『病院』

『病院』(第72巻 第11号)
2013 Nov. Vol.72, No.11 掲載
P.858-864  株式会社医学書院
2013年11月1日発行

様々な診療支援業務の現状と今後の展望

-病院管理者の立場から-

社会医療法人近森会 近森病院

理事長・院長 近森 正幸

 

キーワード
診療支援業務,労働集約型医療サービス業,人事レバレッジ,タスクシフト,自立・自動

 
 
はじめに
21世紀を迎え、医療の高度化と高齢社会の到来で業務量も膨大になると共に、診療報酬も出来高払いからDPCによる一日包括払いに変わり、病院の業態も物品販売業から労働集約型医療サービス業に大きく変化している。従来の検査や薬剤といったモノを売るのではなく、形のない付加価値を産み出して提供するようになり、これを報酬に変えるには種々のマネジメントが必要になってきた。その大きなツールは、地域医療連携であり病棟連携、チーム医療であるが、チーム医療の一部分である診療支援業務についての現状と今後の展望について病院管理者の立場で述べてみたい。
診療支援業務として、今回は広義のチーム医療から国家資格を有する医療専門職が行う診療に密着したチーム医療を除いた、おもにプロパーのスタッフによる診療支援について検討した。

近森会グループにおける管理部門の位置づけ
近森会グループは高知の駅前に隣接して急性期医療からリハビリテーション、在宅まで地域医療を展開しているが、救命救急医療を担当する近森病院、精神科の専門病院で精神障害者の在宅サポートセンターを有する総合心療センター近森、脳卒中、脊損対象の近森リハビリテーション病院、整形外科専門の近森オルソリハビリテーション病院、合計836床と社会福祉法人ファミーユ高知の障害者の社会復帰、就労支援を行う高知ハビリテーリングセンターからなっており、近森病院管理棟の管理部が一括して各院、各施設の診療支援を行っている(図1)
そのため各院、各施設には事務長をはじめ数名の事務職員を配置するだけで、順調な病院施設の運営が可能になっている。ちなみに看護部は統括看護部長のもと看護師の採用や研修、労務管理を行っており、薬剤部、臨床検査部、画像診断部、臨床栄養部、臨床工学部、医療福祉部は、それぞれ近森病院の部長のもと、理学療法科や作業療法科、言語療法科は近森リハビリテーション病院のリハ部長のもと統括され、各院にスタッフを派遣する形をとっている。このように各病院、施設の専門性を尊重しながら分離と統合をうまくバランスよく組み合わせているのが近森会グループといえる。

診療支援業務を分類してみると
病院トップの立場からみればチーム医療であり「もたれあい型(すり合わせ型)」や「レゴ型(組み合わせ型)」といった分類ができるが、業務を行っている現場により近い中間管理職やスタッフが、一緒に働くときにどういう働き方をしたら働きやすいかという観点から分類すると、「人事レバレッジ」1)と「タスクシフト」の2種類に分かれる。
「人事レバレッジ」のレバレッジは梃子であり、梃子をきかせて働かすように、治療を行っている医師、看護師が判断しその指示のもと一緒に業務を行う方法である。スタッフの専門性が低いため、医療の質も労働生産性もあまり向上することはなく、医師、看護師の雑用を取り、負担軽減が大きな役割となる。そのため医師事務作業補助体制加算や急性期看護補助体制加算、診療録管理体制加算といった診療報酬がついたスタッフや総務や経理、施設用度、医事といった病院のコア機能を担うスタッフがプロパーのスタッフとなっている。
「タスクシフト」は業務の代替を意味しており、スタッフそれぞれが自分の頭で判断し、介入する自立、自動が特徴です。国家資格の医療専門職によるチーム医療が典型で、医療の質を高めスタッフの数だけ労働生産性を高めることができる。
国家資格を有しないスタッフでも専門性を高め、自立、自動することで、マネジメントが可能になる。ただし、それぞれのスタッフの人件費を稼げない場合は、経費のかかるコストセンターになるためコストを下げるために清掃や滅菌、施設管理などは外部委託となる。スタッフがそれぞれの人件費を稼いではじめて専門性が高いといえるし、独立性が保たれることになる。この場合、利益の出るプロフィットセンターとなり、プロパーのスタッフになる。
仕事の働き方を分類することによって、たとえばCT-スキャンなどの高額機器の購入担当スタッフが、医師の選定に基づいてA社のみ価格交渉を行うのではなく、競合するA社、B社を競わせ、最終的に医師の選んだA社に更なる値下げをせまることで、何億~何千万円の利益を病院にもたらす。これは人事レバレッジから専門性を高めタスクシフトに移行し、プロフィットセンターになることを示している。このようにチーム医療だけでなく診療支援においても診療報酬の加算がついたからといってスタッフを雇うのではなく、診療報酬の有無にかかわらず必要であればスタッフを雇い、専門性を高め、自立、自動するスタッフに育て上げることが重要で、そうしてこそマネジメントが出来るようになり、サービス業の付加価値をうみ出すことが可能となる。

