~6 職員の喫煙率

 

 

 

 

 

喫煙は、多くの癌や糖尿病、メタボリックシンドロームのリスクを高めるなど健康への影響が大きい。医療従事者という立場においては、それらのリスクを理解し、禁煙に取り組むことは必要不可欠である。今年度は喫煙対策に関する問診集計を中心に取り組んできたが、来年度には集計結果を活かす具体的な喫煙対策を推進したい。

 

【メンタルヘルス対策】
メンタルヘルス対策として、2015年12月に事業主に義務化されたストレスチェックの実施に向け、実施体制やシステムの構築に関係部署との協議を重ね、1回目の実施を行うことができた。
2016年度のグループ全体の実施者数は1473名(77.5%)、その内、高ストレス判定者は124名(8.4%)、医師面談申出者は2名(1.6%)という結果であった。面談申出者への対応だけでなく、申出のない者へも産業保健スタッフとしての心の健康相談を案内した。今後は、集団分析を行い、職場環境の改善へと繋げられるよう検討を進めて行きたいと考えている。

心の健康相談について、利用者は昨年と比べて、実人数はほぼ横ばい、のべ件数は減少した。所属長からの早めの相談もあり、ラインによるケアの重要性が伺える。今年度の休職者数は減少傾向であり、心療内科・精神科へ通院している新規報告者は昨年とほぼ横ばいで10件であった。今後の課題としては、本人・所属長・産業保健スタッフがそれぞれの役割を確認し、円滑に職場復帰を目指せる体制づくりを進めていくことが挙げられる。セルフケア、ラインケアを含めた、職員への啓蒙・啓発活動などの予防に力を入れるとともに、復職・職場復帰支援体制を整えていきたい。

図14-1~2・表13-1~2 休職者数年次推移

 

 

 

 

 

 

【腰痛対策】
腰痛対策として、2012年より職員を対象とした腰痛体操指導を行っている。本年度は5名の職員に腰痛体操個別指導を延べ11回行った。うち終了者2名、継続3名となっている。また、今年度新たな取り組みとして、足と靴の悩み個別相談を開始した。本年度は11名の職員に、延べ14回実施した。相談はほぼ1回で終了となるが、対応後の足や靴の不調や微調整も行っており、職員から好評である。

 

■最後に

最後に健康管理センターを基点とし、健康の確保、維持・増進に対する職員の関心がさらに向上することにより、事業所における安全衛生水準を自律的に高めて、健康経営に寄与できるような活動を充実させていきたいと考える。