近森病院の透析室は何が違っているのか?

■ 近森病院の透析室は何が違っているのか?

透析外来部長 近森正昭

近森病院で透析が始められたのは 1973 年、この頃から院内感染を防止するための作業ゾーニングとして透析室と処置室を分け、コンソール側に技士、患者側に看護婦が働く 1:1 の職員比率が保たれていました。
手洗い、手袋、ゾーニングは接触感染対策です。
作業は種類が少なく熟練するほど早くできて質が高くなります。
難度の異なる多種多様な作業が混じっていると、判断するのに時間がかかり、判断ミスやエラーが生じます。
リスクの大きな作業、判断が難しい業務、熟練が必要な作業を別に分けて専任スタッフがおこなえば作業の質が高まりミスやエラーを減らすことができます。
分離した作業や専任チームをモジュールと仮に言いますが、モジュールに重要な作業が移ると他の日常業務やモジュールを組み合わせて全体を運営するデザインが大事になります。
業務分離で全体が見えなくなるとモジュール内での部分最適化で全体最適化が妨げられ無駄が生じますから、ローテーションや研修で情報を共有しモジュール内への情報のカプセル化を防ぎます。
マニュアルにできる情報と違い、経験や慣れ、人的関係は暗黙知で個人にとどまり文書化できません。
暗黙知でもある優秀な個人の判断基準は作業の質を向上させるために共有していく必要があり教え合う環境にしなければいけません。
感染対策で始まったゾーニングは複雑になる業務に合わせてモジュール化に進化し、研修、ローテーション、メンターなどのナレッジマネジメントがおこなわれるようになりました。
透析室では異なる職種によるチーム医療がおこなわれていますが、地域医療支援病院として救急業務が増加し、病診ネットワーキングなど複雑化、繁忙化に対応したシステム作りを進めています。