病院全体に対する診療支援
前述したように近森病院の管理棟にある管理部は、それぞれの病院、施設の管理部門を統括しており、先進病院とのベンチマーキングや現場で日々切磋琢磨することで業務の標準化を進めている。さらに種々のプロジェクトをこなすことで経験を深め、質量ともに充実してきたことで、単に業務を行うだけのロジスティックス、兵站機能だけでなく、働きやすい環境を作るマネジメント機能に移行している。そのため、サービス業の発想の病院においては、診療支援業務の最も大事な部分は管理部門が担っており、診療支援として加算のついた医療秘書や看護補助者しか考えられない病院とは大きな差が出ている。当院の管理部門は総務部と診療支援部、危機管理室に分かれており、診療支援は主に診療支援部が担っている(図2)
1)診療支援部
診療支援部は医事課、診療情報管理室、システム管理室、企画課に分かれており、なかでも企画課は、近森病院の全面的な建て直しを行っている5カ年計画プロジェクトや他の多くのプロジェクトの中心的な役割を担っており、専門性の高い診療支援業務の中核部隊といえる。
  1. 企画課
    課長以下5名体制で病院全体の業務環境を整え、スタッフが効率的に働けるようマネジメントしている。現在進行中の近森病院建築5カ年計画では、診療現場の要望を吸い上げ設計事務所と調整し、患者動線にも配慮した空間となるよう様々な角度から改善を図るとともに、新しい建物の運用規定やサイン計画などのとりまとめを行っている。建築に伴う高額医療機器の新設や更新を行う場合、より有利な条件で契約できるよう業者との折衝を進めている。その他、種々の新規プロジェクトが同時並行的に進行しており、それらの企画と調整、とりまとめにあたっている。
    他方、ハード以外の部分では、日本医療機能評価機構の再認定の受審事務局として円滑な認証や取得につながるよう、部署間の調整や書類整備を支援している。さらに、医療法や健康保険法に基づく病院施設への立ち入り検査への対応、助成金にかかわる申請や手続き、各種団体、行政機関、学会などからの診療にかかわるアンケート調査では医療スタッフの負担軽減のために窓口となり、各担当部署への振り分けやとりまとめなど、広範な業務を行っている。
    また、診療支援部にはコンピューターに詳しい2名のスタッフが遊軍的に配属されており、医師や各部署からの様々な要望に対応している。業務としては内容が充実していると評判のいいホームページを通じた広報活動で、6月のホームページ閲覧情報は訪問数:19,823回、閲覧数:84,160ページで、約6割が新規閲覧となっている。インターネット広告の表示回数は10,433,587回でクリック数:2,652回となっており、医師、看護師はじめ多くのスタッフを全国から確保する手段として有効に働いている。
    その他、ポスターセッション用の印刷や制作、院内掲示物の作成や管理、また最近では各種講演会の動画の編集を行い、院内教育へ二次利用することも多くなっている。300回を超えるICTウィークリーニュースの制作、院内学習用のeラーニングの運用管理、種々の院内システムの開発や管理、各種行事や建築関連の資料作成やサイン工事の管理や作成、さらには看護師確保プロジェクトへのサポートなど、様々な活動を行っている。
  2. システム管理室
    室長以下、3名の医療情報技師と4名の診療情報管理士を含む9名で構成されている。近森会グループ内のコンピューターシステムの導入、運用、保守管理を担当している。システム構成は電子カルテ、オーダリングシステムを中心に医事、薬剤、検査、画像、透析、栄養管理、文書管理、病歴管理、介護保険、看護支援など20以上のシステムが連動している。また、院内情報伝達システムとしてサイボウズがあり、院内電子メールや掲示板、キャビネット(文書保存)機能を職員間や部署間で利用している。電子カルテを中心としたこれらのシステムは、カンファレンスですり合わせる情報共有の仕方に比べ、情報交換のみで情報を共有できるため処理能力が高く、チーム医療に際してスタッフの情報共有に大きな役割を担っている。
    システム管理室独自の業務以外にも診療支援として新人や中途採用のスタッフに対する電子カルテの操作訓練、新規システム導入の支援や既存システムの改善、他院からの画像データや各種診療データ、デジカメ画像の電子カルテへの取り込み、各種統計データや帳票出力を行い、詳細な診療実績の把握、さらには各種アンケート調査や提出物に対する対応などを行っている。
  3. 診療情報管理室
    室長以下10名で診療情報管理士は3名である。電子カルテなどの診療情報を管理する通常業務以外に診療支援としてDPC病名決定の医師へのサポート、手術実績の登録を行い年報や学会などの資料として該当手術の抽出、地域がん登録や院内のがん登録、施設基準や各種アンケートへの対応、院内各部署や医師からの患者や病名抽出依頼を年間50件対応している。DPCデータの加工や分析を通じて地域医療における近森病院の診療実績評価や先進病院と比較したベンチマークを行い、経営判断の資料として役に立っている。さらには死亡患者に対しては、診療情報管理士のチェックとともに、院長、副院長、学術担当が全例、週1回検討を行い、それに基づいて死亡診断書の記載医師に対する指導も行っている。
  4. 医事課
    近森病院の医事課は55名で、課長1名、各担当の主任6名、入院係12名、外来係26名、文書係6名、未収金係2名、地域医療連携室への出向が2名、うち診療情報管理士は23名である。ちなみに管理部全体で診療情報管理士は35名で、診療録管理体制加算がはじまった2000年4月にはすでに6名のプロパーのスタッフを育成していた。通常業務以外の診療支援としては、診断書などの各種書類の発行時に文書作成の代行を行っており、ほとんどの書類において医師は確認の上サインするだけとなっている。受付業務においても、診療科に対する問い合わせにもできる限り対応しており、患者からのクレームに対しても危機管理室と連携し初期対応を行い、できるだけ医師、看護師に負担をかけないようにしている。その他、システム管理室や診療情報管理室と連携し、詳細な医療統計を出すことで経営判断に必要な資料や定例報告、各種外部アンケートに対応している(図3)
 2)総務部
総務部長のもと総務課、経理課、施設用度課、秘書課から成っている。それぞれの部署は濃い薄いはあるものの診療支援に関与しているが、秘書課は医師に対する診療支援で述べるので、ここでは患者の流れをスムーズにするための広報の活動を取り上げることとする。
総務課の広報・企画は担当2名で他職種との連携を図り、膨大な業務に対応している。院内誌『ひろっぱ』は月1回3,500部発行しており、近森会グループの現状と病院を取り巻く医療環境、何よりも近森がどこへ行こうとしているのか、理念や価値観の共有においてもっとも大きな情報ツールとなっている。『ホットライン』では院内各部署の紹介を行い、かかりつけの先生方への情報発信を行っている。
各種イベントでは地域医療講演会(年間20回程度)、公開県民講座(年2回)、救急症例検討会、高知市医師会講演会、入社式、その他各種学会や研究会のサポート、院内ピアノコンサート、献血、こども劇場、その他のレクリエーションなどを行っており、各種調整、会場の準備、受付案内、写真撮影、広報など八面六臂の活躍をしている。
外部の病院や団体の見学や研修もスケジュールや担当の調整、案内、懇親会の手配などを行っており、広報を通したものだけでも昨年は1年間で83グループ、329名の医師や看護師、リハスタッフ、薬剤師、栄養士、事務、学生などの多職種に対応している。退院時アンケートや外来アンケートでは回答部署への振り分けやとりまとめを行い、患者ニーズの把握と対応に役立てている。かかりつけの先生方の医療機関を訪問し、『ひろっぱ』やホームページに掲載、かかりつけ医紹介カードの作成などを行い、地域医療連携の支援を行っている。その他、新聞、テレビなどの取材、アンケートなどへの対応を行うとともにクリニカルパス委員会事務局として院内パスの調整やパス大会の運営、地域連携パス事務局業務も担当している。
3)地域医療連携室
院長直轄の部署は地域医療連携室、臨床研修部、医療安全管理部、感染制御部(ICT)がある。それぞれ診療支援を行っているが、ここではもっとも診療支援として活動している地域医療連携室を取り上げることとする。近森病院の地域医療連携室は総合受付の横にあり、医療相談室(ソーシャルワーカー14名)と同室で、前方連携は地域医療連携室、後方連携は医療相談室がおもに担当している。診療現場に近く、前方・後方連携がすばやく情報共有できる効率の良い配置となっている。スタッフは看護師3名、クラーク2名、医事課からの出向2名の7名である。
当院の外来センターは完全紹介予約外来制で、予約のある再診患者と初診の患者でもかかりつけ医より診察日時をあらかじめ予約の上、紹介状とともに来院していただいている。そのため、紹介予約センターとして外来センター受診の予約を行うとともにベッドコントロールや空床情報の管理、予約入院の管理を行うことで、スムーズな外来、入院診療に大きな貢献をしている。その他の診療情報提供書の確実な返書管理、地域連携統計データの集計、登録医の申請手続きなども行っている。さらにはソーシャルワーカーと協力してリスクの高い患者に対する転院調整を進め、後方連携にも関与している。
なお、近森リハビリテーション病院にも地域医療連携室、近森オルソリハビリテーション病院にも地域連携・相談窓口を設け、地域連携に積極的に取り組んでいる。

