糖尿病内分泌代謝内科 / リウマチ・膠原病内科

部長 / 公文義雄

 2015年は私どもにとって大変意義深い、充実した一年であった。2014年末に糖尿病センター、リウマチ・膠原病センターが開設され、十分なハードを作って頂いた。二月からは当院総合診療科に新たに赴任された浅羽宏一先生が、四月からは内科に新たに赴任された近澤宏明先生が仲間に加わり、野島 滋先生、公文を加えて4人で診療にあたる事が出来た。また、専門に特化した看護師、薬剤師、栄養士、検査技師、歯科衛生士、理学療法士、ソーシャルワーカーをはじめとした糖尿病チーム、リウマチ・膠原病チームのスタッフと、秘書、クラークのお蔭でトラブルもなく無事に外来患者さんへのサービスに対応できたことは大変嬉しい事であった。その中で、患者さんよりお元気なられたと投書を頂いたり、病状の相談や治療の確認のためホットラインをご利用され喜んで頂いたり、スタッフがPS (patient satisfaction)アワードを頂いたりと、患者さんや他部署スタッフの皆さんから励ましを頂いて何とか支えて頂き、感謝しているところである。当院は地域医療支援病院であり、近隣の先生方からご紹介頂いた患者さんは、病状が落ち着けばお返ししたり、かかりつけ医と一緒に診る事が多い。また最近では、入院のみならず、ERや内科及び他科の専門外来からの多くの御紹介も頂いており、専門外来担当医と共診させて頂くこともあり、非定期の通院患者さんも結構おられる。

 外来診療では図1に当センターへの通院延べ人数をお示しする。2015年度は両センターに5420人の患者が通院された。うち、かかりつけ医などの連携施設から167例の新患患者さん(3/4がリウマチ・膠原病センター受診)をご紹介頂いた。図2にセンター内での専門看護師による介入患者数を示す。当院外来センターには糖尿病療養指導士を持つ看護師とリウマチケアナースがそれぞれ3人所属しており、安全で有効な治療を目指して他のスタッフと共に患者の生活指導に介入してくれている。両疾患群ともに安全な治療には生活習慣の是正が必要であり、当院の効率的な治療に繋がっていると考えられる。糖尿病診療では食事と運動が治療の基本であることは変わりなく、特に患者が高齢であるほどこれらが重要である。また、栄養指導、糖尿病透析予防指導、フットケアなどを効率的に実施するには医療スタッフの連携指導が大変有用である。また、関節リウマチの診療では、高額ではあるものの有効性が高い生物学的製剤が普及し、お蔭で関節リウマチは治る時代になった。図3に示すように2012年から2015年までそれぞれ57、68、118、116人の方が7剤の生物学的製剤を用いて治療をお受けになっておられる。必ずしも右上がりの数字ではないが、早期の関節リウマチの患者さんほど安全で有効性は高く、高率に寛解に達することにより生物学的製剤の休薬に至る患者さんが多いことがその原因と思われる。生物学的製剤が増えてないこと、即ち、生物学的製剤の休薬が多くなってきていることがむしろ医療の質を表しているのもかもしれない。

 入院診療では患者の多さや疾患へのかかわりから、我々にはもっと幅広い糖尿病診療が要求されていると思われるが、恥ずかしながらスタッフの余力の問題から糖尿病診療では精一杯の状況である。しかし、熱心なスタッフにより糖尿病サポートチーム、DST (diabetes support team)が多くの力を発揮してくれている。薬剤師を中心にした外科系病棟での週術期血糖コントロールのサポート、1型糖尿病患者のサポート、フットケアチーム、糖尿病教育入院では3日間のパスの充実と見直しなど診療の下支えである。それぞれのメンバーが独自の立場でチャレンジしてくれており、当院の特徴である救急診療から慢性期リハビリテーションまで、日常診療を糖尿病の側面から広くサポートしてくれている。一方、リウマチ・膠原病の診療ではチーム立ち上げが遅れており、現在、サポートチームを立ち上げ中である。看護師、薬剤師、栄養士は勿論、理学療法士、歯科衛生士、ソーシャルワーカー中心に、教育と診療サポートの構築など他院に無いシステムを夢見ているところである。

 当センターの役割は当該疾患の診療の中で、当院に通院中の患者さんへの質の高いサービスの提供と、地域医療への貢献である。その為にはコーチングテクニックを診療に適切に導入し、チーム医療の充実を図ることであり、これを地域医療連携施設、ひいては高知の医療レベルの向上に繋がるように我々が変わることが目的でもある。今まで同様、出来るだけ早く、出来るところから緊密な医療連携を始めることが重要である。今後も地域医療支援病院として充実を図りたいと考えております。

  • 受診者数  » クリックで拡大 ->

    受診者数

  • 専門看護師による介入患者数  » クリックで拡大 ->

    専門看護師による介入患者数

  • 生物学定期製剤の年次推移  » クリックで拡大 ->

    生物学定期製剤の年次推移

■国際学会
学会名 場所 日付 演題 発表者
WORLD DIABETES CONGRESS Vancouver,
Canada
11月30日〜12月4日 Raised levels of high-mobility group box 1 are associated with insulin resistance-related features in Japanese subjects
  • YUKIO IKEDA
  • YOSHITAKA KUMON
  • TAKASHI OHGURO
  • NAOKO HISAKAWA
  • JUNKO NISHIUCHI
  • SHIGEO YAMANAKA
  • TETSURO SUGIURA

 

■国内学会(シンポジウム)
学会名 場所 日付   発表者
第59回 日本リウマチ学会総会・学術集会 名古屋 4月23~25日 脊椎関節炎の最新治療薬の話題
  • 谷口義典、小林茂人、公文義雄、寺田典生、岸本暢将

 

■国内学会(一般演題)
学会名 場所 日付 演題 発表者
第59回 日本リウマチ学会総会・学術集会 名古屋 4月23~25日 アバタセプトが著効を示した高齢発症体軸性脊椎関節炎の一例
  • 公文義雄
  • 野島滋
日本脊椎関節炎学会 第25回学術集会 岡山 9月12日 下肢腫脹を主徴とした末梢性脊椎関節炎と考えられた2症例
  • 近澤宏明
  • 野島滋
  • 浅羽宏一
  • 清水和人
  • 葛目大輔
  • 山﨑正博
  • 公文義雄
第26回日本リウマチ学会 中国四国支部学術集会 岡山 12月4~5日 潰瘍性大腸炎に合併した大動脈炎症候群の一例
  • 公文義雄
  • 森本優子
  • 川真田純
  • 近澤宏明
  • 葛目大輔
  • 窪川渉一
  • 山﨑正博
  • 野島滋
  • 浅羽宏一
  • 清水和人
間質性肺炎を合併しclinically amyopathic dermatomyositis(CADM)と考えられた4症例
  • 近澤宏明
  • 野島滋
  • 中間貴弘
  • 石田正之
  • 葛目大輔
  • 浅羽宏一
  • 山﨑正博
  • 公文義雄