医師に対する診療支援
1)臨床研修部
院長直属の部署で3名が担当している。業務内容としては初期臨床研修に関する研修管理委員会や修了式、研修医ミーティング、レジデントミーティング、研修医勉強会などの開催やサポート、医学生の学外臨床実習や県内外の医学生の見学、医学生対象合同説明会のサポートを積極的に行い、若い医師の確保と臨床研修管理委員会の担当医師の業務軽減に貢献している。
 2)秘書課
近森病院では以前から各医局のニーズに合わせて秘書をプロパーのスタッフとして雇用しており、医師事務作業補助者体制加算がはじまった2008年4月には15名の秘書が在籍し、加算を算定することができた。2年後には15対1となり、現在26名の陣容になっている。秘書課は総務部に属しており、近森会グループ全体で課長以下33名のプロパーの秘書で構成されている。各科共通の業務としては医師のスケジュール管理、医師入退職の連絡、ロッカーやユニフォームの手配、各種の手術や処置、検査、入院患者のリストの作成、紹介状などのスキャン、研修会や学会などのイベント行事の運営支援、カンファレンス準備や資料の作成、学会や講演会資料の作成、医局会や各種会議の資料準備や議事録作成、各種治験や学会のデータベースへの入力とデータ管理、医局業績管理や医局会計管理、文献検索、各種案内の出欠管理、年賀状や礼状の送付管理、お中元やお歳暮の管理、出張の手配など医師の事務的な業務のほとんどに対応しており、医師の事務業務の負担軽減に大きな役割を担っている。
各病院、各科で医師数と業務量に大きな違いがあることから、秘書の業務もさまざまで各診療科の特徴がよく出ている。たとえば近森リハビリテーション病院では患者数に対して医師数が相対的に少ないことから、6名の秘書を配置しており、そのうち3名は病棟の医師の入力業務の代行や診療業務のサポートを行っている。内科でも医師数、患者数が多いことから6名配属されており、外来クラークと協力して外来診療での代行入力や予約入力、入院台帳の記入や病棟への連絡、各種入院書類の台紙の立ち上げなどを行っている。心臓血管外科では2名配属されており、医師が手術記録や紹介状、レセプトの注釈などを音声入力しておき、秘書がテープをおこし電子カルテに移行している。病棟回診やカンファレンス、外来診療でも秘書が代行入力している。
医療秘書の業務を分類してみると、医師の指示のもとで単に業務を行っている人事レバレッジのレベルなのか、タスクシフトして医師にとってなくてはならないダイヤモンドのように輝いている医師の片腕としての秘書なのかが認識できるようになる。

看護に対する診療支援
看護に対する診療支援は、2010年4月急性期看護補助体制加算として算定できるようになる以前から、外部委託スタッフとして積極的に対応していた。近森病院の看護補助の職種はアテンダント、クラーク、ポーターに大きく分けることができる。
1)アテンダント
アテンダントは40.5名で診療報酬で算定が認められる一般病棟ではプロパーのアテンダントが27.5名、診療報酬上認められていない放射線科や内視鏡センター、中材、透析室、重症病棟では外部委託のアテンダントが13名在籍している。業務内容としては患者の身の回りのケア、患者搬送、リネンや洗濯物の管理、入退院時のベッドの作成や病室の準備、他部署へのメッセンジャー、オムツなどの備品の整備や病棟の環境整備などを行っている。
2)クラーク
クラークは53.7名で、外来クラークと病棟クラークに大別される。
  1. 外来クラーク
    すべて外部委託の41名で、各科の外来以外にも地域連携室(2名)や入院窓口(2名)、救命救急センター(5名)、内視鏡センター(1名)にも配属されている。内科外来が16名ともっとも多く、従来の外来看護師の業務のほとんどを担当している。
    業務内容は来院時紹介状の確認、ナースコーナーでは問診票の記載、バイタル、主訴の確認、カルテや検査結果の準備、検査や処置の案内、患者や検体の搬送、診察室では待合室の誘導表示、電子カルテの画面表示、診察介助、着脱介助、必要物品の準備や整理、病状説明の立会や記録、補足説明、予約券や処方箋、次回検査の準備や案内、電話対応では予約日の変更や内服、検査の問い合わせへの対応、書類の整理として、同意書や紹介状、CD、コピーなど添付書類の依頼やスキャンなどを行っている。
  2. 病棟クラーク
    病棟クラークは12.7名で、重症病棟の3名以外はすべてプロパーのクラークになっている。業務内容としては病棟の受付業務、帳票類の管理としてカルテの整理や量的監査、診療情報提供書や持参物の準備、連携パスの仕上げなど、電子カルテの入力では入退院、転入出などの予定、確認の入力、基準日入力、主治医登録、紹介情報の入力、各種書類のスキャン、デジカメ画像の取り込み、文書管理システムのフォルダ整理、メッセンジャーとして他科受診や御中、検査や手術時の患者搬送や検体搬送のポーター依頼、回診やカンファレンスの準備などを行っている。

 3)ポーター
ポーターは8.5名で、障害者枠で雇用した2名以外はすべて外部委託のスタッフになっている。ポーター業務としては、患者搬送としてベッドやストレッチャー、車いす、独歩での搬送を患者搬送基準に基づき実施している。検体搬送として真空管や密封容器へ梱包された検体搬送を行っている。
4)その他
ERでは救急救命士、病棟や外来では歯科衛生士などがそれぞれの専門性を発揮して看護のサポートを行っている。


おわりに
21世紀の急性期病院においては、業務量が膨大で医師、看護師だけで医療を行うことは不可能になり、多くの医療専門職が病棟に常駐し、それぞれの視点で患者を診、判断し、患者に介入して自立し、自動することが求められている。そのため、多職種による多数精鋭のチーム医療が行われ、医師、看護師から周辺業務をとるとともに、国家資格のないスタッフによる診療支援により、医師、看護師から雑用をとることで医師、看護師の業務はさらに絞り込まれ、医師は根本治療に専念できるようになり、看護師は根本治療以外の治療に対応できるようになった。チーム医療と同じように診療支援業務でも専門性を高め自立、自動してマネジメントすることで、多くの医療専門職から頼りにされ、国家資格のないスタッフでも、いきいきとやりがいをもって働くことができるようになっている。病院に勤務している医師、看護師、薬剤師、リハスタッフ、事務、クラーク、アテンダント、掃除のおばさん(図4)に至るまで、みんなが患者さんに早くよくなってもらおうと心をひとつにして働く、みんなが平等で独立している、そんなフラットな組織が21世紀の労働集約型医療サービス業の病院には求められている。

参考文献
1)今枝昌宏, サービスの経営学, 2.7レバレッジ:72-78, 2010.
 
 

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